みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
気候・自然

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」6回目

朝日小学生新聞の連載6回目は、「ニホンザル」です。青森県のサルは、人類を除けば世界で最も北に暮らしている霊長類ですが、悪事を重ねて、地域の嫌われ者に成り下がっています。

朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」6回目のPDF
朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」6回目のPDF

ごく少数が山から降りてきて、林縁に近い畑で落穂拾いをしている時はよかったのです。が、最近は数を増やし、人間が暮らす集落近くで繁殖し、どんどん増え続けています。農作物を重要な糧として。

集団で農場を襲うサルの群れ
集団で農場を襲うサルの群れ

子ザルの時から畑の作物を食べて育つと、簡単には山へ帰りません。というか、もう厳しい環境の白神の森では暮らせない可能性もあります。そんなサルたちが大挙して押し寄せて来るので、零細農家やお年寄りが生き甲斐のために作る畑は、全滅状態までやられる時もあります。

キョロキョロと、周りを窺いながらカボチャ畑を荒らすサル
キョロキョロと、周りを窺いながらカボチャ畑を荒らすサル
親子連れ。とても愛らしいが‥
親子連れ。とても愛らしいが‥

サルとの戦いに疲れて、畑をやめしてしまうと、記事にも書いてあるように、また耕作放棄地が増えて、野生動物が人の暮らしに近づきやすくなるのです。こうした現象が、過疎と限界集落化が進んだ、国内のあちこちの地方で起こっていると聞きます。

ジャガイモ畑をサルに荒らされ、見成熟な芋を慌てて収穫するお年寄り
ジャガイモ畑をサルに荒らされ、未成熟な芋を慌てて収穫するお年寄り

狩猟採集から農耕が生活の中心となるなかで、山を切り開いて畑にしたり、炭焼きをしたりして、利用し続けてきた里山。これが放置され、元へ戻って行くことで発生している、まさに「自然の逆襲」です。

サルの害獣駆除で、空砲を撃って追い払う伊勢親方
サルの害獣駆除で、空砲を撃って追い払う伊勢親方
捕獲されて、身体測定されるサル
捕獲されて、身体測定されるサル

野生動物にとって、環境の厳しい山の中より、簡単に食べ物が手に入る里の森は、魅力ある棲家となります。サルだけでなく、ツキノワグマやニホンカモシカ、外来種のハクビシンやアライグマ(私たちは未確認)までが、畑を荒らしに来るそうです。

一輪車を押して、畑に向かうお年寄り
一輪車を押して、畑に向かうお年寄り
畑仕事を終えて自宅へ向かう近所のお年寄りたち
畑仕事を終えて自宅へ向かう近所のお年寄りたち

少子化などのため、人間の勢いは、どんどん弱くなっています。でも地方には、高度経済成長時代を支えた高齢者が、まだ数多く暮らしています。そして、そのほとんどが、何らかの形で農業などの一次産業を営んでいますが、とても悠々自適とはいえない暮らしです。

私らが暮らすひなびた集落。山が迫った海岸性にへばりついている
私らが暮らすひなびた集落。山が迫った海岸性にへばりついている

それを支える自治体も、若者の都会への流出などで税収が大幅に減り、自力で踏ん張れる力もありません。そう、国からの補助がないと、立ち行かなくなるような事態に陥っています。

五穀豊穣を願う神事の準備をするお年寄り。後継者は‥
五穀豊穣を願う神事の準備をするお年寄り。後継者は‥

そんなお年寄りと弱小の自治体が、自然の逆襲にどこまで抗えるか、先行きはまったく見通せません。いや、もう未来に希望が見いだせないぐらいに、疲弊しきっています。

テレメトリー(電波発信機)を取り付けられて、群れに返されるサル
テレメトリー(電波発信機)を取り付けられて、群れに返されるサル

都会で暮らす人たちの中には、このように追い詰められた故郷を持っている方がいるはずです。盆正月に帰るだけでなく、一度、振り返って地方の現状に思いを馳せて下さい。そして可能ならば、手を差し伸べてやって貰えませんか。で、自分の親や親せきが亡くなったら、もういいや、と切り捨てないで下さい。

家族連れで農場を襲うサルの群れ
家族連れで農場を襲うサルの群れ

そうでなければ、日本人が縄文時代から培ってきた、「自然と共存しながらの暮らし」が、ここ数十年以内に消え去ってしまうかもしれませんよ。「安倍ノミクス」も、危険なナショナリズムを煽るより、本当の意味の「古き良き日本」を大切にして貰いたいものです。

伊勢親方も75歳。後継者もなく、いつまで猟を続けられるか‥
伊勢親方も75歳。後継者もなく、いつまで猟を続けられるか‥

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」5回目

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朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」5回目のPDF

朝日小学生新聞の連載企画「世界遺産の森から島から」に、白神山地シリーズ5回目の記事が掲載されました。今回はニホンイタチの話です。小さい体ながら、俊敏な動きと獰猛さが売りの小型肉食獣。民家の周辺にも頻繁に現われ、家禽類を襲ったり、干してある肉や魚を失敬したりする、嫌われ者です。

雪上を鞭のように身体をしならせて走るニホンイタチ
雪上を鞭のように身体をしならせて走るニホンイタチ

鞭のように身体をしならせて動きまわる姿を、普段、肉眼で捉えることは難しく、まさに森に生きる「忍びの者」のような存在です。そして、白神山地では、ネズミなどのげっ歯類が増えすぎるのを防ぐ重要な役割を担っており、貴重な原生林に息づく多様な生態系の一員として、太古から生き続けてきました。

哲二が残した雪の上の足跡に落ちて、シャチホコのような姿になったイタチ
哲二が残した雪の上の足跡に落ちて、シャチホコのような姿になったイタチ

ロボットカメラの前には、そう頻繁には登場しません。が、雪の上などを走り回っている姿が写っていると、ものすごく愛らしくて、嫌われ者と思いたくありません。我が家では、「イタちゃん」と名付け、しばらく携帯電話の待ち受け画面に使っていました。

ジャンプ力もすごい。木の上から、飛翔する鳥に飛びついたりすることも
ジャンプ力もすごい。木の上から、飛翔する鳥に飛びついたりすることも

深浦のマタギ・伊勢勇一親方や集落の長老らに聞くと、終戦後の貧しい時代、筒罠を使うと簡単に捕獲できたので、皮を取るためにたくさん獲られたそうです。今でも、イタチの毛を使った毛筆は高級品とされています。

アオバトの巣がある樹上を見上げるイタチ
アオバトの巣がある樹上を見上げるイタチ

ロボットカメラにウサギが写ると、その後を追うように登場するイタちゃん。今夜も、目にもとまらぬ動きで、ネズミやウサギを追いかけているのかな。また、電話の待ち受け画面に使いたくなってきたなぁ。私のは、時代遅れのガラパゴス携帯だけど。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」4回目

朝日小学生新聞の連載企画「世界遺産の森から島から」に、白神山地シリーズ・4回目の記事が掲載されました。今回から、白神山地の生き物を紹介してゆきます。まず、最初に登場するのが国特別天然記念物のニホンカモシカくんです。

朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」4回目のPDF
朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」4回目のPDF

地元では、アオジシと呼ばれています。生物学的には、とても貴重な存在ですが、白神の森では、結構、出会える子です。過去に、我が家から3軒隣のお宅の窓を突き破って、家の中に飛び込んできたことがあったそうです。ウシの仲間なので、意外に大きくて、力持ち。屋内を無茶苦茶にされたよ、と家主のご夫婦が、笑って話して下さいました。

森の中から姿を現すニホンカモシカ
森の中から姿を現すニホンカモシカ

最近、白神山地への「ニホンシカ」の侵入が取り沙汰されていますが、私らのロボットカメラには記録されていません。西目屋村の方では撮影されているので、心配です。が、白神山地には、過去にニホンシカが棲息していた痕跡があったそうです。人為的なものか気象の為かは不明ですが、何らかの原因で絶滅したのだと考えられます。

遊歩道を歩くニホンカモシカ。人もクマも歩く道。ニホンシカは記録できていない
遊歩道を歩くニホンカモシカ。人もクマも歩く道。ニホンシカは記録できていない

ただ、ニホンシカが存在した当時は、ニホンオオカミも生き残っていたと思われます。シカの天敵であるオオカミが滅びてしまっている今、繁殖力が強いニホンシカが増え過ぎると、生態系に深刻な事態を巻き起こします。侵入を防ぐために何をすべきか。きちんとした態勢を組んだ調査と、侵入を確認した時に働ける狩猟者の確保だと思われます。この問題は、また、章を改めて記します。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」3回目

朝日小学生新聞の連載企画「世界遺産の森から島から」に、白神山地シリーズ・3回目の記事が掲載されました。ここで、我らのマタギ・伊勢勇一親方が登場します。写真は、今より若いときに狩猟をしている姿です。ボルトアクションのライフル銃で、約300㍍先の山の斜面にいるツキノワグマを狙っています。この時の巻狩りでは、3頭のクマが仕留められました。

朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」3回目のPDF
朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」3回目のPDF

実は、この回は違う写真も用意していました。それは、最近撮影したウサギの猟のシーンです。雪上で仕留めた獲物を、あっという間に皮をむいて肉にしてしまう、やや残酷な場面。小学生には刺激が強すぎるのでは、という配慮が働き、射撃の写真になりました。撮影と同時に弾が発射されましたので、獲物を狙う親方の緊張が伝わって来るようなカットです。

白神山地の麓の里山で、ウサギの皮をむく伊勢親方=深浦町で
ウサギの皮をむく伊勢親方

 ただ、動物がお肉になる現場を見せたかったので、残念な想いも残ります。最近、私たちの口に入るお肉は、きれいに切り分けられてパック詰めで販売されています。今の子供たちには、食肉は生きていた動物を解体して得たものだ、という事実が、ビジュアル的にも伝わりにくい時代です。だから、現代でも、山野にいる獣を狩りとって暮らしている人を紹介したかったのですが、なかなか想うようにはいきません。

スノーモービルに載せられるウサギ
スノーモービルに載せられるウサギ

でも、白神の連載を子供たちに読んでもらえるだけでもありがたいので、こうした試みを小出しにしながら、次へ繋げてゆきたいと考えています。次回はどんなお話をお見せできるのか、楽しみにお待ちください。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」2回目

朝日小学生新聞の連載企画「世界遺産の森から島から」に、白神山地シリーズ・2回目の記事が掲載されました。今回は、「マタギ」が冬眠から目覚めたツキノワグマと対峙する話です。伝統的な狩猟法である「巻き狩り」で獲ったクマに、伊勢親方の愛犬「ロッキー」が勇敢にかみついている写真も採用されています。

朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」2回目のPDF
朝日小学生新聞連載企画「白神山地シリーズ」2回目のPDF

藩政時代に津軽地方を治める殿様へ、毛皮や熊の胆などを献上してきた白神の「マタギ」たち。かつては、野生動物の肉や毛皮が珍重され、換金できた時代もありました。でも、近代化と共に訪れた便利な暮らしが、自然の恵みを戴きながらの営みを現代人から遠ざけました。ただ深浦は、伊勢親方をはじめ、山、川、海と関わって生きている人の暮らしが、今も色濃く残っている町です。地元にも、先人の生活文化を学び、「マタギの知識や技能」を受け継ぐ子どもが育ってほしい、と願っています。

サイバーテロかと思うほどのアクセス数

 

ちょっと、下記のアクセス数を見てやって下さい。本日8日午後7時すぎのカウントで、訪問者数だと普段の100倍、閲覧数でも20倍ぐらいに跳ね上がっています。先日、遺骨収集の学生ボランティア「IVUSA」を取り上げた時もすごかったのですが、今回は、それをはるかに超えて来たのです。

年月日 訪問者数 閲覧数 平均閲覧数
2014/04/02(水)  76 (1%)  204 (2%) 2.68
2014/04/03(木)  93 (1%)  383 (4%) 4.12
2014/04/04(金)  82 (1%)  569 (6%) 6.94
2014/04/05(土)  95 (1%)  538 (6%) 5.66
2014/04/06(日)  95 (1%)  330 (3%) 3.47
2014/04/07(月)  69 (1%)  391 (4%) 5.67
2014/04/08(火)  6552 (93%)  7279 (75%) 1.11
合計 7062 9694 1.37

最初はサイバーテロかと思って、オロオロしました。が、理由は、深浦の海岸線に放置されているカンボジア船籍の座礁船を紹介する新聞記事に、私らのHPを関連付けられたのが主因でした。東北地方のブロック紙・河北新報の記事と一緒に、ヤフーがネットで紹介してくれたのです。そして、多くの方が訪れて下さり、異常なカウントを稼いだのでしょう。

ページごとのアクセス数を見てみましょう。どのページに人気があるのか確認できます。
ページ名 訪問者数 閲覧数 平均閲覧数
/  37 (1%)  72 (1%) 1.95
「ブログ」-晴遊雨読 |  4 (0%)  65 (1%) 16.25
①深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方(第1部) |  35 (1%)  43 (1%) 1.23
「追跡」-白神山地の生活文化 |  7 (0%)  34 (0%) 4.86
②深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方(第2部) |  26 (0%)  31 (0%) 1.19
豊饒の海に流れ着いた厄介者 |  23 (0%)  27 (0%) 1.17
木造高校深浦校舎の生徒たち |  14 (0%)  18 (0%) 1.29
「活動」-白神の森と生き物たち |  12 (0%)  17 (0%) 1.42
初春の海霧に包まれた村 |  13 (0%)  16 (0%) 1.23
浜田哲二、律子のプロフィール |  8 (0%)  9 (0%) 1.13
「記録」-沖縄戦・戦没者の遺骨収集 |  7 (0%)  7 (0%) 1.00
いわさき小学校で「夢をはぐくむ教育講話」 |  4 (0%)  5 (0%) 1.25
マタギの料理「ウサギ鍋」 |  3 (0%)  5 (0%) 1.67
4月 | 2014 |  4 (0%)  5 (0%) 1.25
●豊饒の海に流れ着いた厄介者 | 活動③(追跡)のカテゴリー |  4 (0%)  5 (0%) 1.25
産土講(うぶすなこう)のしめ縄作り:前編 |  4 (0%)  4 (0%) 1.00
地域の行事「十日講」の当番が我が家に回って来ました |  4 (0%)  4 (0%) 1.00
めぐみ保育園での講演 |  3 (0%)  4 (0%) 1.33
●深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方⑤ | 活動③(追跡)のカテゴリー |  3 (0%)  3 (0%) 1.00
●マタギの料理「ウサギ鍋」 | 活動③(追跡)のカテゴリー |  3 (0%)  3 (0%) 1.00
●深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方③ | 活動③(追跡)のカテゴリー |  2 (0%)  3 (0%) 1.50
●豊饒の海に流れ着いた厄介者 | 活動③(追跡)のカテゴリー |  3 (0%)  3 (0%) 1.00
活動③(追跡) |  3 (0%)  3 (0%) 1.00
●ニホンカモシカ | 活動のカテゴリー |  3 (0%)  3 (0%) 1.00
●山菜の宝庫・白神山地① | 活動③(追跡)のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
深浦町の「マタギ」伊勢親方⑨-紅葉とナメコの季節が到来 |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
③深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方(第3部) |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
●2014年遺骨収集15日目 「IVUSA」の若者たち | 活動②(記録)のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
「戦没者慰霊の会ひょうご」との活動 |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
小学校の道徳の公開授業と講演会 |  1 (0%)  2 (0%) 2.00
深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方⑥‐「歓喜のマイタケ狩り」 |  1 (0%)  2 (0%) 2.00
●白梅学徒隊の生存者と遺骨収集の学生ボランティアが交流 | 活動②(記録)のカテゴリー |  1 (0%)  2 (0%) 2.00
産土講(うぶすなこう)の神事:後編 |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
●アズマヒキガエル | 活動のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
■キクザキイチゲやエンレイソウなどの山野草 | 活動のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
●深浦町の「マタギ」伊勢親方⑦-親方、先生になる(上) | 活動③(追跡)のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
●深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方② | 活動③(追跡)のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
●深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方⑥‐「歓喜のマイタケ狩り」‐ | 活動③(追跡)のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
●木造高校深浦校舎の生徒たち | 活動③(追跡)のカテゴリー |  2 (0%)  2 (0%) 1.00
庭・園芸 |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
白神山地の生き物たち「ツキノワグマ」 |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
白神山地の生き物たち「ツキノワグマ②」 |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
●産土講のしめ縄作り:前編 | 活動③(追跡)のカテゴリー |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
●深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方④ | 活動③(追跡)のカテゴリー |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
●木造高校深浦校舎の生徒たち | 活動③(追跡)のカテゴリー |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
●屋久島との交流第五弾~屋久杉とサンゴの浜、そして、さらば、屋久島 | 活動③(追跡)のカテゴリー |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
「鹿島(春日)祭」の神事:2013 |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
④深浦町の「マタギ」伊勢勇一親方(第4部) |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
戦争 |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
口蹄疫?のカモシカ |  1 (0%)  1 (0%) 1.00
その他  6545 (96%)  6849 (94%)
合計 6812 7279 1.07

いやぁ、ネットの影響力はすごい。心底、驚きました。でも、よく考えてみたら、私らがサイバーテロを受けるいわれもないし、それほどの大物でもありません。そんな勘違いを夫婦で笑いあいながらも、素直に嬉しかったです。HPに来てくださった皆さまに、心よりのお礼を申し上げます。そして、2014年4月現在の座礁船の状況ですが、激しい波のせいで船体は真っ二つに折れて、半分が水没したように漂っています。近日中に写真を撮りに行って、また、報告致します。

朝日小学生新聞が始める世界自然遺産の連載一回目

朝日小学生新聞が始める世界自然遺産の連載一回目

朝日小学生新聞が始める世界自然遺産の連載一回目

朝日小学生新聞で2014年4月2日より、国内にある4カ所の世界自然遺産の今を子どもたちへ伝える連載が始まりました。「世界遺産の森から 島から」というシリーズで、白神山地(青森県)、屋久島(鹿児島県)、知床(北海道)、小笠原(東京都)の自然やその成り立ち、そこで暮らす人たちの生活文化などが紹介されます。その栄えある第1回目に、私たちが担当した白神山地の記事と写真が出ました。最初は世界有数のブナ林に暮らすツキノワグマのお話です。毎週水曜日の3面コラム欄に掲載され、週1回のペースで来年3月末まで続く予定です。期待される2回目は小笠原諸島の記事が準備されています。

雨あがりの森に現れたクマ。四つん這いになっても体高が1㍍以上あり、かなりの大物だ

雨あがりの森に現れたクマ。四つん這いになっても体高が1㍍以上あり、かなりの大物だ

当ホームページの読者の皆さま、ぜひ、この連載にご注目下さい。というのは、朝日小学生新聞を介して、日本国中の子どもたちへ、白神山地の自然や生活文化などをお伝え出来るからです。そして、この森で生きる野生動物やマタギの暮らし、それに関わる子どもたちの活動などを1年間書き連ねることで、「次世代への自然遺産の継承」と「生活文化の伝承」に繋がる取り組みを知ってもらえる契機になると、考えたのです。おっと、あんまり手の内を明かすと編集者に叱られそうです。今後の内容に、乞うご期待ください。

朝日学生新聞社編集部

www.asagaku.com/

可能ならば、上記URLを参照にして、お子さんたちのために朝日小学生新聞を購読するようにお願い致します。私たちも大好きな子供新聞です。 

このクマも雨中に現れた。雨はお互いの音と匂いを消す、とマタギの親方は語る

このクマも雨中に現れた。雨はお互いの音と匂いを消す、とマタギの親方は語る

無事に青森へ帰ってきました!

薪ストーブの暖かい炎のありがたみを堪能する夜。さぁ、持ち帰った文旦でも食べようか!

薪ストーブの暖かい炎のありがたみを堪能する夜。さぁ、持ち帰った文旦でも食べようか!

約2か月間の旅を終えて、無事に深浦町の自宅へ帰ってまいりました。今、ホッ一息吐きながら、薪ストーブのゆらめく炎に照らされて、ブログを書いています。途中で立ち寄った大阪で、新聞社時代の仲間と仕事の打ち合わせをした後、久しぶりの都会で浪速の味を堪能しました。そして、陸路で約20時間。日本海側の高速道路に車を走らせて、ようやく辿り着いたのです。今回の沖縄の遺骨収集活動は、約1か月半ぐらいの期間でした。そして、残りの約15日間はお彼岸のお墓詣りをするために、律子の実家・岡山や私の実家・高知への里帰りにあてました。岡山には律子の母が一人で、高知には私の兄が息子と暮らしています。1年に1回きりしか帰れませんが、私ら夫婦には血の繋がった肉親が少ないため、こうした機会を大切にしています。

ご近所の皆さまにお裾分けする前に、品質のチェック。あたっているのはジャムにします

ご近所の皆さまにお裾分けする前に、品質のチェック。あたっているのはジャムにします

そして、恒例の南国のお土産を買ってきました。今年も、土佐文旦です。グレープフルーツに似た外見のかんきつ類で、小は約300㌘、大は1000グラム近くになります。露地栽培では、5月に開花し、夏の日差しを浴びて成長します。そして年を越して完熟させますが、寒さに弱いため、年末から年明け早々には収穫します。その後、少し貯蔵して追熟させてから出荷へと至ります。高知では、今の時期、文旦の最盛期です。大粒で見かけが良いものは高価で、1個500~1000円ぐらいの値がつきます。ゆえに、表面の皮にキズがあったり、ヘタのポッチが取れていたりする「規格外品」ばかりを選んで持ち帰ってきました。これらは安価でありながら、中身の味は同じだそうです。そして見かけが悪いのは、露地で無農薬栽培をしているためで、皮もマーマレードなどのジャムに加工できます。庶民にとって、安くて安心な、ありがたき存在です。

黄色い文旦に囲まれてポーズ。3人娘にお願いすればよかった‥

黄色い文旦に囲まれて可愛くポーズ。ちょっと無理があるかな‥。3人娘にお願いすればよかった(笑)

文旦は、グレープフルーツなどに比べても果肉がしっかりしています。かんきつ類の甘さは蜂蜜と同じ成分の果糖で、その上品な甘みと酸味とのバランスは素晴らしく、一度食べると癖になるほど忘れられない味だと、律子は話します。今回は高知県西部の大月町産です。ここの文旦は最高に味が良く、毎年、決まった農家から戴いてきます。今年も実りがよく、美味しいです。深浦の関係各位の皆さま。ほんの少しですが、近日中にお土産としてお配りいたします。で、もし希望があれば、少しならお裾分けいたしますので、無くなる前にお申し出ください。甘酸っぱい、南国の春の味を一緒に堪能しましょう。

台所の床に並べた所。大小200個以上ありそう‥

台所の床に並べてみると‥。大小200個以上ありそうだ

 

ホラ貝との戦い!㊦

ホラガイを引っ張り合う浜田兄弟。周辺の物を壊しそうな雰囲気

ホラガイを引っ張り合う浜田兄弟。周辺の物を壊しそうな雰囲気

なかなか身が出ないので、しびれを切らした兄弟が、手で引っ張り出そうとした。が‥

なかなか身が出ないので、しびれを切らして手で引っ張り出そうとしたが‥

正直言って、身を出すのにこんな苦労した貝は初めてです。結局、中身の取り出しは、一晩中ぶら下げて弱らせ、翌朝、筋肉が伸びきったところに刃を入れて、食べられる身の部分を切り取りました。実は前の夜、力自慢で乱暴者の義兄と夫が、お互いが踏ん張りきれないほどに力を入れて引っ張り出そうとしましたが、結んだ紐が切れそうになるだけで、まったく出てくる気配がありません。そのうち力が余って、貝殻や蓋がミシミシと割れそうになったので、慌てて止めさせました。割れたら、元も子もないからね。

ついに出てきた。が、内臓は貝の中に残ってしまった

ついに出てきた。ただ、内臓が貝殻の中に残ってしまった

ホラガイは、高知県沿岸で獲れる巻貝ですが、地元では「ヒゲポッポ」と呼ばれており、その語源はよく判っていません。大きな個体は殻長40cm前後にまで成長します。この子は30㎝を少し越えていました。食べ方は、酢の物や煮付けなどにすると聞きましたが、活きが良かったので今回は刺身にして食べてみました。

色もきれいで、香りも良い身。でも、ヌルヌルしているのと、突き出た突起のような目が怖い‥

色もきれいで、香りも素晴らしい。でも、ヌルヌルしているのと、突き出た目が怖い‥

可哀想だけど、まっぷたつに割る

可哀想だけど、まっぷたつに割る

 その味ですが、アワビとサザエをミックスして柔らかな甘味を加えたような、さわやかな旨み。身も硬すぎず、柔らかすぎることもない、丁度良い歯ごたえです。初めて食べましたが、抜群に美味しいです。これは、癖になりそうな味覚。でも、今日、高知を発たなければならず、つまみ食いだけして、本体は義兄や甥に残していくことになりました。残念ですが、朝から、貝を肴に一杯飲らす訳にはいきません。思いっきり後ろ髪を引かれているようでしたが、我慢しなさい!
割ってみると、白っぽい身。美味しそうだ

割ってみると、白っぽい身。美味しそうだ

身がしっかりとしているので、歯ごたえがありそう。だから薄引きにした

身がしっかりとしているので、歯ごたえがありそう。だから薄引きに

貝殻の部分が楽器になる「法螺貝(ホラガイ)」。元々は密教の儀式に使う法具の一つで、インドで釈尊が人を集めるための合図として使用されたと言われています。その後、仏教の伝来によって日本へ。役行者(えんのぎょうじゃ)で有名な修験道で、山伏たちが、「説法」、「宿入」、「案内」、「集合」、「寒行」など、山で8種類の修行をする時などに吹き鳴らされるそうです。音が遠くまで響き渡ることから、戦国時代の武将たちも合戦に用いていました。
薄く引いて行くと、結構、量が取れそうだ。4~5人前はありそう

薄く引いて行くと、結構、量が取れた。4~5人前はありそう

ちょっと味見‥

ちょっと味見‥

そして、私たちの身の回りにも、時たまいらっしゃるのですが、大げさでデタラメな事を吹聴する輩を「法螺吹き」と言います。これは、法螺の音が遠くにまで響き渡って行くことから、小さな事を大きく話して広める様を転じたとされています。日本で法螺に使われる貝は、食用でも楽器用でも高値で売買されることから乱獲され、近年は生息数を減らしているようです。
初めて食べるので怖々と口に運ぶ

初めて食べるので怖々と口に運ぶ

うまー!。えー、ほんとうに美味しいよ。目が真ん丸に!!

うまーっ!。ほんとうに美味しいよ!!。目が真ん丸に!!!

んで夫が、「可哀想だから、近くの海へ放してやろうか」と言い出しました。でも逃しても、またすぐに地元の漁師さんに捕まって食べられてしまいそうです。それならば、私たちが身をしっかりと食べてあげて、殻は南国の貝が大好きな「青森の3人娘」に持って帰ってやろうと、決めました。
盛り付けもほぼ完成。さぁ!

盛り付けも、ほぼ完成。さぁ!

一口食べた夫・哲二も大喜び。で‥

一口食べた貝好きの夫・哲二。「むちゃくちゃ美味いよ」、と大喜び。でも‥

珍しく夫に、生類を憐れむ気持ちが起きたようですが、そんな殊勝な思いは一瞬だけ。あっというまに、ガサツな大酒飲みの本性を現し、まさに「法螺を吹く」ように、貝を食べる言い訳を連発し始めました。あー、一瞬だけでも、夫を見直す気になった私がバカだった。でも、抜群に美味しかったので、また、手に入るならば、取りだす苦労を厭わない貝です。今度こそ、満喫するまで賞味してみたいな。ゴメンね、ホラガイくん‥。可哀想だけど、また見かけたら、食べられる運命だからね。覚悟しなさい。
なぜかラップに包まれて、冷蔵庫行き。残念でした。本日帰る私たちは、食べられません。お義兄さんたちへ、ね!

なぜかラップに包まれて、冷蔵庫行き。本日帰る私たちは、食べられませんよ。お義兄さんたちへ、ね!

元旦に届いた屋久島からの贈り物

つやつやに輝くポンカン。屋久島のポンカンは甘くて美味

つやつやに輝くポンカン。屋久島のポンカンは甘くて美味

元日早々に、昨年、世界自然遺産登録20年を白神山地と同時に迎えた屋久島の仲間から、見事なポンカンが届きました。つやつやに輝くオレンジ色で、捥ぎたてだそうです。送ってくれたのは、哲二の新聞記者時代の同僚で、愛着を込めて「武ボン」と呼ぶ友人です。私ら夫婦と同じように会社を早期退職し、屋久島で第二の人生をスタートさせています。今回、白神と屋久島の交流プログラムを一緒に立ち上げたパートナーで、哲二とはカメラマン時代から、仕事のことや会社組織のことなどで、いつも激論を交わしながら、一緒に仕事をしたそうです。

屋久島のポンカンを子どもたちにも配るため、仕分け中

大間越の3人娘にも配るため、仕分け中

新年早々の粋な贈り物に、冬真っ盛りの白神の自宅に、ひと足早い春が訪れたような彩りと香りに包まれました。昨秋、屋久島を訪問した3人娘にも配ってきます。きっと、大喜びすると思います。交流プログラムの第二弾として、今年の夏ごろに屋久島の子どもたちを連れて、白神山地へ来てくれる予定になっている武ボン。大歓迎で、お迎えするからね。ありがとう。本年もよろしくお願いします。