世界遺産指定されて間もなく、旧岩崎村に通って取材したものです。
何度かの転勤で、保存していたフィルムの大多数が行方不明になり、中途半端な形でしか紹介できないかもしれませんが、お付き合いください。ダンボールひと箱分のフィルムがどこへ行ったのか‥。どっかの本社にコロっと残っているかもしれません。これを読んだ関係者の皆さま、もし見かけたら料金着払いで送ってください。
我が家で、春の味として定番のタケノコ寿司=写真上、浜田家のタケノコ寿司。高知の実家に戻ると、春の定番メニューだった。青森の人からは、「どんなお寿司?」と、聞かれますが、五目寿司の具に味付けしたタケノコを混ぜ込んだ、シンプルなチラシ寿司です。夫の実家では毎年、この時期になると、亡くなった母が腕をふるい、大きな寿司桶(飯台)いっぱいのお寿司を皆にふるまったそうです。私も、高知の実家から送られてきたタケノコを使って、チャレンジしてみました=写真下、まず具材のタケノコを短冊状に切る。
初めに、混ぜ込む具を用意します。あく抜きしたタケノコは食べやすい短冊切り。ニンジンはマッチ棒ぐらいの拍子木切りにし、それぞれ酒と塩、出汁を少々入れて煮ます。ここで干しシイタケを水で戻しますが、時間が掛かるので電子レンジでお手軽に済ませます。軸を取った干しシイタケを少量の砂糖を入れた水に浸し、1分ほど「チン」します。この最初の出汁はもったいないように思えますが、埃っぽい味がするため、躊躇なく捨てます。再度、同様に浸して、干しシイタケが柔らかくなるまで1~2分間電子レンジにかけます。この二度目の戻し汁を使って、砂糖と醤油で旨煮にし、細切りにしておきます=写真下左、味付けした干し椎茸。下右は合わせ酢に投入するチリメンジャコ。
次に合わせ酢を作ります=写真上、合わせ酢に投入するみじん切りのショウガ。大量に必要。米一合に対して、米酢を大さじ二杯、砂糖大さじ一杯強、塩大さじ四分の一弱を混ぜてよく溶かしておきます。さらに、柑橘類を絞ったお酢を「隠し味のおまけ」として加えます。今回使うのは、高知市の日曜市で入手した「ダイダイ酢」と「ユズの酢」です=写真下左、日曜市で買ったダイダイ酢。下右、同じく瓶入りのユズの酢。そして、「果実の小夏」もあったので、絞った生の果汁を加えました=写真下、小夏も絞って入れる。果実の甘味と香りが出て美味になる。これに、チリメンジャコとみじん切りにした大量の生姜を投入し、米が炊き上がるまでなじませておきます。
米は、コブと酒を加えて硬めに炊きます。ご飯が柔らかいと、混ぜ込んだ時に団子状になって美味しくありません。酢や具を多い目に投入しますので、必ず硬めに仕上げて下さい。そして、炊き上がったら間髪を入れず寿司桶に入れ、合わせ酢と混ぜます=写真下、ショウガとジャコを混ぜ込んだ合わせ酢を炊きたてのご飯に投入。杓文字で切るように手早く混ぜてゆく。
酢飯ができたら、ニンジン、シイタケ、タケノコの三種類の具を加えて混ぜます。この上にお好みで錦糸卵や揉み海苔をふりかけて完成です=写真下左、ニンジン投入、下右、シイタケも投入。
大活躍の寿司桶。実は夫の母の形見で、もう50年以上も使い込んでいる物です。桶の底に「大阪・玉川町・戎神社横・樽新」と焼印があります。母が若い頃、ご近所だった樽屋さんから頂いたものだと聞いています。母も亡くなり、樽屋さんも存在しないようですが、寿司桶はまだまだ現役で頑張ってくれています=写真下、タケノコを投入し、具材が潰れない力で手早く混ぜる。
これでお寿司を作るたびに、季節感あふれる「おふくろの味」を食べさせてくれた母を懐かしく思い出します。そういえばお母さん、亡くなる直前に私が作ったタケノコのお寿司を食べて喜んでくれたなぁ。春になって、元気いっぱいに畑仕事をするご近所のお年寄りと、季節の食材を使った混ぜご飯が大好きだった母がダブって見えます。さて、私も、そのご近所さんたちに、南国の春の味をおすそ分けに行ってこようっと。
高知県の実家から、孟宗のタケノコが大量に届きました=写真上、南国から届いたタケノコ。この倍以上はあったのに‥。その数、大小あわせて25本。が、夫は、「掘りたての鮮度が大事よ」とか言って撮影もしないで、雨の中、両手にぶら下げて走り出てゆきました。お世話になっているご近所に配りに行くためです。
帰ってきたところに、「あんたこれ、ブログには載せないの」と聞くと、口をパクパクさせています。職業写真家なのに、なんておバカ。慌てもんだから、たくさん届いたのを喜んで、子犬のように転がり出て行くんだもの‥。まぁ、数が減って良い写真が撮れないのは自業自得です=写真上、可愛いサイズもあれば、立派な形の物もあります。とても美味しそう。
それでも、我が家用に10本以上も残っています。何にしようかな。まず、若竹煮、タケノコご飯、タケノコ寿司、八宝菜、筑前煮‥。これだけ作っても、夫婦二人、とても食べきれそうにありません。作った料理も、ご近所の老夫婦や独身の青年らに配りにゆくつもりです=写真上、丁寧に皮を剥いてゆきます。
家の横を流れる川も、春の雪解け水で薄濁りになってきました=写真上、皮を剥いたあと、軽く水洗い。本来なら外皮を若干つけたままで茹でるのだろうが、多量で鍋に入りきらないため我が家では丸裸スタイル。バッケ(フキノトウ)も、雪解け後の土手にポコポコと顔をのぞかせています。平均気温の低い青森県では、孟宗のタケノコをほとんど見かけません。収穫できるのは宮城県まで、と聞いています。
それよりも、笹竹であるネマガリダケを食べる風習の方が根強く、6月に入ると一面の笹原に入ったお年寄りが行方不明になる事故が続出します。笹の森は、どこを歩いても同じ光景に見えるためです。そして、クマの大好物でもあるので、鉢合わせする事故も発生します。北国では、人もクマもご当地のタケノコが大好きです=写真上、米糠と乾燥した唐辛子である鷹の爪を1本入れて煮立て、灰汁抜き。
あまりお目にかからない南国のタケノコをご近所に届けると、大喜びしていただく方もいれば、料理したことない、と戸惑われる方もいらっしゃいます。米糠を入れて茹でてください、その後、煮るなり、ご飯に炊き込むなり、してやって下さい、と説明すると、皆さん喜んで頂けたようです=写真上、夫曰く。「掘り上げる時の切断面がきれいだ。兄貴、腕上げたなぁ。うーん、俺も掘りに行きたい!!!」。孟宗のタケノコを大量に送っていただいたお義兄さん、ありがとうございました。皆さん、南の味を堪能してくれていますよ。そして、何よりも夫が大喜びしています。次はこちらから、季節の便りをお送りいたしますね。(律)
ホームページの表紙の写真を更新しました。
一枚は昨年、日本列島を縦断した現象「日食」とブナ林。もう一枚は今年の遺骨収集関係の写真です。
よければご批評ください。
高知の実家から持ち帰った大量のミカン「文旦」類をご近所にお配りしたら、様々な農水産物となって帰ってきました。普段から、戴きっぱなしなので、そのお礼にと思ってお配りしたのに‥。見事なありがたい逆効果となっています=写真上、高知産の文旦とポンカン。
地域の皆さん、私らは貰いすぎなんです。だから、ミカンはお返しなので気を遣わないでください=写真上、近所にお配りするため形の良い文旦を選ぶ筆者①。だって、去年も今年もジャガイモを一度も買っていません。大根もそうです。ニンジンも野菜庫に山盛り。夏になればキュウリやトマト、葉物のコマツナやネギもいっぱい戴きます。
そして魚介類。アワビやサザエ、ソイなどの根魚に海草=写真上、戴いたアワビやサザエ。地元の安い魚屋さんで購入したも3000円は下らない。入れておく冷蔵庫も冷凍庫も一杯です。嬉しい悲鳴です。でも、そんなに気を遣わないでください。田舎の人情の厚さに心底驚くと共に感謝の念で一杯です。
まさに、わらしべ長者になったような気分です=写真下、夫婦二人なのに食べきれない量のお刺身が。沖縄の国吉門中の皆さん、そして、美奈子ちゃん、永井さん、くっさん、とにかく誰か食べに来てぇー。多謝、多謝。
伊勢親方とウサギ鍋を囲みました。東北地方の山間部で暮らす人々の食文化を実感できる味でした。ウサギがこんなに美味しいジビエだと、初めて知りました。また、他の料理にもチャレンジしたいと思います。
「追跡」-白神山地の生活文化に、伊勢親方の記事、第二弾を書き込んでいます=写真上、紅葉が真っ盛りの白神の森で、巨大なイタヤカエデの倒木についたナメコを収穫する親方、深浦町で(既出写真の別カット)。小出しで申し訳ないのですが、一度に書ききれなくて‥。もう少しお付き合いください。
伊勢親方と知り合ったのは、今から18、9年前=写真上、約14~5年前、山の頂上付近にある牧場で周囲を見渡す親方。それ以来、ずっと家族ぐるみのお付き合いが続いています。とても善良で心優しい親方。私たちの友人を含めて大勢のファンがいます。一度、お会いして、一緒に山を歩けば、皆んなが親方を好きになります=写真下、白神山地の奥地にある沢筋で、サワグルミの樹の下で私たちが紹介した友人と笑顔で語り合う親方。初対面の人にもとても紳士的で、その優しさと気っ風の良さから、「フーテンの寅さん」みたいと茶化したら、親方も満更ではなさそうだった。
白神の生き物たちにとっては、ある意味とても怖い存在ですが、必要以上に獲り過ぎないし、殺しもしません。見つけ次第殺す訳ではなく、その行動や生態に関しても、マタギ独特の感性で研究され、把握されてもいます。現に、私たちのロボットカメラを仕掛ける場所を監修してくださるのも親方です。これからも長生きして、白神の森の事をいっぱい教えてください=写真下、雪が降り積んだ冬枯れのブナ林を歩く親方。主要な木々も1本ずつ覚えているようだ。
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