みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
青い森の白い神の里から

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」18回目

日小学生新聞の連載「白神シリーズ」18回目のウサギ
朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」18回目のウサギ

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」18回目は、ウサギです。日本国内では珍しい動物ではありませんが、白神山地の生態系にとって無くてはならない存在です。

雪の中、仕掛けたカメラの前を走るウサギ
雪の中、仕掛けたカメラの前を走るウサギ

雪深い山の中でも冬眠せず、冬の間も肉食獣や猛禽類の重要な獲物になります。また、伊勢勇一親方のようなマタギにとっても、生きていくために必要な肉や毛皮を得る、「森からの戴きもの」でした。

そして、もと来た方向へ戻って行く‥
そして、もと来た方向へ戻って行く‥

私たちが白神山地に関わって来た約20年の間、林道での夜間の目視や、地元の狩猟者の話などから、数の増減を感じることがありました。もし、森からウサギが姿を消してしまうことになれば、生態系のバランスは大きく変化するでしょう。

ピンと耳を立てて、周囲の状況を探る
ピンと耳を立てて、周囲の状況を探る

白神山地ではこれまで、他の野生動物と同様に、ウサギの生息数や分布域などの生態調査が、ほとんど行われていません。特に世界自然遺産へ登録された後は、ニホンジカの調査以外は、ほとんど手つかずの状態で放置されていると思われます。

高校生が仕掛けたカメラにウサギが写る
高校生が仕掛けたカメラにウサギが写る

それゆえ、ロボットカメラによる森の生き物たちの撮影を続けることで、生態や生息数を知るお手伝いができればと考えています。最近は、地元の中高生らも意欲的に参加してくれ、心強い限りです。

ふかふかの冬毛とつぶらな瞳
ふかふかの冬毛とつぶらな瞳

フカフカした冬毛とつぶらな瞳。筋肉隆々の足で躍動する夏毛の姿は、カメラで捉えた野生動物の中でも、1、2を争う人気者です。いつまでも、白神山地で命を繋ぎ、森の生態系を支える存在であってほしいな。

暗闇でなぜか踏ん張っている個体
暗闇でなぜか踏ん張っている個体

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」17回目

朝日小学生新聞の連載のホンドテン
朝日小学生新聞の連載のホンドテン

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」の17回目はホンドテン。夏と冬、鮮やかな毛並みに衣替えをする、森の貴婦人のような存在です。が、その見かけとは裏腹などう猛さで、鳥やネズミなどのげっ歯類にとっては恐ろしい天敵です。

雪を被った林道を忍び足で歩いて来る
雪を被った林道を忍び足で歩いて来る

佐渡島で飼育中だった国の特別天然記念物のトキを9羽も食い殺し、その獰猛さが国中に知れ渡りました。すばしっこいイタチの仲間で、木登りが得意、水中にも潜れるオールラウンダーです。

何かをお口に咥えながら登場。巣へ持ち帰るのかな
何かをお口に咥えながら登場。巣へ持ち帰るのかな

でも、皮肉なことに、その美しい毛皮が狙われて、白神の森では一時期、数を減らしたそうです。婦人用の襟巻きとして高値で取引されたため、マタギたちも競うように捕獲したと口を揃えます。

とても美しい毛並みの個体。木の上を走るネズミを狙っているのか
とても美しい毛並みの個体。木の上を走るネズミを狙っているのか

猛禽類のワシ・タカなどに狙われる以外は、ほとんど捕食者がいないとされるホンドテン。そんな森のどう猛なハンターの天敵は、同じように着飾りたいサル目ヒト科の女性だったのです。

晩秋の落ち葉の上現れた個体。冬毛に衣替えしている
晩秋の落ち葉の森に現れた個体。冬毛に衣替えしている

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」16回目

長らくご無沙汰してしまいました。沖縄での遺骨収集ボランティアが忙しくて、朝日小学生新聞の連載記事を更新するのが滞っていました。同紙でのシリーズは、3月末で終了していますが、後追いで残りを掲載いたします。

朝日小学生新聞の連載記事「ハクビシン」
朝日小学生新聞の連載記事「ハクビシン」

16回目はハクビシンです。ネコ目ジャコウネコ科で、元々、日本に棲息していなかった外来種とされています。台湾やフィリピンなどの東南アジアなどに分布し、暖かい地域を好む種だと思っていたのですが、真冬の白神山地でも越冬して、生息域を広げているようです。

とても愛らしい仕草を見せるハクビシン
とても愛らしい仕草を見せるハクビシン

木登りが得意な夜行性。果物が大好きなので、果樹農家にとっては厄介者です。深浦町やお隣の鰺ヶ沢町で、アライグマの被害が続発している、と報告がありますが、その一部はハクビシンである可能性も捨てきれません。都市部周辺でも、人家の屋根裏に巣を作ったりすることもあるそうです。

林道を歩いているときも、地面を嗅ぎまわっている
林道を歩いているときも、地面を嗅ぎまわっている

鼻筋の白い毛が特徴的で、見かけはとても愛くるしい姿です。が、果物だけでなく肉や魚も好んで食べる雑食性で、外見からは想像もつかないような食いしん坊とされています。農作物の被害を防ぐために仕掛けられた害獣駆除の檻の中で、捕獲後、4日間絶食させても、ピンピンしていたそうです。

雨の中でも森をウロウロ。時には、コミカルな動きも見せる
雨の中でも森をウロウロ。時には、コミカルな動きも見せる

ハクビシンと食性や生息環境が競合する野生動物は、白神山地にも数多く暮らしています。そうした生き物に影響が出るのかどうか、今後も見守り続けたいと考えています。みんなが共存できて、仲良く暮らしてくれると良いのですが‥

「かねひで」の商戦に嵌るバカ

スーパー「かねひで」のキャンペーンのチラシ
スーパー「かねひで」のキャンペーンのチラシ

沖縄での遺骨収集は、活動が本格化すると、ほぼ毎日、壕と宿舎の往復だけです。そんな生活のなか、唯一の楽しみが夕食。青森での暮らしは、住んでいる場所が田舎過ぎるので、外食をする店がありません。ゆえに沖縄へ来ると、居酒屋の小鉢や中華料理を食べに行くのを心待ちにしています。が、今回は、沖縄入りした途端、夫の哲二がスーパーマーケットの「おまけ商戦」に、見事、嵌りこんでしまったのです。

千円の買い物で1枚貰えるシールを台紙に張る
千円の買い物で1枚貰えるシールを台紙に張る

そのお店の名は、「かねひで」。沖縄に来た初日、トイレットペーパーや飲み物などを揃えるために立ち寄ると、目立つところに、銀色に輝く鍋やポットが展示されていました。スッキリしたシンプルなデザインに、吸い寄せられるように近づく哲二。むっ、危険、と思う間もなく、「買い物をして、シールを集めたら、これが格安で手に入るんだよ」と、キラキラした目でこちらを見つめてきます。

シンプルさが素敵なパスタ鍋。シール35枚分(35000円相当)
シンプルさが素敵なパスタ鍋。シール35枚分(35000円相当)

あーあ、欲しいのね。こうなったらもう止められません。シールは、千円の買い物で1枚。最低でも15枚集めないと、商品をゲットできません。どれが欲しいのか聞くと、「パスタ鍋」とのこと。なんと、シール35枚です。それからというもの、お付き合いの飲み会を除いて、朝昼晩、ずぅーっと、「かねひで」。弁当、お惣菜、パン、ドリンク、おやつ‥。すべて、「かねひで」で買い続け、とうとう35枚集め、時価10800円のパスタ鍋を3800円で手に入れました。

ステンレス製で、中にザルが入っている優れもの
ステンレス製で、中にザルが入っている優れもの

これで、やっと違う店でも買い物ができる、普通の暮らしに戻れると思いきや、次は「ディナーセットを目指す」と言うではありませんか。ディナーセットはシール15枚。当然、ペアで必要、と張り切っています。あーあ、もう完全に、スーパーの商戦に乗せられています。オマケが欲しくてお菓子を買う子どもと変わりません。

可愛いディナーセット
可愛いディナーセット

ん、待てよ、よく見ると、隣にあるケーキセットが素敵じゃない。えーい、待てまてまてい。物事には優先順位というのがあるのよ。まず、ケーキセットをゲットしてからね。それで、シールが余れば、ディナーセットも取ってよし。バカになった夫婦は、それからも買いに買い続け、最終的にはパスタ鍋、ケーキセット、ディナーセット2組を手に入れていました。欲しかったものすべてです。沖縄入りして一か月も過ぎていないのに、シール総数85枚、計85000円のお買い物です。

すごく素敵なケーキセット。早く美味しいケーキで試したい!
すごく素敵なケーキセット。早く美味しいケーキで試したい!

ホクホクした顔で、手に入れた品物を並べている哲二。でも、遺骨収集の荷物が山のようにあるのに、どうやって持って帰るのよ‥。ま、あんたが担いで帰るしかないわね。それに、ディナーセットなんて、使うことあるの?。いつもお箸で食べているくせに‥。だけど、物欲の塊となった夫のおかげで、可愛いテーブルウェアが手に入りました。オホホホホホ。早く、美味しいケーキで試してみたいなぁ。

2個目のディナーセットをゲットするため、最後のシールを張る
2個目のディナーセットをゲットするため、最後のシールを張る

さようなら、大好きだった山谷の親方

お店の前で仲間たちと記念撮影。働いている姿も撮りたかった‥
ありし日の山谷の親方(左から3人目、右隣が奥さん)。お店の前で仲間たちと記念撮影。働いている姿も撮りたかった‥

白神山地へ通い始めて20年が過ぎました。その当初から、美味しい日本海のお魚を提供して下さった山谷鮮魚店の親方が今月半ば、永眠されました。64歳でした。ぶっきらぼうな口ぶりと信念を持った商売をされていたので、出会った頃は、その気難しさに怖さを感じたものでした。が、親しくなると、とても優しい親分肌の気質。無償で戴いた魚介類は数え切れません。そして、博学でインテリな一面も。古文書を集めたり、解読されたりするのが趣味だったので、戦没者の遺品である旧字体の印鑑を読み解いて戴いたこともありました。

まさかこんなに早く亡くなると思っていなかったので、写真は2カットしかない
まさかこんなに早く亡くなると思っていなかったので、写真は2カットしかない

早すぎる、若すぎる死に、悔いが残ります。数年前から、体調が悪そうだったので、夫婦そろって心配していたのです。でも、お正月の3が日以外は無休で、ほとんど毎日のように店を開けていたので、ゆっくり養生することも出来なかったのでしょう。親方、一度も膝を突き合わせて酒を飲めなかったね。本当に残念です。もっと語りたかった。そして、深浦の事を教えて戴きたかった。ご冥福をお祈りいたします。合掌。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」15回目

 

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」15回目

朝日小学生新聞の連載15回目は、木材チップを作って観光地の遊歩道に撒くボランティア活動を紹介しました。

撒いたチップを手に取る生徒たち
撒いたチップを手に取る生徒たち
水が枯れつつある池の横でチップを敷く
水が枯れつつある池の横でチップを敷く

青森県立木造高校深浦校舎の生徒たちと、深浦町「町づくり戦略室」のスタッフらと一緒に、昨年から取り組んできた事業です。白神山地から出た不要な木や、危険な流木をリサイクルし、森林セラピー基地に認定された十二湖の森の遊歩道に敷きつめて、環境の保護を目指しています。

南部美人のATV・小島祐希アナウンサーのインタビューを受ける
南部美人のATV・小島祐希アナウンサーのインタビューを受ける
土嚢袋を抱えて階段を上る女子生徒たち
土嚢袋を抱えて階段を上る女子生徒たち

この高校生たちによる「地産池消」の取り組みは、大人たちを動かし、多くの企業や地元の有志の方々がボランティアとして協力して下さいました。そして、数多くのメディアにも取り上げられています。詳細は、白神山地の生活文化のページをご覧ください。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」14回目

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」14回目
朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」14回目

朝日小学生新聞の連載14回目です。今回は白神山地の紅葉を紹介しました。

笹内川源流域の紅葉
笹内川源流域の紅葉

でも、読者の皆さまにはお詫びしなければなりません。それは、11月も半ばを過ぎると、もう、紅葉シーズンは終わりだからです。遅れた情報を発信して申し訳ありません。

赤石川の紅葉
赤石川の紅葉

今年の紅葉は、最も良い時期に低気圧が来襲。季節外れの強風が吹き荒れたため、観光客の目に触れたのは一瞬でした。でも、ブナやイタヤなどの広葉樹が見事に色づき、素晴らしい景観を楽しませてくれました。

奥赤石の森の紅葉
奥赤石の森の紅葉

北東北の紅葉は、西日本の京都や奈良などで見られる、赤色が中心のものと違い、黄色が目立ちます。ゆえに、「黄葉」という表現の方が正しいかもしれません。

旧岩崎村と西目屋村を繋ぐ林道「白神ライン」沿いの紅葉。半分以上落葉した
旧岩崎村と西目屋村を繋ぐ林道「白神ライン」沿いの紅葉。半分以上落葉した

そして、箱庭のような景勝地と比べ、白神の紅葉のスケールは桁違いです。その年によって、色づき度が変わることもありますが、数年に1回は、素晴らしい景観で山々を染めつくしてくれます。

新聞記者の後輩や伊勢親方と一緒に紅葉を楽しむ
新聞記者の後輩や伊勢親方と一緒に紅葉を楽しむ

この記事を読んで下さった皆さまも、機会があれば、お訪ねください。10月中下旬から11月上旬までは、素晴らしい自然の芸術を楽しめますから。

白神ライン沿いの紅葉
白神ライン沿いの紅葉
笹内川の紅葉
笹内川の紅葉。後方は向白神岳

更新を、すっかりご無沙汰してしまいました。このブログを楽しみにして下さる方も、ちらほらいらっしゃると聞き及んでいます。申し訳ない気持ちでいっぱいです。最近、元気のない夫を奮い立たせて、しっかりと情報発信を継続させて行きます。飽きずに応援してやってください。

すっかり冬枯れた森。後方は、白神岳と向白神岳の連山
すっかり冬枯れた今の時期の森。後方は、白神岳と向白神岳の連山

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」13回目

白神シリーズ連載の13回目は、秋の味覚「キノコ」です。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」13回目

夏から秋にかけて雨が多かったので、今年は豊作かと思われたのですが、早生物のマイタケやナラタケはダメでした。どの場所を回っても皆無で、運動不足の夫の「見苦しい汗」が噴き出しているだけでした。

素晴らしい香りがするカノカ(ブナハリタケ)を収穫する伊勢親方
素晴らしい香りがするカノカ(ブナハリタケ)を収穫する伊勢親方

実は今夏、マタギの伊勢勇一親方が体調を壊して入院されたので、夫婦二人だけで秋の山をウロウロと彷徨っています。そのためか、余計に見つからないようです。

朽木を覆うナメコ
朽木を覆うナメコ

親方に指示されて向かうマイタケの木の周辺も、今年はツルっとしています。やはり、半人前のど素人夫婦では、見つけられないだけでなく、キノコを呼び込むパワーにも欠けるのでしょう。

少し小振りだが、美味しそうなマイタケ
少し小振りだが、美味しそうなマイタケ

更に、太り過ぎと運動不足が祟った夫は膝を痛めてしまい、通院する羽目に。あー、情けない‥。入院しても、縄張りを気にする親方を見習いなさい!。これで、お鍋はもう、キノコ無し決定だからね。

大猟のマイタケを前に嬉しそうな伊勢親方
伊勢親方と行くと、この通り。マイタケが大猟

今後は、雪が降り始める前に本格化してくる、ナメコとムキタケを狙って、夫の尻を叩き続けようと思っています。同時に、また運動を再開させて、夫婦ともにスリムな体でお正月を迎えたいものです。

倒木に可愛いナメコが出ていた
倒木に出ていた可愛いナメコ

え、甘いもの好きで食いしん坊のお前には無理だって?。夫が何か呟いています。うるさい!。あんたこそ、お酒ばっかり飲んで、食べたらすぐに寝てしまうから、お腹も背中もポッコリと出てくるのよ。もう、制限するからね、覚悟なさい!

親方と行くとこの通り。この木1本で10回分ぐらいのキノコ鍋が食べられる
親方と行くとこの通り。この木1本で10回分ぐらいのキノコ鍋が食べられる

安に居て危うきを思う

国道脇で炎上したトラック。運転席も全焼していた

まだ夜が明けきらぬ薄暗い朝、けたたましい電話の音が鳴り響く。「うーん、誰‥」。しぶしぶ受話器を取ると、「今、防災無線が流れているけど、あんたの村で火事よ!」と、息せき切った知り合いの声。

きれいな夜明け空と真っ黒に燃え落ちたトラック
きれいな夜明け空と真っ黒に燃え落ちたトラック

布団に包まったままの夫が、不機嫌そうな声で、「んー、眠いよ。ほっとけ!」と、一言。でも‥。もし、近所のおばあちゃんの家だったら、心配。いつも美味しい野菜を貰っているでしょう。

国道に残った焼けたタイヤの跡
国道に残った焼けたタイヤの跡

「そら、行きなさい。カメラも持って!」と布団を捲りあげました。いつもより、のろのろと服を着替える夫。火事の現場は、全身に焦げ臭い匂いが染み付くので、嫌いだそうです。

積荷はガレキ?。取材して来なかったので不明‥
積荷はガレキ?。取材して来なかったので不明‥。もう、クビ!

玄関の扉を開けると、早朝の集落内に、「ウーウー」とサイレンが鳴り響いています。寝癖の付いた髪型のまま、軽トラックで出動する夫を尻目に、急々と屋内へ。私はもう少し寝ようかな。

運転手さんは無事だったの?
運転手さんは無事だったの?

しばらくして、帰って来た夫。「国道で車両の火災だった。トラックが燃えたみたいだよ」と、更に不機嫌そうな声で呟きながら、家に上がろうとします。えー、サンダルで行ったの!。足の裏が真っ黒じゃない。バカねぇ、ちゃんと拭いてからよ。

座席もハンドルも、みんな燃え落ちていた
座席もハンドルも、みんな燃え落ちていた

それでも、静かな村に10台近い消防車が出動するのは珍しく、近所の方々も集まって大騒ぎだったそうです。で、けが人は?。原因は何だったの!、と矢継ぎ早に聞くと、「大したことないので取材してこなかったよ‥」と、バツが悪そうに俯きます。

秋田県と青森県の消防隊員が共同で消火活動していた
秋田県と青森県の消防隊員が共同で消火活動していた

いつも、事件事故の現場が放映されるテレビや新聞を見ながら、「今でも、現役の新聞カメランマンの仕事に復帰できるさ」と、豪語しているのに‥。もう、ダメね。きっと、使い物にならないよ(笑)

村道にできた大穴の中でフック作業が進む
村道にできた大穴の中で復旧作業が進む

で、先日は、近所の友人から、「お宅の家の近くで水道管が破裂したそうよ。大至急、水を確保しておいた方がいいわ」と連絡がありました。夕飯の支度をしている最中だったので、大慌て。急いで、家中にあるバケツに水を汲み、お風呂も満杯にしました。夫は、散水用の500リットル入りのタンクへ水を溜めるために、ポンプを使って川から水を汲み上げる作業へ。真っ暗なのに、危ないよ‥

割れた水道管を交換
割れた水道管を交換

「長引くと、トイレの水にも困るし、近所のおばあちゃんらを助けに行くんだ」と、いつになく張り切っています。我が家と、ご近所さんの生活用水を確保した後、漏水の現場へ。村道に深さが3㍍ほどの大きな穴が開き、水道管が剥き出しになっています。スコップを手にした作業員が、汗まみれになって働いていました。

深さは約3㍍。ここから水が噴き出した
深さは約3㍍。ここから水が噴き出した

もう、水が噴き出している状態ではなかったのですが、アスファルトが浮き上がってボコボコになり、一緒に流れ出した土砂が道路に堆積しています。集落内で暮らす役場職員の方々や副町長さんまでもが駆けつけ、心配そうに見守られています。「これは朝まで復旧しそうにないなぁ」と夫。

復旧作業にあたる役場職員や作業の方々
復旧作業にあたる役場職員や作業の方々

でも、大勢の方々が、泥まみれになって水道管の取り換えに臨み、日付が変わる前に、見事、復旧させて下さいました。心より、お礼を申し上げます。おかげで、夫がご近所用に川から汲んだ水は無駄になりました。明日、庭木へでもまいてあげなさいね。ごくろうさま(笑)

大学生たちとの夏の思い出

今夏、体験学習で、私たちが暮らす町に来てくれた東京都内の大学生から、寄せ書きの色紙が送られてきました。深浦町の有志の方が受け入れられた学生さんで、男子4人、女子2人の計6人が、狭くて汚い我が家に泊って下さいました。

白神の森を探索
白神の森を探索
青池の遊歩道で記念撮影
青池の遊歩道で記念撮影

日本で最も権威があるとされる、この大学が、「よりタフに、よりグローバルに」育成するという教育目標で、学生を国内外の様々な地域へ派遣して、体験学習をさせる事業です。参加してくれた学生さんたちは、聡明で規律正しく、それぞれが瑞々しい感性を身に付けた素晴らしい若者たちでした。

河原の流木で環境と防災の学習
河原の流木で環境と防災の学習
薪割りの体験。しっかりとした腰つきで斧を振る
薪割り体験。しっかりとした腰つきで斧を振る
ロボットカメラの森で。何が写っているかな?
ロボットカメラの森。何が写っているかな?

数ある候補地から深浦町を選んで、来訪して下さりありがとうございました。日本の未来は、君たちのためにあります。そのかじ取りを間違えないよう、精進して下さいね。私たち夫婦は、ずっと応援しています。素敵な出会いと幸せな時間を与えて下さって、心より感謝しています。

夏子供になったように、深浦の海を体験
夏子供になったように深浦の海を体験
山だけでなく、海も美しい深浦町を実体験
山だけでなく、海も美しい深浦町を実体験

色紙の寄せ書き、とても嬉しかったです。宝物にしますね。また、「個人的」に遊びに来てください。いつでも、大歓迎でお迎えしますから。

良い夏の思い出になってくれたら、私たちは本望です
この町を新たな古里と思って、また訪ねてきてね