みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
活動③(追跡)

めぐみ保育園での講演

講演の後は、お父さんと楽しいお食事会。笑顔で、ハイ、ピース

講演の後は、お父さんと楽しいお食事会。笑顔で、ハイ、ピース

みんな一緒にいただきます。律子さんも、ちゃっかりと参加

みんな一緒にいただきます。律子さんも、ちゃっかりと参加

2014年に入って、深浦町内の子どもたちの前で、講演や授業をする機会が何度かありました。私たちが過去に取材したり、体験したりした事、白神山地の生物などについて伝えてほしい、という機会をいただいたのです。ありがたい申し出なので、すべてお受けいたしました。

食事の後、お父さんとちょっとオシャマなポーズで

食事の後、お父さんの横でちょっとオシャマなポーズ

大きなお父さんの横に小さな赤ちゃん。可愛い!

大きなお父さんの横に小さな赤ちゃん。可愛い!

まず最初は、私立「めぐみ保育園」での「子育て研修会」です。テーマは「白神山地の生き物たちと森のお父さん」です。日頃、子育てを母親に任せがちなお父さんに、父親の威厳と役割の大切さを再認識してもらい、子どもの教育に積極的に参加して戴ければと、渋谷明子・園長先生らが企画なさいました。

赤ちゃんもお姉さんも、好い顔で、ごちそうさま!

赤ちゃんもお姉ちゃんも、好い顔で、美味しいね!

みんなで食べると美味しいね。赤ちゃんも、自分でスプーンを使って‥

いっぱい食べようね。赤ちゃんも、自分でスプーンを使って‥

前半は、保育園児を対象に、白神山地の鳥や動物たちの写真を見せながら、森の生き物たちの暮らしぶりを解説。画面に映し出されるテンやカモシカの写真を見た園児たちは、目を輝かせながら大歓声をあげました。小さなお子さんには、内容が少し難しかったかと思いますが、最後までお行儀よく聞いてくれました。

お父さんと一緒に食べるカレーライス。美味しいね

今日は大好きなお父さんと一緒。いっぱいお話ししたよ

美味しい!、楽しい!。お父さんとハイタッチ

美味しい!、楽しい!。お父さんとハイタッチ

後半は園児のお父さんに、自然の恵みを受けながら生きる、深浦町の「マタギ」の伊勢勇一親方のお話をしました。伊勢親方は、文字通り、地元の狩猟者を束ねる親方であり、私たちの山の師匠であるのと同時に、地域にとっても慈父のような存在でもあるからです。世界自然遺産登録で、猟場を狭められ、病で身体を壊しながらも、マタギとして懸命に生きてきた姿を紹介致しました。

ボクを撮りたいの?。よし、許す!

何、ボクを撮りたいの?。よし、許す!

優しそうなお父さんの横で、大好きなカレーライスをパクパク

優しそうなお父さんの横で、大好きなカレーライスをパクパク

全編が、写真や動画を合わせた約280枚からなるスライドショーを見せながらのお話しです。赤ちゃんに近いお子さんもいましたが、生き物の写真に大喜びしながら、楽しんでくれたようです。そして、お父さんたちにとっては、すでにご理解戴いている内容だと思いましたが、伊勢親方の若い時代の写真や知られざるエピソードを話すことで、父親としての苦労や闘いぶりをお伝えできたと思います。

お父さんとお昼ごはん。楽しくて、上着もめくりあげちゃう

お父さんとお昼ごはん。楽しくて、上着もめくりあげちゃう

渋谷園長先生も満面の笑顔。楽しい会になりました

渋谷園長先生(右端)も満面の笑顔。楽しい会になりました

研修会の後は、全員でカレーライスと野菜サラダの昼食をごちそうになりました。子供向けの味でしたが、とてもコクがあって美味しかったです。そして、子どもたちみんなが、とーっても、可愛いかったなぁ。子宝に恵まれなかった私たち夫婦に、何よりも楽しいひと時を、ありがとうございました。機会を作って下さった本間和夫・理事長と先生方に、心よりの御礼を申し上げます。

お食事の前に本間理事長(中央)がご挨拶。いただきます

お食事の前に本間理事長(中央)がご挨拶。いただきます

世界自然遺産こども交流プログラムの報告会

子どもたちの講演に聞き入る深浦町のみなさま

子どもたちの講演に聞き入る深浦町のみなさま

深浦町の全町民を対象に、屋久島で実施した「世界自然遺産こども交流プログラム」の報告会を開きました。町内にある旧岩崎村役場の町民ホール「ふれあいと創造の館」で1月25日、100人を越える聴衆を前に、約500枚の写真と動画をスライドショー形式で見せながら、3人娘が立派に講演しました。

講演する大間越3人娘ら

講演する大間越3人娘ら

その内容ですが、約2年間にわたって、一生懸命に観察した絶滅が心配される水鳥・シノリガモの調査報告と屋久島交流プログラムの道中記などで、それぞれの想いや感想なども織り交ぜながらお話ししました。約2時間の講演に、同じ小学校に通うクラスメイト、地域のお年寄りたちや町内の方々が、子どもたちが頑張った成果を見届けたい、と駆けつけてくださいました。

開会前に町長の代理として挨拶して下さる深浦町役場の七戸暁・観光課長

開会前に町長の代理として挨拶される深浦町役場の七戸暁・観光課長

子どもたちを激励して下さる深浦町の坂本寛・教育長

子どもたちを激励して下さる深浦町の坂本寛・教育長

朝から冷たい小雨が降り続く、あいにくの悪天候で、当初は、5~60人も来ればいいとこかな、と、役場の関係者らと予測していました。が、蓋を開けると、学校関係者やお年寄りたちが続々と会場を訪れ、何度も追加の椅子を倉庫から出してくる羽目に。更に、皆さまへお配りするお茶やプログラムも、足りない状況に陥りました。そして、開演時には、広いホールの大部分が聴衆で埋め尽くされ、その数はスタッフを入れて100人以上をカウントできたと思います。

ホールの大部分が子どもたちの報告を聞く聴衆に埋め尽くされた

ホールの大部分が子どもたちの報告を聞く聴衆に埋め尽くされた

この講演会は、「白神の生き物を観察する会」が主催。深浦町の後援で、子どもたちの住む大間越地区自治会からもシャトル・バスを出すなどの応援を戴きました。これによって、車のないお年寄りも安心して参加でき、大勢の聴衆が会場に足を運んで下さったのです。おかげさまで、報告会は大成功で終えることができました。ひとえに、ご協力して下さった関係各位のみなさまに、厚く御礼を申し上げます。

子どもたちに労いの言葉を下さる、いわさき小学校の柳澤弘幸・校長先生

子どもたちに労いの言葉を下さる、いわさき小学校の柳澤弘幸・校長先生

そして、シノリガモ調査の時に、助けて下さったり、声をかけて下さったりした地域の方々が、大挙して参加して下さったのも、発表する子どもたちを大いに励ましました。これで、一昨年秋から続けてきた、子どもたちによるシノリガモの調査、観察は、一段落です。

子どもたちの講演の感想を語るいわさき小学校6年担任の青木竜太・先生

子どもたちの講演の感想を語るいわさき小学校6年担任の青木竜太・先生

これからは、新たな会員を迎え、白神山地の生態系を更に深く調査、研究するグループとして再出発いたします。同時に、他の世界自然遺産地域の子どもたちとの交流を深める活動も続けて行きます。閲覧して戴いている皆さま、今後ともよろしくご支援をお願い致します。

木造高校深浦校舎の生徒たち

木造高校深浦校舎

木造高校深浦校舎

深浦町に唯一ある高等学校が、青森県立木造高校深浦校舎です。以前は、独立した全日制の県立深浦高校でしたが、生徒数の減少などで2007年に、分校化されてしまいました。2014年現在の生徒数は70余名。このまま減少が続くと、廃校になる可能性も心配されます。

深浦校舎の生徒たち

深浦校舎の生徒たち

深浦校舎の生徒たち

深浦校舎の生徒たち

深浦高校と言えば、1998年の全国高校野球選手権大会の青森大会で、記録的な大敗を喫したとして、全国に名前が響き渡ってしまいました。生徒数が少ない過疎の学校で、野球などのスポーツ人口も限られていた当時、経験の少ない深高球児たちは、屈辱的な結果で伝統校に敗れてしまいました。この記録は、高校野球史に今も残っています。

 

チーム
東奥義塾 39 10 11 17 16 12 17 122 86
深   浦

 

しかし、この汚名を挽回すべく、教員や父兄らが球児を盛り立て、最近は記録的大敗どころか、接戦で僅差の勝利を得る程に、実力がつき始めています。わずかな生徒数で、ほとんどの男子が野球部かサッカー部に所属する過疎化が進んだ学校としては、大善戦を続けています。

学園祭での生徒たちの演出。時代を感じさせてくれる楽しさに満ち溢れていた

学園祭での生徒たちの演出。時代を感じさせてくれる楽しさに満ち溢れていた

してはいけないと、指導されつつも、ついポーズ。血が騒ぐのかな

調理の途中。ふざけてはいけないと、指導されつつも、ついポーズ。エンターティナーの血が騒ぐ?

その深浦校舎の生徒たちと昨年から、徐々にお付き合いを始めています。最初は、分校からお招きを戴き、深浦のマタギ・伊勢勇一親方と一緒に、白神の森の授業をしてきました。昨年夏、全校生徒たちの前で、マタギの暮らしや白神山地の生き物の生態などを講演させて戴いたのです。

クマの腰当てを生徒に着用させる伊勢親方

クマの腰当てを生徒に着用させる伊勢親方

女子生徒もクマの毛皮にタッチ。「着けてみる?」。「えー、恥ずかしい、よ!」

女子生徒もクマの毛皮にタッチ。「着けてみる?」。「えー、恥ずかしい、よ!」

これまで小学生にしか接したことがなかったので、高校生がどんな反応をするのか不安でした。案の定、生き物の写真を見せても、笑いを誘う話をしても、生徒たちは身じろぎもしないで聞き入っています。まさに咳払いひとつ聞こえてこない体育館で、親方も私らも、心配になってきました。もしかしたら、話の内容が面白くないのかと。

真剣に話に聞き入る生徒たち

話を聞き入る生徒たち

真面目に受け止め、真剣な面持ちで質問してくれる女子生徒ら

真面目に受け止め、真剣な面持ちで質問してくれる女子生徒ら

が、実は熱心さのあまり、真剣に講義に臨んでくれていたのだと、後で判りました。それは、講演後、真面目な顔で、「白神の森の凄みが見えた」、「親方の弟子になりたい」、「親方の生き物の追い方や写真の仕事に興味がある」との質問が相次いだからです。

学園祭の一コマ。え、撮ってたの、浜田さん。うん、決まっているなぁ‥

学園祭の一コマ。え、撮ってたの、浜田さん。うん、決まっているなぁ‥

男子も負けてないよ。でも、女子はパフォーマーだねぇ
男子も負けてない。でも、女子はパフォーマーだねぇ

そして講義を聞いた生徒たちの感想文を伊藤ゆずる教頭先生から戴いて、みんなが真面目に、純真に、一生懸命に私らの話を受け止めてくれていたのが判りました。まさに素晴らしい生徒たちです。小学生もそうでしたが、深浦の高校生も大好きになりました。みんな、凛々しくて、可愛い‥

私らのリボン、似合いますか?。受付の女子たち

私らのリボン、似合いますか?。笑顔が愛らしい受付の女の子たち

先生(中央)の元、一生懸命に料理作り

先生(中央)の元、一生懸命に料理作り

片時も手を止めず、タコ焼きをくるくる回す

片時も手を止めず、タコ焼きをくるくる回す。その姿‥、苦労がしのばれます

そして講演の後、私らを学園祭に招いて下さいました。夫婦揃って、それは約30年~35年ぶり。時代は違えど、楽しさは同じです。みんな可愛いし、楽しいし、精一杯頑張って、お客さんをもてなそうと頑張っています。その姿を見て、嬉しくて、懐かしくて、涙が少しこぼれそうにました。

カッコイイ男子たちが、廊下の片隅で密談。いったい何を‥

カッコイイ男子たちが、廊下の片隅で密談。いったい何を‥

コスプレが超お似合い。でも、お姉ちゃんを頼って姉妹たちが集まってきました

綿菓子を食べながらのコスプレがお似合い。お姉ちゃん、私にもちょうだい!

そんな、生徒たちと白神の森での活動を開始しています。昨年は小学生との調査、観察が主でしたが、今年は高校生と、また違うゴールを目指しています。今、水面下で、とある企画を進めています。それは、高校生と伊勢親方らが中心となる仕事で、環境と防災教育を兼ねた内容になりそうです。
ふざけ合う男子生徒たち。みんな屈託がなく、かわいい

ふざけ合う男子生徒たち。みんな屈託がなく、かわいい

学園祭での風景。コスプレ販売員たちの奮闘

学園祭での風景。コスプレ販売員たちの奮闘。飛ぶように、売れたよ!

誰も見ていないよね‥、それっ!。合間に、ちょっとつまみ食い

誰も見ていないよね‥。合間に、ちょっとつまみ食い。ん!

そして今年から、同時期に世界自然遺産へ登録された鹿児島県の屋久島高校との交流に向けた動きが出て来ています。まだ、水面下で調整中ですが、昨年末から始まった小学生同士の交流プログラムに継いで、両地域の高校生たちも動き始めたのです。私らも、何とか手助けするために、あちこち走り回って情報を収集しています。

ミス深高?。クラスメイトたちから飾り付けられて、ポーズ

ミス深高?。クラスメイトたちから飾り付けられて、はいポーズ!

忙しい合間を縫って、食堂で息抜き。え、それも撮るんですか!

忙しい合間を縫って、食堂で息抜き。え、これも撮るんですか!

よしよし、頑張っているね。お母さんからも激励を受ける

よしよし、頑張っているね。お母さんからも激励を受ける

本来ならば、秋に書き上げなければならない話を今頃アップする無精をお許しください。あまりに忙しかったために、書き残した話がたくさんあります。これからは勤勉に働く所存です。そして、高校生との活動の続きは、今後も随時アップして行きます。また飽きずにのぞきに来てやってください。

学園祭で、私らの写真展も開いて下さった

学園祭で、私らの写真展も開いて下さった

生徒代表のお礼の挨拶。また、呼んでくださいね
生徒代表のお礼の挨拶。また、呼んでくださいね

 

深浦校舎の経歴

1948年(昭和23年)6月 「青森県鰺ヶ沢高等学校深浦分校」(定時制)設置。設置者は深浦町

             7月 「青森県鰺ヶ沢高等学校大戸瀬分校」(定時制)設置

1951年(昭和26年)3月 「青森県立鰺ヶ沢高等学校深浦分校」に改称

1955年(昭和30年)7月  町村合併により、大戸瀬村が深浦町に統合

1957年(昭和32年)4月  「青森県深浦高等学校」(定時制普通課程)として独立

1960年(昭和35年)4月  通常制商業課程(後の全日制課程商業科)を設置

1962年(昭和37年)4月  通常制商業課程を全日制課程商業科に、定時制普通課程を定時制課程普通科に改称

1970年(昭和45年)4月  県に移管。「青森県立深浦高等学校」に改称。定時制の募集停止。全日制課程普通科を新設

2007年(平成19年)4月  青森県立木造高等学校に統合。普通科と商業科の募集を停止。総合学科を新設

2009(平成21年)3月 普通科と商業科を廃止

屋久島との交流第五弾~屋久杉とサンゴの浜、そして、さらば、屋久島

12月11日付の朝日小学生新聞1面と3面に見開きで掲載されました(紙面イメージは著作権上貼り付けられません)

12月2日、3日付の朝日放送系列・鹿児島放送で、午後6時すぎからのニュース番組で2日続けて5分間ずつ放映されました。更に、同系列の青森朝日放送「スーパーJチャンネル」でも放映されました。

ヤクスギランドにある樹高が21.5㍍、胸高周囲は8.0㍍、樹齢は1800年の仏陀杉

ヤクスギランドにある樹高が21.5㍍、胸高周囲は8㍍、樹齢は1800年の仏陀杉

屋久島と言えば、まず思い浮かぶのが屋久杉。縄文杉や弥生杉など、数千年生きている驚きの長寿杉が、うっそうとした常緑の森に、どっしりと生えています。

ヤクsギランドの入り口で、立て看板を教材にしたまっきーの講義

ヤクスギランドの入り口で、立て看板を教材にしたマッキーの講義=屋久島町のヤクスギランドで

うっそうとした森に杉の巨木が立ち並ぶヤクスギランド

うっそうとした森に杉の巨木が立ち並ぶヤクスギランド

交流プログラムの終盤、屋久島町立八幡小学校の有志の児童らと、杉の自然林を歩きました。標高1000~1300メートルの間に広がるヤクスギランド。樹齢数千年の屋久杉が自生する原生林を、小学生でも容易に鑑賞できる場所です。

コースのあちこちに巨木が倒れ掛かっていた

コースのあちこちに巨木が倒れ掛かっていた

仏陀杉の前で記念撮影。いつもおどける三人娘

仏陀杉の前で記念撮影。おどける三人娘

ふかふかの苔を触ってみた。えー、こんな感触は初めて

ふかふかの苔を触ってみた。えー、こんな感触は初めて

日程と体力の限界で、縄文杉や白谷雲水峡などを見に行く登山はできませんでしたが、ここには推定樹齢1800年の仏陀杉をはじめ、くぐり杉、双子杉など特徴のある樹が多く、ゆっくりと縄文の森での森林浴を楽しむことができました。

こんなに近づいても逃げないよ!。人馴れしたヤクシカに驚く三人

こんなに近づいても逃げないよ!。人馴れしたヤクシカに驚く三人

森の中で、三人娘に1㍍ぐらいの距離まで近づいてきたヤクシカ

森の中で、三人娘の1㍍ぐらいの距離に近づいてきたヤクシカ

切り株更新中の巨樹の前で、屋久杉の端材の香りを嗅ぐ理花ちゃん

切り株更新中の巨樹の前で、屋久杉の端材の香りを嗅ぐ理花ちゃん

このコースでは、美しいコケ類が広がる沢のほか、白神山地で学習した、倒木更新や切り株更新などの様子も目の当たりにしました。また、昔の人が切った巨大な屋久杉の切り株が残されており、森と関わって生きてきた、島の人たちの暮らしを垣間見ることができました。

白神山地でも習った倒木更新を屋久島でも確認

白神山地でも習った倒木更新を屋久島でも確認

吊り橋を渡るとき、悪戯者が橋を揺らした。許せん!

吊り橋を渡るとき、悪戯者が橋を揺らした。許せん!

苔むした森の木道を歩く

苔むした森の木道を歩く

ヤクスギランドを見学していると、上空をヘリコプターが何度も行き来します。聞くと、「土埋木(どまいぼく)」を運んでいるそうです。土埋木とは、昔、伐採された屋久杉の、残された枝や切り株などのことだそうです。現在、屋久杉の新たな伐採はできないので、この捨てられていた部分を利用して、お土産品などを作っているのです。

奇岩がそびえる山の上を土埋木を吊るして飛ぶヘリコプター

奇岩がそびえる山の上を土埋木を吊るして飛ぶヘリコプター

崩落した場所を木道の上から見る

崩落した場所を木道の上から見る

巨木の間から上を見上げる

巨木の間から上を見上げる

実は、お世話になっている研修センターのプログラムにも、屋久杉を使った木工クラフトがあり、3人娘と一緒にチャレンジしました。屋久杉の端材を使って、切り出しナイフで形を整え、やすりで削ってゆきます。木くずが屋久杉独特の良い香りです。サンドペーパーで磨いて、金具を付ければ完成。

マッキーに習いながら木工クラフトに臨む

マッキーに習いながら木工クラフトに臨む

屋久杉の端材から、好きな形の物を選ぶ。どれにしようかな

屋久杉の端材から、好きな形の物を選ぶ。どれにしようかな

三人娘はペンダントに、私はストラップにしてもらいました。これが、あの空を飛んで運ばれていた土埋木の一部かと思うと、感激もひとしおです。良かったね、一生の宝物になったね。

ナイフで削り、やすりをかける。怪我しないようにね

ナイフで削り、やすりをかける。怪我しないようにね

ヤクスギランドの中を流れる渓流

屋久島の森を流れる渓流

渓流などの岩の表面にはりついて生育するヤクシマカワゴロモ。手塚さんの案内で、一湊川へ観察に行きました。急流の水中で生きる植物で、日本では屋久島にだけ分布しているそうです。自生地の河川の環境が悪化して、絶滅が心配されています。

一湊川で、子供たちにヤクシマカワゴロモの説明をする手塚さん

一湊川で、子供たちにヤクシマカワゴロモの説明をする手塚さん

屋久島の仲間がすべって川に落ちてしまった。みんな心配そう

屋久島の仲間がすべって川に落ちてしまった。みんな心配そう

そして、屋久島の名産である「さば節」の見学にも行きました。かつお節ならば知っていますが、さば節を見るのは初めてです。昔ながらの製造工場に入り、作る工程を教えて戴きました。良い香りがするので、少しつまみ食い。「美味しいー」、「かつお節に似ているけど、味が濃い」。三人娘も大喜びです。

さば節工場で、作り方を習う

丸勝水産のさば節工場で、作り方を習う

これが原料になるゴマサバだよ、との眞邉勝志代表の説明を聞く。食べてみたい

これが原料になるゴマサバだよ、との眞邉勝志代表の説明を聞く。食べてみたい

ちょびっとつまみ食い。美味しいー!

ちょびっとつまみ食い。美味しいー!

研修最終日、マッキーが三人を、特別にサンゴの浜へ連れて行ってくれました。波で打ち上げられたのでしょうか、そこは、一面、真っ白なサンゴの破片だけの浜辺でした。北国では、とうてい見ることのできない、夢のような風景。「うわー、すごい、すごーい!」。

きれいなサンゴとかわいらしい貝殻を探す。この日、最も解放された笑顔を見せた

きれいなサンゴとかわいらしい貝殻を探す

それ!。サンゴの浜を元気いっぱいに駆ける

それ!。サンゴの浜を元気いっぱいに駆ける

浜辺で仲良くお昼ご飯。かえでちゃん、パクつきすぎ

浜辺で仲良くお昼ご飯。かえでちゃん、パクつきすぎ

「宝石サンゴもあるぞ」とマッキーの声に、皆、夢中で真っ赤なカケラを探します。忙しいスケジュールをこなした交流会の主役たち。深浦町の代表として重責を見事に果たした三人娘へのご褒美です。優しいインストラクターの牧さんの配慮に、心よりの感謝です。

夢にまで見たサンゴの浜。南の海へ来たぞー!、と最も解放された笑顔を見せた

夢にまで見たサンゴの浜。南の海へ来たぞー!、と最も解放された笑顔を見せた

まず、八幡小学校の仲間たちとお別れ。最後まで笑顔で

まず、八幡小学校の仲間たちとお別れ。最後まで笑顔で

屋久島での時間は飛ぶように過ぎ、お別れの時がやってきました。「もう少し、居たいな」、「すごく楽しかった」、「屋久島の事を、クラスの友達に話したい」と、最後まで、三人娘は元気いっぱいです。でも、「お父さんやお母さんに早く会いたい‥」。頑張ったとはいえ、まだまだ小学6年生。ちょっぴり、ホームシックになっていました。

手を振って別れを惜しむ八幡小学校の児童たち

手を振って別れを惜しむ八幡小学校の児童たち

しおりんとマッキーにお礼の手紙を渡す。あ、これは、小西さんへと、かえでちゃん。ん?、ラブレターかい?

しおりんとマッキーにお礼の手紙を渡す。あ、これは、小西さんへと、かえでちゃん。ん?、ラブレターかい?

最後に、お世話になったマッキーとしおりんに、感謝の気持ちを込めて、お手紙を渡しました。牧さんも、5泊6日の研修は、最長記録だそうです。よく見ると、心なしか牧さんの目の下に激しいクマが出来ているような‥。三人とも、相当なお転婆娘だからな‥。かなりお疲れのご様子も無理はありません。本当にお世話になりました。

武田さんにマッキー、ありがとうございました。屋久島空港で最後のご挨拶

武田さんにマッキー、ありがとうございました。屋久島空港で最後のご挨拶

きっと、白神にも来てね!。マッキーと固い握手をして、再会を誓った

きっと、白神にも来てね!。マッキーと固い握手をして、再会を誓った

今回の、白神と屋久島の交流は、大成功のうちに幕を閉じました。そして、今後、両遺産地域の子供たちによる交流の種を、蒔くことができたのではないかと思っています。屋久島でも、関係各方面の方々から、お褒めの言葉も戴きました。

待合室で、いわさき小の青木先生やクラスメイトに電話。私ら頑張ったよー!、今から帰るからね!!

待合室で、いわさき小の青木先生やクラスメイトに電話。私ら頑張ったよー!、今から帰るからね!!

さよなら、屋久島。滑走路の横を歩く

さよなら、屋久島。滑走路の横を三人で歩く

これは、私たちだけの力で、成し遂げたものではありません。深浦、屋久島両町、屋久島環境文化財団、いわさき小学校、八幡小学校とPTA、屋久島高校、報道関係者の皆さん、そしてこの企画を応援して下さったすべての方々のおかげです。感謝しきれません。

この飛行機、揺れるけど大好き!。また来るよ!

この飛行機、揺れるけど大好き!。また来るよ!

名残惜しげに上空から地上の風景を見る

名残惜しげに上空から地上の風景を見る

素晴らしい自然の森が広がる屋久島、名残り惜しいけど、さよならだね。屋久島の皆様、来年は、ぜひ深浦に来て、屋久島の事を紹介してください。そして今度は、私たちが町の人たちと一緒に、誇れる古里の「白神山地」をご案内します。

機内で屋久島で拾った貝やサンゴの破片を見る。楽しかったなぁ、また来たいなぁ

機内で屋久島で拾った貝やサンゴの破片を見る。楽しかったなぁ、また来たいなぁ

それでは、またお会いできる日を楽しみにしています(終わり)。

ありがとう、屋久島の仲間たち。次は白神で会おうね

ありがとう、屋久島の仲間たち。次は白神で会おうね

 

屋久島との交流第四弾~交流会と遺産地域の西部林道へ

青森県の地元紙・東奥日報に掲載されました。下記URLをクリックして下さい。

http://www.47news.jp/localnews/aomori/2013/12/post_20131203154559.html

白神と屋久島の子供たちが、亜熱帯の世界遺産の森で一緒に観察会をした=屋久島町で

白神と屋久島の子供たちが、亜熱帯の世界遺産の森で観察会=屋久島町で

可愛いヤクシカの親子

可愛いヤクシカの親子が出迎えてくれた

さあ、いよいよ、今回の交流プログラムの中核、屋久島の子供たちとの交流会です。まず最初は、小学校と高校を訪ねて、皆さまの前で発表いたします。このために三人は、雨の日も雪の日も、一言の小言も言わず頑張ってきました。さぁ、行くぞ!。

元気いっぱいに屋久島の森を歩く三人娘

到着早々、元気いっぱいに屋久島の森を歩く三人娘

八幡小学校での交流会に参加した両遺産地域の子供たち

八幡小学校での交流会に参加した両遺産地域の子供たち

最初は、白神の子供たちが、一年間観察を続けてきた絶滅が心配される水鳥「シノリガモ」の調査結果をまとめて報告します。その舞台となったのは、屋久島町立八幡小学校(玉泉眞二校長)と鹿児島県立屋久島高等学校(藤﨑恭一校長)です。

交流相手の八幡小学校の6年生たち

交流相手の八幡小学校の6年生たち

発表を聞いて下さる児童たちの前で

八幡小の児童の前で、写真のスライドを見せながら発表(武田剛さん撮影)

我が方の研究発表は、一人約10分、三人で30分の大作です。三人娘が約1年間にわたって、シノリガモの調査の度に書き溜めた感想や報告が、A4の用紙で約150枚残されています。彼女たちが実際に、見た事、聞いた事、感じた事が素直な文章で書きつづられており、これをコンパクトにまとめたものが、今回の発表内容です。

シノリガモの全体像を話すかえでちゃん

シノリガモの全体像を話す、かえでちゃん(武田剛さん撮影)

観察方法と結果について話す、みなみちゃん

観察方法と結果について話す、みなみちゃん(武田剛さん撮影)

考察とまとめについて話す、理花ちゃん(武田剛さん撮影)

考察とまとめについて話す、理花ちゃん(武田剛さん撮影)

その内訳は、「シノリガモとは」「観察方法と結果について」「考察とまとめ」を役割分担してのぞみました。子供たちの発表後に、白神山地の概要や、野生生物などの紹介を織り交ぜながら、スライドで250~270枚の写真を見せる、45分から60分の講演です。小学生用と高校生用、二つのバージョンで練習を重ねてきたので、準備は万端。でも、やっぱり本番前は、緊張します。

八幡小の児童たちに、写真を見せながら発表する

近所のおばあちゃんの写真も登場(武田剛さん撮影)

屋久島側の発表を聞く三人娘。後方のテレビ画面には、インターネット電話で繋がるいわさき小六年生の教室

屋久島側の発表を聞く三人娘。後方のテレビ画面に、いわさき小の教室がインターネット電話で繋がっている

小学校では体育館で、3年生以上の児童の前で発表。静まり返ったフロアーに、三人娘のはつらつとした声が響き渡ります。児童も教職員の方々も、咳払いひとつしないで聞いて下さいます。そして高校では、「環境コース」という屋久島地域の自然や歴史、文化を学ぶ専門科のお兄さん、お姉さんに聞いていただきました。

3人娘の発表を聞いてくれた屋久島高校・環境コースの生徒たち

三人娘の発表を聞いてくれた屋久島高校・環境コースの生徒たち

屋久島高校で発表する三人娘

屋久島高校で発表する三人娘(武田剛さん撮影)

屋久島高校の教職員の皆さまも熱心に聴いて下さった

屋久島高校の教職員の皆さまも熱心に聴いて下さった

大勢の聴衆を前にしたプレゼンテーションはまったく初めてです。小学生の発表を真剣なまなざしで見つめて下さった高校生とその教職員の方々に深く御礼を申し上げます。そして、取材するために訪れたテレビや新聞の報道陣が集まる中、臆することなく、堂々と発表ができた三人娘。その結果を、皆さまから大絶賛されました。

両地域の共通性を話して下さった八幡小学校の校長先生から、今後の互いの交流を約束して頂きました

両地域の共通性を話して下さった八幡小学校の校長先生

屋久島高校の生徒代表から、交流の継続とお褒めの言葉を戴きました

屋久島高校の生徒代表から、お褒めの言葉を戴きました

よくやった、えらいぞ、三人娘。小学校での発表の様子は、インターネットのテレビ電話で、母校のいわさき小学校へも中継されました。同級生の仲間たちも、見てくれたようです。「いわさき小の代表だもん。みんなの分も頑張るよ」

八幡小学校での発表の様子を、インターネット電話でいわさき小学校に中継

八幡小学校での発表の様子を、インターネット電話でいわさき小学校に中継

八幡小学校の発表風景。地元に伝わる踊りを見せてくれた

八幡小学校の発表風景。地元に伝わる踊りを見せてくれた

そして、屋久島側からは、ヤクタネゴヨウという絶滅危惧のマツの保護活動や、ヤクシカの生息密度調査の報告などがありました。また、屋久島の世界遺産地域である「西部林道」を、白神と屋久島両地域の小学生たちが一緒に歩いて観察し、親睦を深めました。

八幡小学校の五年生がまとめたヤクタネゴヨウの調査結果

八幡小学校の五年生がまとめた調査結果

屋久島高校の調査報告

屋久島高校の調査報告

西部林道は、海岸線から山頂までが世界自然遺産になっている、屋久島唯一の地域です。海岸に標高1323メートルの国割岳がそそり立ち、急峻な斜面に亜熱帯の植物から亜高山帯の屋久杉まで、多様な植生の垂直分布が見られるます。これは、世界でも屋久島だけに見られる特異な自然環境だと言われています。

西部林道から屋久島の山々を臨む

西部林道から屋久島の山々を臨む

手塚さん(手前)から説明を受ける両地域の子供たち

手塚さん(手前)から説明を受ける両地域の子供たち

ここを案内して下さったのは、屋久島生物多様性保全協議会の手塚賢至会長。屋久島と種子島にしかない五葉松の一種、ヤクタネゴヨウの調査・保護活動や、青少年の環境教育などに携わっていらっしゃいます。世界遺産の屋久島の自然を知る第一人者でもあります。

西部林道を歩く両地域の子供たち

西部林道を歩く両地域の子供たち

両遺産地域の子供たちが、屋久島の遺産地域の森を歩く

屋久島の遺産地域の森を歩く子供たち

が、風貌が、なぜか「白神の仙人」と呼ばれる深浦町のガイドさんに似ていたので、三人娘は、「他人とは思えない」と大喜び。手塚さんにまとわりつき、質問攻めにしています。一方の手塚さんも、孫を見つめるような優しい眼差しで、白神からの幼いお客を歓待して下さいます。

とても判りやすい手塚さんの説明。屋久島の生き字引に見える

とても判りやすい手塚さんの解説。屋久島の生き字引に見える

こんな木は白神にもあったね。うん、似ているよ

こんな木は白神にもあったよ。うん、似ているね

この森では、白神では見られない植物や生き物たちとも数多く出会いました。一本の木がジャングルのように茂る「ガジュマル」に触れてみたり、名前が三人に大受けした「ヤクシマオナガカエデ」の落ち葉を観察したりしました。これは、同じ「カエデ」の名を持つ、チームのリーダー的存在のかえでちゃんが、その名前を聞いて激しく反応したからです。「あのね、オナガだから。オナラ・カエデじゃないからね!」(笑)

ゴツゴツして、すごい形のお山。崩山に似ている?

ゴツゴツして、すごい形のお山。崩山に似ている?

不思議な形のガジュマル。三人娘もびっくり

不思議な形のガジュマル。三人娘もびっくり

そして、このガジュマル。別名は、「絞め殺しの木」と呼ばれ、屋久島でも最大級の規模とされています。元々自生していたアコウの木を取り込んでしまったそうです。確かに、絞め殺したような痕跡があり、見たこともない不思議な形の巨樹を前に、驚きを隠せない様子。「すごい‥。白神にはないよねぇ」

あ、何かいるよ!。動いているもん!!

あ、何かいるよ!。動いているもん!!

立派な角が生えたヤクシカのオス

あー、シカだ!。立派な角が生えたヤクシカのオス

こちらはメス。両個体とも小柄

こちらはメス。両個体とも小柄

そして、生い茂る木々の下に、普通に野生のヤクシカ、ヤクザルがいます。すごく至近距離。こちらの存在を気にしないように餌を食んでいます。「もしかしたら、撫でられる?」、「ダメよ。可愛く見えても野生動物だから」。様々な出会いが、三人を急速に成長させているようです。

近づいても逃げないヤクシカの親子

近づいても逃げないヤクシカの親子

森の中に野生動物を発見。ダメ、大きな声を出しちゃ

森の中に野生動物を発見。ダメ、大きな声を出しちゃ

シノリガモを観察しているときと同じ要領でね!

シノリガモを観察しているときと同じ要領でね!

白神の森をマタギの伊勢勇一親方と歩いている子供たち。南国の森の教室で、新しい先生から習った事柄を、とても新鮮に感じているようです。さぁ、どんな発見があったかな。屋久島の森は、白神と、どう違っていたのかな。しっかり、見て帰って、お友達や地域の人たちに報告しようね。まだまだ、交流と観察会は続くよ(つづく)。

八幡小のお友達にも双眼鏡を貸します。一緒に観察しよう!八幡小のお友達にも双眼鏡を貸します。一緒に観察しよう!

この双眼鏡でシノリガモを観察しているのよ。どう使い勝手はこの双眼鏡でシノリガモを観察しているのよ。どう使い勝手は

もう、すっかり仲良しだね。一緒に歩こもう、すっかり仲良しだね。一緒に歩こ

 

 

 

屋久島との交流第三弾~ウミガメと雄大な滝

鹿児島県の地元紙・南日本新聞が掲載して下さりました

http://373news.com/modules/pickup/topic.php?topicid=182&storyid=53140

とても優しそうな荒木耕治・屋久島町長が出迎えて下さった。さすが南国、日に焼けて真っ黒?

とても優しそうな荒木耕治・屋久島町長が出迎えて下さった

屋久島へ上陸して二日目、いよいよ本格的な活動が始まりました。身が引き締まる思いで、南国の島へ足を踏み入れます。「さぁ、やることが一杯あるからね。頑張って、行動しようね」。浜田さんの気合の入った喝に、緊張も最高潮に。

町長室に飾られたユネスコ・世界自然遺産の登録書

町長室に飾られたユネスコ・世界自然遺産の登録書

まずは、屋久島町役場を訪ね、町長さんへ表敬訪問です。吉田・深浦町長の親書を携えての大役に、少し固くなっていたいた三人娘。でも、出迎えて下さった役場の皆さんの笑顔で、一気に緊張も解けました。「深浦の役場よりも小さいね」、「でも、懐かしいかんじの建物だよ」

笑顔の荒木町長の前で、一人ひとりが自己紹介

笑顔の荒木町長の前で、一人ひとりが自己紹介

深浦町長からの親書を手渡した後、報道関係者の求めに応じて記念撮影

深浦町長からの親書を手渡した後、報道関係者の求めに応じて記念撮影

お会いした荒木耕治町長さんは、とても温和な雰囲気。お話しをしてみると、見た目の通り、「優しかったぁ」と、ホッとした様子。親書を手渡した後、最後に「頑張ってください」と握手してもらい、力強い激励を受けました。

緊張しながらも、笑顔で握手

緊張しながらも、笑顔で握手

町役場の入り口で、よろしくお願いします、とご挨拶

交流プログラムのスタート。町役場の入り口で、よろしくお願いします、とご挨拶

今回、屋久島側の受け入れ先になって下さったのは、「屋久島環境文化研修センター」。世界自然遺産の環境を保全し、自然と共生する地域づくりを目指す「屋久島環境文化財団」の施設です。着いた途端、「わぁ、ここに泊まるの‥」、「すごく立派だね!」

屋久島環境文化研修センターのスタッフが出迎えて下さった

屋久島環境文化研修センターのスタッフが出迎えて下さった

屋久島環境文化研修センターの視聴覚室でオリエンテーション

早速、視聴覚室でオリエンテーション

視聴覚室やレクチャー室、図書館などのほか、宿泊棟などがあり、屋久島の自然や生活文化について、研修のプログラムを組んで指導するインストラクターも常駐しています。深浦町にはない立派な施設に、三人娘も目を丸くしています。「広ーい。かくれんぼできるね‥」。コラコラ。

すごく内容が充実したカリキュラム。勉強になるよ

すごく内容が充実したカリキュラム。勉強になるよ

真剣な面持ちで講義を聞く3人娘

真剣な面持ちで講義を聞く3人娘

私たちの担当になって下さったのは、牧賢太さんと、佐伯しおりさん。「マッキー」と「しおりん」の愛称で、たちまち子供たちの人気者になりました。その第一印象を聞くと、「しおりん、優しそうだね」、3人が、「うん!」。で、「マッキーって、かっこいいね」には、3人とも、「うーん‥」。マッキー、ごめんなさい‥。

とてもカッコイイ、インストラクターの「マッキー」(左)と優しいお姉さんの「しおりん」

とてもカッコ良い、インストラクターの「マッキー」(左)と優しいお姉さんの「しおりん」

これから6日間、よろしくお願いします

これから6日間、よろしくお願いします

早速、屋久島の勉強をしながらの島めぐりに出発。雨が多い屋久島。1か月に35日も雨が降ると言われています。到着し三人娘を出迎えたのは、叩き付けるような強い雨でした。が、雨が上がると、子供たちが乗り込んだ環境文化財団のバスの上にきれいな虹が架りました。

雨が多い屋久島。子供たちが乗ったバスの上を出迎えの虹がアーチを架けた

雨が多い屋久島。子供たちが乗ったバスの上を出迎えの虹がアーチを架けた

報道関係者に取り囲まれながら、ウミガメが上陸する永田浜を歩く

報道関係者に取り囲まれながら、ウミガメが上陸する永田浜を歩く

そして、動物が大好きな三人娘が、とても楽しみにしていたのが島の北西部・永田浜にある「屋久島うみがめ館」です。深浦町も日本海に面し、豊富な海の幸に恵まれていますが、ウミガメは上陸しません。まず、水族館以外では、見たこともないし、触ったこともありません。

すっごく大きい!。これ、ほんとにカメ?

すっごく大きい!。これ、ほんとにカメ?

やっぱり、カメだ。ちょっと触ってみよう

やっぱり、カメだ。ちょっと触ってみよう

館内に入ると、まず、大きな剥製が目に飛び込んできます。「うわー、大きい」、「上に乗れるんじゃない?」。初めて見るウミガメに、歓声が上がりました。 早速、なでなで。「つるつるしてるね」、「可愛いよ!」。目をキラキラさせながら、館内を歩き回ります。

屋久島うみがめ館の大牟田代表

屋久島うみがめ館の大牟田一美代表

話がすごく面白い大牟田さん。すぐに脱線するので、いつまでも終わらない

屋久島のウミガメの話を真剣なまなざしで聞く

屋久島は、ウミガメの重要な産卵地です。特にアカウミガメの北太平洋最大の産卵場所になっており、親ガメの上陸数が日本一とされています。中でも、母カメたちが集中するのが永田浜で、ここを拠点に調査と保護活動を続ける大牟田一美さんに、お話を聞きました。

ウミガメの頭骨だよ。よく見てごらん‥

ウミガメの頭骨だよ。よく見てごらん‥

こいつは、噛みつくんだ!。わぁー、びっくり!!

ほら、こいつは噛みつくんだ!。わぁー、びっくり!!

へぇ、初めて聞くことばかりだよ。やっぱり南の島は違うね、と頷き合う三人娘。屋久島には、アカウミガメとアオウミガメが卵を産みに来ること。アカウミガメは甲殻類や貝を食べるから、強いあごと大きな頭を持っていること、アオウミガメは草食で海藻を食べることなど。知らないことだらけだったよ。

すごく可愛いね、ウミガメ。もっと、ここに居たい

すごく可愛いね、ウミガメ。もっと、ここに居たい

展示物をしっかり見て、勉強して帰るよ

展示物をしっかり見て、勉強して帰るよ

残念ながら、今年の繁殖活動は終わっており、産卵やふ化を見ることはできませんでしたが、ウミガメの命を育むきれいな砂浜を案内してもらいました。細かい砂とサンゴのかけらなどが混ざった海岸線は、とても歩きやすいね。でも、産卵時期は、あまり海岸に近づいたらいけないんだよ、と大牟田さん。特に夜間は、音を立てたり、電燈を灯したりしてカメを驚かすと、上陸してこないんだ、と教えて戴きました。

ここの砂には、サンゴなど破片も混ざっているんだよ、と大牟田さんの説明を受ける3人娘

ここの砂には、サンゴなど破片も混ざっているんだよ、と大牟田さんの説明を受ける3人娘

あ、危ない!。突然、波が押し寄せた

あ、危ない!。突然、波が押し寄せた

元気一杯の三人娘が、浜辺を歩き回っていると、砂の中に白いものが埋もれています。なんと、ウミガメの卵の殻でした。鳥の卵のように固くなく、ピンポン玉のような弾力があります。「うわぁー」、「すごい、すごい」。皆、夢中で拾います。「クラスの友達に見せてあげたい」

砂浜で拾ったウミガメの卵の殻をカメラマンに見せる

砂浜で拾ったウミガメの卵の殻をカメラマンに見せる

入り口にあった可愛い案内図

入り口にあった可愛い案内図

うみがめ館を後にして、次は屋久島でも有数の滝の見学に行きました。大川(おお・こ)の滝。落差は88メートルあるそうです。まさに雄大。「えー、大きい。白神に、こんなのはないよ」。屋久島では、規模・水量ともに最大級の滝です。「よし、近づいてみよう」。マッキーを先頭に、岩場をグイグイ歩いてゆきます。

大川の滝を間近で見るため、岩の上を飛ぶ跳ねるように走る3人娘。危ないよ!

大川の滝を間近で見るため、岩の上を飛び跳ねるように走る3人娘。危ないよ!

あっ!、危ない!!。ぜーんぜん、大丈夫だよ。この悪戯者め!!!

あっ!、危ない!!。「ぜーんぜん、大丈夫だよ」。この悪戯者め!!!

大岩を登り、見上げるような巨大な滝に近づきます。「すごいね!」。報道関係者の求めに応じて、滝をバックに記念撮影。「はい、チーズ」。と、突然マッキーの顔が苦痛に歪みました。「かえでちゃん、足、踏んでるんだけど」。どうやら岩から飛び降りた時、かえでちゃんが足の上に乗ったようです。

マッキーさんと滝の前で記念撮影

マッキーさんと滝の前で記念撮影。んっ!

かえでちゃんの靴が、しっかりと、マッキーさんの足を踏んづけています

かえでちゃんの靴が、しっかりと、マッキーさんの足を踏んづけています

えー、笑いごとじゃないでしょ(笑)、とマッキーさん

えー、笑いごとじゃないでしょ(笑)、とマッキーさん

ええっ!、骨は折れなかった?。笑い事じゃないでしょ、もっと気を付けてよ!!。牧さん、本当にごめんなさい。でも、三人娘は大はしゃぎ。白神でも見せないような笑顔で、跳ね回っています。よかったね、屋久島に来れて。さぁ、明日はいよいよ発表だよ。この一年間の成果をみんなに見て、聞いてもらおうね。(つづく)

ゴメンなさい、ゴメン。手を合わせて謝るかえでちゃん。でも、笑いっぱなしで、反省の色なし

ゴメンなさい、ゴメン、マッキーさん。手を合わせて謝るかえでちゃん。でも、笑いっぱなしで、反省の色なし

楽しそうなので、律子さんも行ってみよう、と

楽しそうなので、律子さんも行ってみよう、と

屋久島との交流第二弾~ついに来たぞ、縄文の島

12月1日付の朝日新聞社会面と青森版に記事と動画が掲載されました。

下記のURLをクリックして下さい。

http://www.asahi.com/articles/SEB201311300017.html

いざ、屋久島へ!。でも、理花ちゃんとかえでちゃんは初めての飛行機。「ドキドキするね」

いざ、屋久島へ!。でも、理花ちゃんとかえでちゃんは初めての飛行機。「ドキドキするね」

手続きに慣れたみなみちゃんを先頭に、それ!

搭乗の手続きに慣れたみなみちゃんを先頭に、それ!

夢にまで見た屋久島へ到着いたしました。昨年の秋から、シノリガモを観察し続けて一年。まさか、派遣して頂けるとは思ってもいませんでした。子供たちの頑張りを皆さまが認めて下さったおかげで、実現できたのです。さぁ、頑張ろうね!、三人娘。

飛行機の窓の外に富士山が見えた。初めて見たぁ!

飛行機の窓の外に富士山がどっしり。初めて見たぁ!!

みなみちゃん以外は初めての飛行機だけど、ぜんぜん大丈夫。待合室でも菓子をパクパク

みなみちゃん以外は初めての飛行機だけど、ぜんぜん大丈夫。待合室でも菓子をパクパク

自宅を午前6時すぎに出発。摂氏零度の秋田空港は、雪が舞っていました。3人のうち2人は、初めて乗る飛行機。ドキドキしましたが、「超楽しい!」と大喜びです。「耳は大丈夫かな?」、「落っこちたり、しないよね‥」

機内でフライト・アテンダントのお姉さんにおもちゃを戴いた

機内でフライト・アテンダントのお姉さんにおもちゃを戴いた

初めてだったけど、ぜーんぜん、へっちゃらだった。飛行機楽しい!

初めてだったけど、ぜーんぜん、へっちゃらだった。飛行機楽しい!

東京から鹿児島を経由して、やって来ました「縄文の島」へ。飛行機を三便乗り継いだけど、一日で着きました。いつもは元気一杯の三人娘ですが、さすがに疲れているようです。その理由は、往きの飛行場で、次々とお土産を買い漁るからです。両手に荷物を抱えて飛行場を歩くため、さすがにまいったようです。もう‥

待合室で水分補給。少しグロッキーかな?

待合室で水分補給。少しグロッキーかな?

屋久島空港に着いたよ。第一声は、暑いね!

屋久島空港に着いたよ。第一声は、暑いね!

「暑いね」。それが第一印象。紅葉が終わり、冬の装いが進む白神山地に比べ、屋久島は緑がいっぱいです。南北に長い日本列島の気候の差に目を丸くしながら、3人娘は海岸線の亜熱帯の森を歩き始めました。

屋久島町長に深浦町の吉田町長からの親書を手渡す。大役に少し緊張気味

屋久島町長に深浦町の吉田町長からの親書を手渡す。大役に少し緊張気味

屋久島にある巨大な滝の前で、研修センターのインストラクターのお兄さんと記念撮影

屋久島にある巨大な滝の前で、研修センターのインストラクターのお兄さんと記念撮影

屋久島の小学生と高校生との交流の後は、「もののけ姫」の舞台となった亜高山帯の縄文の森へ向かいます。忙しいので、原稿を書いたり、写真を整理してアップしたりする暇がないので、書き込みはこれぐらいで。

発表を前にテレビ局からのインタビュー。ハキハキと答えられました

発表を前にテレビ局からのインタビューを受ける。ハキハキと答えられました

青森へ帰ったら、きちんとした報告をアップします。取り急ぎ。(つづく)

屋久島との交流第一弾~笑顔は1400㎞を越えて

地元紙の東奥日報に11月18日掲載されました(インターネット電話):http://www.47news.jp/localnews/aomori/2013/11/post_20131118211539.html

同じく東奥日報に11月26日掲載されました(町長に表敬):http://www.47news.jp/localnews/aomori/2013/11/post_20131126121610.html 

屋久島の子供達との交流会で、事前交流として実施したスカイプの授業=深浦町の町立いわさき小学校で

屋久島の子供達との交流会で、事前交流として実施したスカイプの授業=深浦町の町立いわさき小学校で

私たちの屋久島行きも、間近に迫ってきました。現地で発表する子供たちとのシノリガモ研究の講演会の練習や、後援して下さる深浦町の行政関係者との打ち合わせで、毎日、目が回るような忙しさです。

相手はどんな人たちなの?。楽しみだけど、少し不安‥

相手はどんな人たちなの?。楽しみだけど、少し不安‥

「何よ、浜田さん。そんなアップで撮らないで(笑)」。緊張しながらも、満面の可愛い笑顔

何よ、浜田さん。そんなアップで撮らないで(笑)。緊張しながらも、満面の可愛い笑顔

そんな中、世界自然遺産の交流プログラムの第一弾として、町立いわさき小学校と屋久島町立八幡小学校の6年生が、インターネット電話のスカイプを使った授業を実施。白神と屋久島、直線距離で約1400キロも離れた北と南の子供たちが、お互いの顔を確認し合いながら、自己紹介やふる里の自慢を通して、親睦を深めました。

テレビとビデオカメラ(手前)の前で、相手側と繋がるのを待つ

テレビとビデオカメラ(手前)の前で、相手側と繋がるのを待つ

あ、映った。何人いるのだろう?。左で操作するのは校長先生

あ、映った。何人いるのだろう?。左で操作するのは柳澤校長先生

いわさき小学校では、スカイプを使った授業は初めて。子供たちは、「屋久島って、暖かいの」、「どんな子がいるのかな。仲良くなりたいな」と、ワクワクしながらパソコンにつないだテレビの前で、八幡小学校からのコールを待ちます。そして、向こうの教室が映し出されると、「わぁー、来たぁ!」「こんにちは!」と、手を振りながらの大歓声がわき起こりました。

少し緊張するけど、みんなと一緒だから平気。もっと、顔とかが映らないかな

少し緊張するけど、みんなと一緒だから平気。もっと、顔とかが映らないかな

最初は、一人ずつカメラの前で自己紹介しながら、屋久島のことを質問します。屋久島では、気温が25度近くもあること。海には、見たこともない、シイラやオジサン、ツノダシなどの魚がいること。タンカンという美味しいミカンが獲れること‥。相手側の児童がフリップを手にしながら話す内容を食い入るように見ながら、聞き入っています。

あ、アップになったよ。わぁ、この人少しカッコイイね。

あ、アップになった。あっ、この人少しカッコイイね

「もう1回、魚の名前を教えてください」、「こんなお店はありますか」、「屋久島でも、○○ゲーム流行ってますか」。打ち解けてくれば、普段、いわさき小の仲間と話し合ているような内容も、次々と質問します。「ねぇ、この人、ちょっとカッコイイね!」、「え、好みのタイプなの?」、「きゃー、恥ずかしい!」。こらこら‥。

さぁ、白神側の自然を説明するぞ。これがシノリガモです

さぁ、白神側の自然を説明するぞ。これがシノリガモです

深浦からあまり出たことのない子供たちには、びっくりすることばかりだったようです。こちらからは、もう初雪が降り、コートやマフラー姿で通学していることや、白神山地の動物たちの紹介などをしました。

相手側にクイズも出しました。「ブッブー。正解は3番です」

相手側にクイズも出しました。「ブッブー」、正解は3番です

すっかり打ち解けた子供たちは、ご当地の津軽弁も披露。『「わ」=私、「けやぐ」=友達、「わらはんど」=子供』など、次々と繰り出されるネイティブなお国言葉に、お互いの笑顔が弾けます。そして最後は、『「へばな!」=さようなら』の大合唱と最高の笑顔で締めくくりました。

最高の笑顔で、「へばなぁ(さようならぁ)」と、手を振りながら大合唱。楽しかったぁ!!!

最高の笑顔で手を振りながら、「へばなぁ(さようならぁ)」と、大合唱。楽しかったぁ!!!

楽しい交流授業だったことは、子供たちの表情でわかります。あの人も、あの子も、お友達になりたいな‥、という伝言も頼まれました。うん、喜んで伝書鳩になるよ。授業を準備して下さったいわさき小の青木先生、八幡小の三宅先生、そして技術指導をして下さった柳澤校長先生、本当にありがとうございました。

吉田町長から受け取った親書と共に記念撮影=深浦町役場で

吉田町長から受け取った親書と共に記念撮影=深浦町役場で

そして本日、吉田満・深浦町長より、屋久島町長に宛てた親書を預かってきました。地元紙と全国紙の記者が取材に来られていたので少し緊張しましたが、初めて入った町長の執務室で、重責を担うための儀式もきちんと済ませました。

まず、お世話になった観光課にあいさつ

まず、お世話になった観光課にあいさつ

町長さんの執務室に入るのは初めて‥。少し緊張気味でも、笑顔を絶やさない3人娘

町長さんの執務室に入るのは初めて‥。少し緊張気味でも、笑顔を絶やさない3人娘

「シノリガモを調査・観察した結果をしっかり報告します」、「ブナ林や青池など、深浦の良いところをアピールしてきたい」、「屋久島の子供に会えるのがほんとうに楽しみ。白神と屋久島の違いを見てきたい」と、決意を述べました。

すごいテーブル。あー、あの置物カッコイイ。役割も忘れてキョロキョロ

すごいテーブル!。あー、あの置物カッコイイ。役割も忘れてキョロキョロ

吉田町長の前で、一人ひとりが決意を述べます

町長の前で、一人ひとりが決意を述べた

吉田町長からは、「屋久島の自然と産業、観光などをしっかりと見て来てください。そして、世界自然遺産の町同士の架け橋になれるよう、頑張って下さい。期待しています」と激励を受けました。

私たちを屋久島へ行かせて下さって、ありがとうございます。頭を下げながら、町長にお礼の言葉をのべる

私たちを屋久島へ行かせて下さって、ありがとうございます。頭を下げながら、お礼の言葉をのべる

吉田町長より、町を代表して頑張って来てください、と激励される3人娘

町長より、町を代表して頑張って来てください、と激励される3人娘

最後に子供達から、「深浦に帰ってきたら、今回の交流会と屋久島の自然や人の事を報告できる場を作って下さい。私たちが、見て、歩いて、感じたことを町民の皆さまへ報告したいと考えています。よろしくお願いします」と町長に申しあげ、執務室を後にしました。

町長から親書を受け取る3人娘

町長から親書を受け取る3人娘

子供達が預かり、屋久島町長へ手渡す親書を見せて戴いた

子供達が、屋久島町長へ手渡す親書の中身を見せて戴いた

どんどん成長を続ける大間越三人娘は、いよいよ屋久島へ旅立ちます。みんな大張り切りで、移動中の車中でも、発表する内容の音読をしています。子供達にとって、初めての交流会。頑張ってきます。そして、ぜひ、良き成果を報告できますよう、皆さま、応援をお願い致します。

最後にがっちりとした握手を交わし、重責を担って屋久島へ。頑張れ、3人娘

最後にがっちりとした握手を交わし、重責を担って屋久島へ。頑張れ、3人娘

 

教育研究会での講演と日本一のイチョウ

国指定天然記念物、北金ヶ沢の大イチョウ(垂乳根のイチョウ)

国指定天然記念物、北金ヶ沢の大イチョウ(垂乳根のイチョウ)

深浦町教育研究会の研修会に招かれ、町立大戸瀬中学校で、小中学校の先生方を前に講演をしてきました。教育者の皆さまに、私らごときがお話しをするのは、おこがましいのですが、日頃、お世話になっている、町立いわさき小学校の柳澤弘幸校長先生や菊池久美子教頭先生のはからいで、恥ずかしながらも約1時間、250枚の写真をスライドショーにして、約80人の先生方に見て、聞いて戴きました。

講演を聞いて下さる深浦町の先生方

講演を聴いて下さる深浦町の先生方

演目は「白神へ誘われた自然と生活文化との出会い」です。私たち夫婦が、何に魅かれて白神へ移住したのか、新聞社時代の仕事のこと、戦没者の遺骨収集ボランティア活動などについて、話してきました。沖縄戦の話をした時には、涙して下さる先生もいらっしゃり、講演中でありながら、こちらも貰い泣きをしそうになりました。

講演に先立って御挨拶される深浦町教育委員会の〓教育長

講演に先立って御挨拶される深浦町教育委員会の坂本寛・教育長

深浦町の先生方は、素晴らしい感性を持っていらっしゃいます。世界自然遺産に登録された白神山地で暮らす子供達に、故郷の誇りでもある自然や生活文化を伝えようと、様々な手法を使って授業されている姿に感服します。私たちも、こんな先生方に習ってみたかったです。

講演を聴いて下さる先生方

講演を聴いて下さる先生方

講演を聴いて下さる先生方

講演を聴いて下さる先生方

講演会を終えて、近くのスーパーマーケットで買い物をして帰る途中、国道101号の道路脇にある「北金ケ沢のイチョウ」が色づき、ライトアップされているではありませんか。確か11月21日からだったと思うのですが、前日にテストをしていたようです。「三脚を持って来ればよかったなぁ‥」と、呟きながら、手持ちで撮影する夫を横目に、美しい黄葉と、日本一とされる巨木の悠然たる佇まいに見入ってしまいました。

垂乳根のイチョウとも呼ばれる大イチョウが、光の中に浮かび上がった

垂乳根のイチョウとも呼ばれる巨樹が、光の中に浮かび上がった

2004年9月、国が天然記念物に指定。樹齢1000年以上とされ、高さ31㍍、幹周りは22㍍で、沢山の気根がお乳のように垂れている事から「垂乳根(たらちね)のイチョウ」と呼ばれています。古くからご神木として大切に守られてきたようで、赤ちゃんが生まれても、お乳が出なくて困っているお母さんたちに、乳を授けるありがたいご神木として崇拝されてきました。

垂乳根のイチョウとも呼ばれる大イチョウが、光の中に浮かび上がった

通りががった家族連れも、ライトアップされた大イチョウを見上げながら、携帯電話などで写真を撮っていた

深浦の尊敬すべき先生方との交流を終えて帰る途中、思わぬ美しいお土産を戴きました。間もなく、大間越3人娘を連れて、屋久島へ旅立つ予定です。これらに関連した話をたくさん取材しているのですが、忙しくてまったく書き切れません。徐々にですが、記事をアップして行きますので、読者の皆さま、見捨てないで閲覧してやってください。

 

 

白神と屋久島の子供たちの交流事業を始めます

朝日新聞の夕刊1面で紹介されました。下記をクリックすれば、紙面のPDFが開きます

20131101西部夕刊1面

東奥日報の朝刊社会面でも、紹介されました。下記アドレスをクリックして下さい

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2013/20131102122408.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f

世界自然遺産の登録から20周年を迎えるのを記念して、今年11月、屋久島と白神山地の「子どもたちの交流プログラム」を始めます。子どもたちが実施した遺産地域に関連する環境保全活動や自然観察、調査などの研究を、お互いが発表し合う場を目指しています。

その第1回目となる今回は、白神山地の麓、青森県深浦町の小学生たちが屋久島を訪問。白神に生息する野生動物の研究成果を報告し、島の小学生たちと一緒に登山や森の観察会に参加します。日本で初めて自然遺産になった地域で暮らす子どもたちが、共に学び考えることで、故郷に誇りを持ち、貴重な自然や伝統的な生活文化を守ることの大切さや課題を、全国に向けて発信する予定です。

世界自然遺産を「学校」に見立て、そこで暮らす人々を「先生」にした環境教育活動を目指す市民グループ「世界自然遺産こどもネットワーク」が主催します。来年以降は、同じ自然遺産の知床や小笠原諸島との交流も考えています。

 

1. 実施時期・場所

2013年11月27日(水)~12月2日(月)

鹿児島県熊毛郡屋久島町

 

 2. 白神山地の子どもたち

白神山地で野生生物の調査、観察をする市民グループ「白神の生き物を観察する会」(代表・浜田哲二)のメンバーで、深浦町立いわさき小学校(柳澤弘幸校長)6年生の女子3人。同町在住で、報道写真家の浜田代表らと一緒に、白神の渓流で繁殖する絶滅危惧の海カモ「シノリガモ」の生態調査を続け、地元自治体などと協力しながら、その生息域の環境保全活動にも取り組んでいます。世界自然遺産の麓の町で、身近にいる生き物を調査、観察することで、その生態を知り、どう共存し続けられるのかを模索している子供たちです。会の顧問には、地元の伝統的な形の狩猟を受け継ぐ「マタギ」も名を連ねており、縄文時代から続く狩猟採集などの生活文化を、次世代に繋ぐ活動も続けています。

 

 3. 屋久島の「先生」と子どもたち

屋久島生物多様性保全協議会の手塚賢至会長を「先生」に迎え、屋久島と白神山地の子どもたちが西部林道地域や一湊川で自然観察会をします。手塚会長は、屋久島と 種子島に自生する絶滅危惧種のヤクタネゴヨウの調査を初めとして、様々な分野で保全活動をするほか、屋久島で調査をする全国の研究者への支援をしています。島内の学校では、環境教育の出前授業も続けています。今回の交流に参加する屋久島町立八幡小学校(玉泉眞ニ校長)の子どもたちは、手塚会長と一緒に、ヤクタネゴヨウの自生地の観察や校内で植樹を行い、ヤクタネゴヨウの里親として苗を育てています。

自然観察会と登山には、屋久島環境文化研修センターのスタッフが同行します。

 

 4. 活動予定(※変更の可能性あり)

・11月27日(水):白神メンバー屋久島入り

秋田空港~羽田空港~鹿児島空港~屋久島空港。同空港~屋久島環境文化研修センター(安房)。同研修センター泊

・11月28日(木):表敬訪問

屋久島町役場へ深浦町からのメッセージを届けるために表敬訪問。八幡小学校で交流会の打ち合わせと講演会の準備。屋久島内の見学。研修センター泊

 ・11月29日(金):交流会

八幡小学校で発表会および交流会。屋久島高校で発表会と交流会。同研修センター泊

 ・11月30日(土):自然観察会

屋久島生物多様性保全協議会の手塚賢至会長による西部林道地域や一湊川などでの自然観察会。同研修センター泊

 ・12月1日(日):白谷雲水峡登山

白谷雲水峡登山。研修センター泊

 ・12月2日(月):白神メンバー離島

同研修センター(安房)~屋久島空港~鹿児島空港~羽田空港~秋田空港

 

5. 事前交流活動

八幡小といわさき小による「スカイプ」を使ったインターネット交流授業。

 

6. 実施団体

主催:世界自然遺産こどもネットワーク、白神の生き物を観察する会(共催)

後援:青森県深浦町、鹿児島県屋久島町、屋久島生物多様性保全協議会

協力:屋久島環境文化研修センター、いわさき小学校(白神)、八幡小学校(屋久島)