東奥日報「Juni Juni」の連載:12回目 東奥日報「Juni Juni」の連載12回目 東奥日報「Juni Juni」連載の12回目は、私たちが暮らす集落へ来てくれたIVUSAの学生たちのお話を書きました。6月の春日祭だけでなく、継続的に地域の伝統行事をお手伝いしてくれているのです。 太鼓を叩く保存会の会長を先頭に川へ禊に向かう そして、悪天にも拘らず、海岸清掃も実施してくれて、頼もしい限りです。今回は、十数人の小規模のチームでしたが、来年は100人を超える陣容で、深浦町の手助けに来てくれる、と約束してくれました。 高山植物を背負わせてもらう女子学生 ここで、なぜ、彼らが深浦町へ来てくれることになったのかを簡単に記します。IVUSA(国際ボランティア学生協会)は、首都圏や関西、九州などの大学生、約2700人で組織されるNPO団体です。設立は1992年。国内だけでなく海外での災害救援や環境保全活動にも取り組んでいます。 神社に祈願した後、山へ向かう学生たち そんな彼らと最初に出会ったのは、今から4年前、沖縄県中部の丘陵地帯でした。私たちがライフワークとして、毎年、通っている戦没者の遺骨収集活動に参加してくれたのです。 掘り出した遺骨を愛おしげに抱える女子学生 山頂の祠に祈願 ただ当時、一緒に活動する沖縄在住の某親方が、IVUSAが来沖することをすっかり忘れており(笑)、突然、現場で80人を超える学生たちの指導を命じられたため、戸惑いました。 喜屋武のジャングルで遺骨収集に臨むIVUSAの学生たち でも、高校を卒業して間もない、あどけなさが残る学生たちが、泥まみれになりながらも穴を掘って土を掻き分け、懸命に遺骨を探す姿に、驚くのと共に、感動を覚えました。 ジャングルの下を掘り進める 元気よく山かけ踊りに取り組む そして、過酷な仕事にも笑顔を絶やさず働く姿や、粉々に砕かれた小さな骨片を拾い集めて涙ぐむ学生たちに、すっかり心を奪われたのです。とてもひたむきで、かわいらしくて‥。それからは、IVUSAが来るたびに、夫婦で指導を申し出て、活動しています。 遺骨を前に泣き出す女子学生 祭列に合わせて踊るおばあちゃんも そして、沖縄の遺骨収集活動には、JYMA(日本青年遺骨収集団)という、学生や社会人らで組織する団体が、毎年、参加してくれます。彼らは、IVUSAと違って、10~20人の少人数で活動しますが、まさに精鋭の集まりです。 掘り出した旧日本軍の認識票を見せる女子学生 見事に息があった踊り 海外での活動経験も豊富で、黙っていても、完璧に仕事をこなしてくれるエキスパートたち。とても頼もしい存在で、IVUSAと同様に、大好きな若者たちです。両団体共に、今年は遺骨の収集だけでなく、遺留品の返還活動も頑張ってくれました。 今年も来てくれたJYMAの若者たち みんなで履いていた草鞋を脱ぐ こうした活動を通した沖縄での若者たちとの出会いは、私たちにとって、とても新鮮でした。そして、過疎と限界集落化で苦しむ深浦町にも、お手伝いに来てくれないかと、声掛けしてみたのです。 学生から、遺留品の印鑑などを受け取る戦没者の遺族(中央) 高い梢に草鞋を引っ掛けて喜ぶ学生 すると、学生たちは興味津々。「ぜひ、お手伝いしたい」と、私たちの暮らす集落へ来てくれることになりました。IVUSAが国内外で実施している「地域おこし」や「環境保全」などの活動と、深浦町が抱えている種々の問題が一致したことも、派遣の大きな理由になりました。 戦没者のお墓に祈りを捧げる学生たち 高校生と清掃活動 よく、大人たちの会話で、「最近の若い者は‥」との愚痴を聞きます。が、私たちは逆に、「最近の若者は素晴らしい」と応えてしまいます。それは、IVUSAやJYMAの若者たちと知り合ったからです。 戦没者の遺留品を遺族へ返還する若者たち 防潮堤の上から海岸の調査 終戦から70年。今、日本は様々な立場において、岐路に立たされています。外交の問題、内政の問題、少子化や地方の衰退‥。特に、国家のあり方と安保法制の行方は予断を許さない状況です。 清掃中にずっこけそうになる高校生の葵ちゃん。「白神の生き物を観察する会」の熱心なメンバー 本来あるべき国の姿と子どもたちの将来が心配されるような政治状況が、今後も続きそうです。だからこそ、若者たちの働きに期待しましょう。これからの日本を支えて行くのは、彼らなのです。 白神岳へ登る前に記念撮影 私たちに出来るのは、まず、事実を見てもらい、選ぶための多様な選択肢を示し、正しい道とは何か考えもらうために、働き続ける事しかできません。日本が、いや世界の人々が平和に暮らせる未来を目指して、頑張ってくださいね。ロートル夫婦ですが、精一杯の応援とお手伝いをしますから。 Post Views: 164
キジとヤマドリの放鳥 キジの若いメスを放鳥。伸びあがるように飛び立った 北国の空の色が澄んできました。朝晩の冷え込みと共に、私たちが暮らす集落の里山にも、秋の気配が漂います。超多忙だった9月がようやく終わり、昨日、手隙の時間に暖炉にくべる薪を運び込みました。そろそろ、炎の温もりが恋しくなる季節だからです。 ロボットカメラに写ったヤマドリ そんな秋晴れの朝、猟友会の知り合いから、「ヤマドリとキジの放鳥をしてもらえませんか」、との声掛かり。天皇・皇后両陛下の那須御用邸での放鳥は、新聞やテレビなどで目にしたことがありますが、自分たちでやるのは初めてです。生き物は大好きだし、二つ返事で引き受けました。 キジの夫婦。オスの婚姻色が美しい 放すのは、人工ふ化させた若鳥で、合計20羽。ヤマドリ、キジの種類と性別を記した箱に、一羽ずつ入れられています。生き延びて、子孫を増やしてほしいので、放鳥場所を深浦町のマタギ・伊勢勇一親方に相談しました。 ヤマドリを放つ筆者 すると、「ヤマドリは水を好むから、沢の近くがいいだろう」との答え。「ブナの実やカラスザンショウの実も好物だな」と、食べるものも教えて下さいます。うん、ならばあそこが良いかな、と白神のあちこちの森が頭に浮かんできました。 箱の中から、出てこないキジ。覗き込むと‥ 一方キジは、山と里の境目が良いとのこと。でも、「畑の近くはだめだ。ばあさん連中が植えた豆や、野菜の新芽を食ってしまうからな」と、サルやカラスなどの食害に悩まされているお年寄りへの配慮も忘れません。 恐竜のような歩き方で獲物を探すキジのオス 目星をつけた場所へ行って、いざ、放鳥です。軽トラックの荷台に2時間ほど揺られたので、弱っていないか心配。でも、杞憂でした。ヤマドリのオスは、段ボールの空気穴越しに目が合うと、フーッ、フーッと威嚇してきます。 森の中に飛び出すヤマドリのメス なかなか、気が強そう。そういえば山歩きの際、ヤマドリのボロロロロ‥という、侵入者に対する縄張りを主張する羽音を、何度も聞いたことを思い出しました。で、箱を開けると、それと同じ音。猛烈な勢いで飛び立ちます。うずくまった姿勢から、垂直に飛び上がる個体も。 羽ばたきながら縄張りを主張するキジのオス 飛ぶ瞬間を見定めようと思うのですが、目にもとまらぬ速さです。夫の哲二。果たして写真は撮れているのかな?。もし、はずしたら、ブログ開設以来、初の「写真なし」という情けないことになるわよ。 勢いよく飛び出すヤマドリ。目にもとまらぬ動きで、撮影は至難の業。トホホ‥ 町内の数カ所で、あっという間に20羽をリリース。元気いっぱいに飛び去る若鳥たちに、思わずエールを送っていました。頑張って生き抜いて、来年はかわいいヒナを見せてね、と。なぜか、哲二がショボクレて、カメラのモニターを見ています。さては‥ 広葉樹の森へヤマドリを放鳥。鳥の速さに対応できず、ピンボケとブレブレのヘボ写真。もう、クビだな Post Views: 449
東奥日報「Juni Juni」の連載:11回目 東奥日報「Juni Juni」の連載11回目 今回は子供たちと一緒に観察を続けるシノリガモのお話です。一昨年まで、順調に子育てを続けていましたが、昨年と今年、残念ながらヒナの巣立ちを見ることができません。というより、ヒナが生まれてこないのです。 子育てのために川を遡ってきたシノリガモ 子育てが成功した時と同じように、親鳥たちは繁殖行動をしています。春先、仲間たちが北国へ帰った後も、数組のオスとメスのペアが川に遡ってきて、仲良くすごしているのを、子供たちと期待を込めて観察していました。 2年前の親子。お母さんと一緒に休憩。眠くて目をつぶっている子も‥ が、ヒナが生まれてくる時期になっても、お母さん鳥だけが、寂しそうに岩の上に蹲っている姿しかありません。そのうち、どこかへ飛び去るのか、いなくなってしまいます。 昨年、遡上してきた繁殖個体群。3組も営巣活動していたが、子育ては失敗した その原因ですが、上流域の砂防堰堤の工事で土砂が流れ出し、川が浅くなったことを指摘する声もあります。が、私たちが観察している限り、親鳥は浅くなった川でも餌をとりながら、交尾もしています。産卵期が近づくと、毎年、営巣していると思われる場所に蹲る母鳥も確認しています。 シノリガモが子育てをする川。手前の堰堤から河口までの約600メートルが重要な繁殖地 なので、環境の変化よりも、人為的な原因の危惧が。それは釣り人。地域の方や深浦町などの協力を得て、営巣期の川への侵入を自粛してもらうお願いをしていますが、まったく聞く耳を待たずに強行される方がいらっしゃいます。 子育てへの理解と協力を訴えかける看板。9割の方は協力して下さる 何度、お願いしてもダメ。子供たちが見ている前で川へ入り、シノリガモの親子を蹴散らしたこともありました。今回は、某テレビ局の取材チームが見ている前で、繁殖活動中の親鳥を追い散らす場面も。 川の中に立ち入って魚を獲る釣り師。この竿は引っ掛け漁法用で、県の条例に違反する釣り方 取材スタッフからの電話で駆けつけてみると、いつも強引に釣りを強行される方が、当然、といった雰囲気で釣られています。規制する理由がないので、無理に止めされるわけにもいかず、鳥も私たちも泣き寝入りするしかありません。 岩の上で羽ばたくお母さんとヒナたち 取材スタッフに同行して、シノリガモの繁殖状況を見に来られた鳥類の研究者も、「親鳥が威されることで頻繁に巣から離れると卵が冷えてしまう。営巣地を破壊されたくなければ、早急に手を打つべき」と心配されています。 河口の石の上に上がる 実は、川を管理する青森県やレッドリストに記載して保護する環境省に、毎年のように相談しています。それぞれの機関が、前向きに検討してくれているみたいですが、抜本的な回答は得られません。特に環境省は、見に来られるだけで、その後はなしのつぶて。 川上へ向かって飛ぶオスのシノリガモ 2年前に来た同省のアクティブ・レンジャーは、「釣りも文化なので否定も規制もできない。それに、シノリガモなんてどこにでもいる。珍しくもなんともない」と言い放つ始末でした。 屋久島の子供たちの前でシノリガモについて発表する、みなみちゃん 屋久島高校で、シノリガモについて発表する「地区の三人娘」 これと同じ論理を「地元の野鳥愛好家」が吹聴されているそうです。私たちの狩猟仲間や役場関係者などにも言いふらしているようで、とても困っています。鳥に詳しい方なので、多くの地元の方が追随してしまうからです。 成鳥に近づいたヒナたち。こんな姿が見られなくなるかも‥ そのためか、一時期は保護に協力して下さっていた地元の釣り師が、この川での釣りを再開されました。その理由を聞くと、「珍しくもない鳥の保護を声高に叫ぶ、あんたらは頭がおかしい。だから、気が振れた奴の話は聞く必要もない」、そうです。 鳥に見つからないように寝転んで観察する地元の小学6年生。とても熱心 シノリガモが子育てをしている川の流域は、毎年、約600㍍ほどの区間内だけ。そこを避けて下されば、問題なさそうです。それをお願いしているのですが、どうしても聞き入れてもらえません。これで2年連続、子育てができなかった可能性も考えられるのです。 子どもたちと保護を訴える看板を立てる 観察する子供たちも、激しく落胆しています。1年間、一生懸命に調査を続け、愛らしいヒナの姿を見るのを楽しみにしてきたのに、最も重要な瞬間を人間のエゴで潰されてしまうからです。何人かの子は、目標を見失いそうになっています。 シノリガモの糞の調査をする シノリガモのフンを分析し、その食性を調査する手法を聞く6年生の児童ら 釣りを強行される方の無理解は、生き物の生態を知ろうとしないことが大きな理由と思われます。が、生態系の大切さを知りながら、足を引っ張る方々の行為には憤りが募ります。臨時とはいえ、環境省職員でありながら、絶滅が心配される鳥の保全活動を軽視するようなアクティブ・レンジャーには、怒りを通り越してあきれてしまいました。 泳ぎだす母鳥を追うシノリガモのヒナたち。2年前の親子 シノリガモは生まれて2年ぐらいで繁殖できるようになるといいます。これまでは、この川で生まれたヒナが帰ってきて、子育てをしていたのでしょう。が、来年、繁殖に失敗すると3年連続になり、ここへ帰ってきてくれる個体が激減する可能性もあります。 2年前の親子。2組で計12羽生まれた この川の600㍍の区間で釣りを強行される皆さま、そして、国内で繁殖活動をするシノリガモの貴重さや保護活動に異論を唱える皆さま。どうか、私たちの願いに耳を傾けて、絶滅が心配される水鳥の繁殖地の保全活動に、ご協力ください。 フィールドスコープなどで観察する子供たち ブラインドテントに入って、こっそりと覗くように観察する 地区の子供たちは学校が休みの日も遊ばずに、一生懸命に観察を続けているのです。地元の小学6年生の総合学習でも、3年連続でシノリガモの観察を続けています。少子化と高齢化が進む地方にとって、子供は宝のはずです。希少な生態系と子供たちの夢を大人のエゴで壊さないであげてください。 新緑が美しい川で、シノリガモ観察をする6年生 ロボットカメラの原理を学ぶ。明るくて、可愛いしぐさ。子供は宝です Post Views: 292
友よ遠方より来る 律子の記者時代の友人・ミヤコちゃん 新聞記者の駆け出し時代。兵庫県で警察回りをしていた時代の友が訪ねて来てくれました。若き頃、辛くもあり、楽しくもあった「苦楽の汗」を一緒に流した仲間です。 真っ盛りのマスタケ 早速、初秋の山へ行き、キノコ狩りに行きました。「マイタケを採るぞー」と、勇んで駆け上がりましたが、少し時期が早かったようです。いつも出ている木には、影も形もありません。 哲二の友人・ノンフィクション作家の角岡信彦氏。大きなマスタケに驚く 案の定、マイタケが出る時期には、盛りが過ぎているマスタケが最盛期でした。ま、これでもOK。今夜は、マスタケ入りのすき焼きやバター炒めで一杯飲むか‥ 木の裏側にも盛りのマスタケが‥ Post Views: 154
東奥日報「Juni Juni」の連載:10回目 東奥日報「Juni Juni」の連載:10回目 今回の「Juni Juni」連載は、地元農家の嫌われ者、「ニホンザル」です。下北の個体群と同様、世界最北端に生息するサルたちですが、増えすぎて田畑の農作物を襲うため、一部が間引かれる事態にまでなっています。 農場に現れたサルの群れ 以前は、白神山地の奥地で、わずかな群れが平穏に暮らしていました。麓の村に下りてきて、悪さをする個体も少なく、駆除の対象にもなっていません。地域の人も、「サルに悪戯をすると罰があたる」と、畏怖の念を抱くほどでした。 親子連れ。とても愛らしいが‥ それが、ここ最近、急激に数を増やして、麓の村々を困らせています。なぜ、増えてきたのか?。その理由は、判っていません。マタギたちの高齢化により、狩猟圧が減ったことなのか。過疎と限界集落化で、人間の力が弱まっているのをサルが見抜き、攻勢に出てきているのか。 キョロキョロと、周りを窺いながらカボチャ畑を荒らすサル 研究機関などの調査も、ほとんど進んでいないので、判別がつかないのです。そして、サルだけでなく、クマやハクビシン、アライグマ、カラスなどが、害獣となって農地を襲う、「動物たちの逆襲」が続いています。 サルの罠であるオリを運ぶ役場の職員 先日、近所のおばあちゃんが、我が家の軒先に捥ぎたてのトマトを4~5個、置いてくれました。外出先から帰ってくると、今まさにトマトを持ち去ろうとしている若いサルと鉢合わせ。「コラッ!」と、夫・哲二が、拳を振り上げて追い払います。 農園で落ち穂を拾うサルの家族 が、敵もサルもの。瞬時に我が家の屋根へ飛び移ります。そして、どうしてもトマトが欲しいらしく、立ち去りません。しばらく睨み合っていましたが、ボス猿のような哲二の風体に恐れをなしたのか、渋々と山の方へ戻っていきました。 母サルが餌を持ち帰るのを木の上で待つ子ザルたち 小柄な若い個体だったので、1個ぐらいあげてもいいかな、と思いましたが、哀れみは禁物。一度、餌付けたら、毎日のように押しかけてきます。そうしたら、私たちだけでなく、近所の農家すべてが困らされるのです。 花火で追い払い。後方に捕獲用の檻が設置してある どうして、人間と敵対するようになったのでしょうか。やはり、過疎と高齢化で人口が減り、農業を担える人材が少なくなっているのが要因だと思われます。若手で農家を専業にする方も、町内には数えるほどしかいません。ほとんどが兼業か大規模な農場で働いているからです。 畑仕事を終えて自宅へ向かう近所のお年寄りたち そして、個人の小さな田畑は、そのほとんどをお年寄りが管理しています。そんな畑におばあちゃんしかいないと、サルは平然と侵入し、目の前で作物を持ちさります。おばあちゃんが騒いだり、石を投げたりしても、まったく無視。人の強弱を値踏みしているかのようです。 ジャガイモ畑をサルに荒らされ、見成熟な芋を慌てて収穫する この地域で心配なのは、こうした農業を生き甲斐にしているお年寄りたちへの被害です。日課にしている畑仕事が獣害で継続できなくなったら、体を動かすことができなくなります。社交場としていた畑に出なくなれば孤独感が募り、よけいに参ってしまうのです。そうして寿命を縮めたという例も聞きました。 サルの害獣駆除で、空砲を撃って追い払う伊勢親方 何とか対策を講じなけれならないのですが、小さな市町村が対応するのも限界があります。深浦町も専従の職員を雇ったり、猟友会に全面的な協力をお願いしたりして、対策を講じていますが、サルの数は一向に減らず、農業被害は深刻なままです。 捕獲されて、身体測定されるサル できれば、大学などの研究機関と国が対策を講じてほしいものです。地方への経済効果の波及を狙う、「ローカル・アベノミクス」とか、「地方の変革」とか、スローガンは立派ですが、地方のおばあちゃんたちへは、何も届いていません。それよりも、若者が都会へ出ていかなくても暮らしていける、「素晴らしい故郷」を再構築させてください。 サルに荒らされたカボチャ畑で呆然と立ち尽くすばっちゃん。収穫できず、ほぼ全滅した。約半年間、手塩にかけて育ててきただけに、目尻から涙がこぼれた 右翼的な発言の多い総理ですが、日本人が大事に守ってきた親兄弟や友人、そして故郷を大切にできるような施策は、ほとんど出てきません。金のばら撒きでない、実体の伴った政策をお願いしますよ。 テレメトリーを装着後、群れに還されるメスザル。調査員から、「もう悪さするなよ」と言われ、反省しているような表情を浮かべている ただ、間違っても戦争への道は、止めてくださいね。この村では、あの大戦の生き残りの兵士たちが、まだ畑に出て、鍬を握っているのですから。それよりも、サルとの争いを平和裏に解決できるよう、知恵と実行力をお貸しください。 早朝、朝日を背に森の中を歩いてきたサルの群れ Post Views: 183