みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
デブ夫婦のウォーキング日記⑮「押しつまってきました」

デブ夫婦のウォーキング日記⑮「押しつまってきました」

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日課のようになった海辺の祠へお祈り

本日は律子です。

 今年もおしつまってきましたが、西津軽の天候はどっぷりと冬型。雪は断続的に降り続き、北風が吹き荒れています。例年、お正月は静かなんですが‥。ウォーキングを初めて約1カ月半、当初は健康のためでしたが、北国の寒村に移住した夫婦の日記ネタになりつつあります。

勝手に「安徳さま」と呼んでいる祠

 歩き初めに手を合わせる海辺の赤い祠も、連日の降雪で真っ白なお化粧を施したように。その頭越しに見える集落も、綿菓子を飾り付けたようです。大型のショベルカーで除雪を終えた道路はカチカチに凍結、足腰の弱ったデブはヨチヨチとしか歩めません。そこで、ついにスパイク付きの長靴を導入しました。そうまでして海岸を歩いてるのは、どうも浜田夫婦のみ。雪の上に残される足跡も二人と野生の生き物だけになりました。どっぷーん、と打ち寄せる波うち際に、ゴメ(カモメ類)が集まっています。近づいても、なかなか飛び立ちません。

 「ん?、何で粘っているの‥」と首を傾げて見ていたら、どうもハタハタの卵「ブリコ」が打ち上げられるのを狙っているようです。私らが通り過ぎると、飛び立った後もすぐ戻って来るので、穴場を知っているのでしょう。賢い子たちです。

    ハタハタの卵(ブリコ)を奪い合うゴメ

 そういえば、マタギの伊勢親方がご存命の頃、毎朝のように海辺を歩き、樽烏賊(タルイカ)が打ち上げられるのを待っていました。秋から冬の時期、海が荒れたときに海岸近くに寄って来るそうで、一匹見つけると必ずペアがいたそうです。時には20㎏を越える大物も。捕獲時は固くて味がないそうですが、切り身にして冷凍すると、柔らかくなって旨味が増すんだ、と舌なめずりされていました。

 「こんな時期、デブ夫婦が海岸で転んだら、親方に樽烏賊と間違われたかもな」と、にやにや笑いの哲二がアホな妄想。何を言うか、私はもっと頑張って、スリムなヤリイカになるのよ。お前だけが樽のまま転がってな、と心で呟きながら帰路へ。

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