みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
「学生」ーみらいを紡ぐボランティア
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朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」16回目

長らくご無沙汰してしまいました。沖縄での遺骨収集ボランティアが忙しくて、朝日小学生新聞の連載記事を更新するのが滞っていました。同紙でのシリーズは、3月末で終了していますが、後追いで残りを掲載いたします。

朝日小学生新聞の連載記事「ハクビシン」
朝日小学生新聞の連載記事「ハクビシン」

16回目はハクビシンです。ネコ目ジャコウネコ科で、元々、日本に棲息していなかった外来種とされています。台湾やフィリピンなどの東南アジアなどに分布し、暖かい地域を好む種だと思っていたのですが、真冬の白神山地でも越冬して、生息域を広げているようです。

とても愛らしい仕草を見せるハクビシン
とても愛らしい仕草を見せるハクビシン

木登りが得意な夜行性。果物が大好きなので、果樹農家にとっては厄介者です。深浦町やお隣の鰺ヶ沢町で、アライグマの被害が続発している、と報告がありますが、その一部はハクビシンである可能性も捨てきれません。都市部周辺でも、人家の屋根裏に巣を作ったりすることもあるそうです。

林道を歩いているときも、地面を嗅ぎまわっている
林道を歩いているときも、地面を嗅ぎまわっている

鼻筋の白い毛が特徴的で、見かけはとても愛くるしい姿です。が、果物だけでなく肉や魚も好んで食べる雑食性で、外見からは想像もつかないような食いしん坊とされています。農作物の被害を防ぐために仕掛けられた害獣駆除の檻の中で、捕獲後、4日間絶食させても、ピンピンしていたそうです。

雨の中でも森をウロウロ。時には、コミカルな動きも見せる
雨の中でも森をウロウロ。時には、コミカルな動きも見せる

ハクビシンと食性や生息環境が競合する野生動物は、白神山地にも数多く暮らしています。そうした生き物に影響が出るのかどうか、今後も見守り続けたいと考えています。みんなが共存できて、仲良く暮らしてくれると良いのですが‥

「かねひで」の商戦に嵌るバカ

スーパー「かねひで」のキャンペーンのチラシ
スーパー「かねひで」のキャンペーンのチラシ

沖縄での遺骨収集は、活動が本格化すると、ほぼ毎日、壕と宿舎の往復だけです。そんな生活のなか、唯一の楽しみが夕食。青森での暮らしは、住んでいる場所が田舎過ぎるので、外食をする店がありません。ゆえに沖縄へ来ると、居酒屋の小鉢や中華料理を食べに行くのを心待ちにしています。が、今回は、沖縄入りした途端、夫の哲二がスーパーマーケットの「おまけ商戦」に、見事、嵌りこんでしまったのです。

千円の買い物で1枚貰えるシールを台紙に張る
千円の買い物で1枚貰えるシールを台紙に張る

そのお店の名は、「かねひで」。沖縄に来た初日、トイレットペーパーや飲み物などを揃えるために立ち寄ると、目立つところに、銀色に輝く鍋やポットが展示されていました。スッキリしたシンプルなデザインに、吸い寄せられるように近づく哲二。むっ、危険、と思う間もなく、「買い物をして、シールを集めたら、これが格安で手に入るんだよ」と、キラキラした目でこちらを見つめてきます。

シンプルさが素敵なパスタ鍋。シール35枚分(35000円相当)
シンプルさが素敵なパスタ鍋。シール35枚分(35000円相当)

あーあ、欲しいのね。こうなったらもう止められません。シールは、千円の買い物で1枚。最低でも15枚集めないと、商品をゲットできません。どれが欲しいのか聞くと、「パスタ鍋」とのこと。なんと、シール35枚です。それからというもの、お付き合いの飲み会を除いて、朝昼晩、ずぅーっと、「かねひで」。弁当、お惣菜、パン、ドリンク、おやつ‥。すべて、「かねひで」で買い続け、とうとう35枚集め、時価10800円のパスタ鍋を3800円で手に入れました。

ステンレス製で、中にザルが入っている優れもの
ステンレス製で、中にザルが入っている優れもの

これで、やっと違う店でも買い物ができる、普通の暮らしに戻れると思いきや、次は「ディナーセットを目指す」と言うではありませんか。ディナーセットはシール15枚。当然、ペアで必要、と張り切っています。あーあ、もう完全に、スーパーの商戦に乗せられています。オマケが欲しくてお菓子を買う子どもと変わりません。

可愛いディナーセット
可愛いディナーセット

ん、待てよ、よく見ると、隣にあるケーキセットが素敵じゃない。えーい、待てまてまてい。物事には優先順位というのがあるのよ。まず、ケーキセットをゲットしてからね。それで、シールが余れば、ディナーセットも取ってよし。バカになった夫婦は、それからも買いに買い続け、最終的にはパスタ鍋、ケーキセット、ディナーセット2組を手に入れていました。欲しかったものすべてです。沖縄入りして一か月も過ぎていないのに、シール総数85枚、計85000円のお買い物です。

すごく素敵なケーキセット。早く美味しいケーキで試したい!
すごく素敵なケーキセット。早く美味しいケーキで試したい!

ホクホクした顔で、手に入れた品物を並べている哲二。でも、遺骨収集の荷物が山のようにあるのに、どうやって持って帰るのよ‥。ま、あんたが担いで帰るしかないわね。それに、ディナーセットなんて、使うことあるの?。いつもお箸で食べているくせに‥。だけど、物欲の塊となった夫のおかげで、可愛いテーブルウェアが手に入りました。オホホホホホ。早く、美味しいケーキで試してみたいなぁ。

2個目のディナーセットをゲットするため、最後のシールを張る
2個目のディナーセットをゲットするため、最後のシールを張る

さようなら、大好きだった山谷の親方

お店の前で仲間たちと記念撮影。働いている姿も撮りたかった‥
ありし日の山谷の親方(左から3人目、右隣が奥さん)。お店の前で仲間たちと記念撮影。働いている姿も撮りたかった‥

白神山地へ通い始めて20年が過ぎました。その当初から、美味しい日本海のお魚を提供して下さった山谷鮮魚店の親方が今月半ば、永眠されました。64歳でした。ぶっきらぼうな口ぶりと信念を持った商売をされていたので、出会った頃は、その気難しさに怖さを感じたものでした。が、親しくなると、とても優しい親分肌の気質。無償で戴いた魚介類は数え切れません。そして、博学でインテリな一面も。古文書を集めたり、解読されたりするのが趣味だったので、戦没者の遺品である旧字体の印鑑を読み解いて戴いたこともありました。

まさかこんなに早く亡くなると思っていなかったので、写真は2カットしかない
まさかこんなに早く亡くなると思っていなかったので、写真は2カットしかない

早すぎる、若すぎる死に、悔いが残ります。数年前から、体調が悪そうだったので、夫婦そろって心配していたのです。でも、お正月の3が日以外は無休で、ほとんど毎日のように店を開けていたので、ゆっくり養生することも出来なかったのでしょう。親方、一度も膝を突き合わせて酒を飲めなかったね。本当に残念です。もっと語りたかった。そして、深浦の事を教えて戴きたかった。ご冥福をお祈りいたします。合掌。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」15回目

 

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」15回目

朝日小学生新聞の連載15回目は、木材チップを作って観光地の遊歩道に撒くボランティア活動を紹介しました。

撒いたチップを手に取る生徒たち
撒いたチップを手に取る生徒たち
水が枯れつつある池の横でチップを敷く
水が枯れつつある池の横でチップを敷く

青森県立木造高校深浦校舎の生徒たちと、深浦町「町づくり戦略室」のスタッフらと一緒に、昨年から取り組んできた事業です。白神山地から出た不要な木や、危険な流木をリサイクルし、森林セラピー基地に認定された十二湖の森の遊歩道に敷きつめて、環境の保護を目指しています。

南部美人のATV・小島祐希アナウンサーのインタビューを受ける
南部美人のATV・小島祐希アナウンサーのインタビューを受ける
土嚢袋を抱えて階段を上る女子生徒たち
土嚢袋を抱えて階段を上る女子生徒たち

この高校生たちによる「地産池消」の取り組みは、大人たちを動かし、多くの企業や地元の有志の方々がボランティアとして協力して下さいました。そして、数多くのメディアにも取り上げられています。詳細は、白神山地の生活文化のページをご覧ください。

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」14回目

朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」14回目
朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」14回目

朝日小学生新聞の連載14回目です。今回は白神山地の紅葉を紹介しました。

笹内川源流域の紅葉
笹内川源流域の紅葉

でも、読者の皆さまにはお詫びしなければなりません。それは、11月も半ばを過ぎると、もう、紅葉シーズンは終わりだからです。遅れた情報を発信して申し訳ありません。

赤石川の紅葉
赤石川の紅葉

今年の紅葉は、最も良い時期に低気圧が来襲。季節外れの強風が吹き荒れたため、観光客の目に触れたのは一瞬でした。でも、ブナやイタヤなどの広葉樹が見事に色づき、素晴らしい景観を楽しませてくれました。

奥赤石の森の紅葉
奥赤石の森の紅葉

北東北の紅葉は、西日本の京都や奈良などで見られる、赤色が中心のものと違い、黄色が目立ちます。ゆえに、「黄葉」という表現の方が正しいかもしれません。

旧岩崎村と西目屋村を繋ぐ林道「白神ライン」沿いの紅葉。半分以上落葉した
旧岩崎村と西目屋村を繋ぐ林道「白神ライン」沿いの紅葉。半分以上落葉した

そして、箱庭のような景勝地と比べ、白神の紅葉のスケールは桁違いです。その年によって、色づき度が変わることもありますが、数年に1回は、素晴らしい景観で山々を染めつくしてくれます。

新聞記者の後輩や伊勢親方と一緒に紅葉を楽しむ
新聞記者の後輩や伊勢親方と一緒に紅葉を楽しむ

この記事を読んで下さった皆さまも、機会があれば、お訪ねください。10月中下旬から11月上旬までは、素晴らしい自然の芸術を楽しめますから。

白神ライン沿いの紅葉
白神ライン沿いの紅葉
笹内川の紅葉
笹内川の紅葉。後方は向白神岳

更新を、すっかりご無沙汰してしまいました。このブログを楽しみにして下さる方も、ちらほらいらっしゃると聞き及んでいます。申し訳ない気持ちでいっぱいです。最近、元気のない夫を奮い立たせて、しっかりと情報発信を継続させて行きます。飽きずに応援してやってください。

すっかり冬枯れた森。後方は、白神岳と向白神岳の連山
すっかり冬枯れた今の時期の森。後方は、白神岳と向白神岳の連山