みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
青い森の白い神の里から

東奥日報「JUNI JUNI」の連載:20回目

東奥日報「JUNI JUNI」の連載20回目

東奥日報「JUNI JUNI」の連載20回目

交通事故に遭って負傷したので、身体に負担がかかる遺骨収集活動は、しばらく休業です。若者の無謀な運転と、不遜な態度のおかげで、体調不良になるわ、活動が滞るわで、最悪です。

獲物を狙って飛び込むアカショウビン

獲物を狙って飛び込むアカショウビン

そのために、遺骨収集関係の写真処理や記事の執筆が進みません。事故処理の手続きに忙殺されているためです。ゆえに、仕方なく、東奥日報「JUNI JUNI」の連載20回目をアップします。

約4日間だけ狙って撮ったアカショウビン。それ以降は撮影ポイントに近づいていない

約4日間だけ狙って撮ったアカショウビン。それ以降は撮影ポイントに近づいていない

この記事の主人公たちも、主役のアカショウビンを除き、けしからん連中です。私たち夫婦は、こうした非常識なカメラマンらを「Neture Paparazzi(ネーチャー・パパラッチ)」と呼んでいます。目に余る行為に耐え兼ねて「マナーの順守」を呼びかけると、自分たちの行為はさておき、狂犬のように咬みついてきます。

ブラインドテントから野鳥の観察をする子供たち

ブラインドテントから野鳥の観察をする子供たち

そして、注意された事を根に持ったのか、陰湿な嫌がらせが今も続いています。きっと、野生動物の生態を守る事より、自らの余暇や趣味の方が大切なのでしょう。世界自然遺産の白神山地で暮らしている自覚は、甚だなさそうです。こうした大人の行動が、子どもたちへの示しがつかないことに、気付かないのでしょうか。いい年をした大人なのに‥。恥ずかしい限りです。

交通事故に遭って、「危機一髪」

大きくへしゃげた軽ワゴン車の後部ドア

大きくへしゃげた軽ワゴン車の後部ドア

本日(23日)午後3時ごろ、那覇市内のモノレール「美栄橋」駅下の交差点で、私たちが乗ったレンタカーの軽ワゴン車が、信号無視の普通トラックに、側面から衝突されました。後部座席の右ドアが「く」の字状にへしゃげ、相手のトラックのサイドミラーが、同窓を突き破って飛び込んできました。あと、十数センチ、約1秒衝突が早ければ、それが、運転していた私に直撃。首の骨が折れるか、顔面や頭部に重篤なケガをしたでしょう。相手側のサイドミラーの一部が折れて、私たちの車の後部座席に転がっており、事故の衝撃の強さを物語っていました。まさに、危機一髪で、直撃した事を考えると、背筋が寒くなる思いです。

相手側のトラック

相手側のトラック

事故の状況です。赤信号で渋滞する交差点の先頭にいたトラックが、青信号で交差点に進入した私に気づかず、信号を完全に無視して発車したのが原因。衝突した途端、「あなた信号無視だったよね」と問いかける私に、動揺して「すみません。気づきませんでした」と放心の表情。トラックの左前部に突っ込まれたままなので、「車を離してください」と言っても、「動きません」とオロオロ。写真を撮ろうと思って、車から降りようとしたら、運転席のドアも開きません。仕方なく、そのまま110番。律子が降りて、代わりに現場写真を撮っていると思ったら、ナンバープレートや相手先の会社名を一生懸命に写している始末。うーん、動揺したのか‥。びっくりしたもんなぁ。

折れて大破した相手側のサイドミラー

折れて大破した相手側のサイドミラー

相手側は、青果などを配送する会社の若い運転手さんです。が、時間の経過とともに、「私の方が青でした。あなたが割り込んできたんですよ」と、わが身を守ろうとするあまりの情けない嘘。トラックは、自分側の信号の停止線を大きく超えて停車しており、その位置から頭上の信号を確認するのは至難の業です。それでも、私が信号無視をしたと主張する始末で、恥ずかしくないのでしょうか。自分の胸もさぞかし傷んでいることでしょう。会社の看板を背負っている業務中に起こした事故なので、嘘がばれた時に被る実害の大きさに、雇い主が気の毒になります。たぶん、周辺にはドライブレコーダーを搭載するタクシーもたくさんいたし、監視カメラもありそうです。それを確認したら一目瞭然。状況説明だけでも、十分論破できるとおもいます。

代車がないので、こんな哀れな姿のまま、継続して借りることに‥

代車がないので、こんな哀れな姿のまま、継続して借りることに‥

いずれにせよ、夫婦ともケガがなくて良かったです。もう少し、発車が遅ければ、私は今、ここにいることは出来なかったでしょう。警察の聴取を受けた後も、水掛け論を主張する若者に、「一歩間違えたら、君は死亡事故の容疑者になっていたんだぞ。相手を慮ったり、謝罪したりする言葉はないのか」と一括すると、「それを言うと私が非を認めたことになる」と応えます。この野郎‥。と、思う間もなく、会社の上司が現場に駆けつけ、開口一番、怪我の有無や無事を確認して下さり、謝罪して下さいました。これで、憤激も鎮火。お互い無事であることを確認し合いながら、握手して別れました。

笑顔で活動に臨む学生たち。彼らの存在も、守ってくれたのかもしれない

笑顔で活動に臨む学生たち。彼らの存在も、守ってくれたのかもしれない

今年は、様々な障壁がある年となりました。車の故障やパソコンの故障‥、今回の事故も。でも、大きなトラブルや事故にならなかったのは、戦没者が守って下さっているのかも知れません。感謝の気持ちと共に、明日からの収集活動に力を注ぎたいと思います。

2016遺骨収集活動27日目 国吉さんと学生の再会

学生たちに説明する国吉親方

学生たちに遺品の説明をする国吉親方

最愛の奥さまを亡くされた遺骨収集家の国吉勇さん。先だって、収集活動の現場へ復帰されましたが、やはりブランクは大きく、休まれる日が目立ちます。

熱心に話を聞く学生

熱心に話を聞く学生

でも、学生が来ると、持ち前の優しさと律義さを出されて、自らが運営する「戦争資料館」の見学を引き受けてくださいました。

遺品の飯盒を見る

遺品の飯盒を見る

沖縄戦を物語る10万点以上の遺留品が所狭しと並ぶ事務所は、あの悲惨な戦争を語り尽くしてくれるような迫力。約70年が過ぎた今も、見る者に戦争の狂気と悲劇を強く感じさせてくれます。

遺留品が所狭しと並ぶ事務所で

遺留品が所狭しと並ぶ事務所で

今回は、IVUSA(国際ボランティア学生協会)の先遣隊のリーダーたちを迎えてくださいました。この資料館を初めて見る学生ばかりなので、皆、一様に驚き、感じ入った様子。

熱心に国吉親方の話を聞く

熱心に国吉親方の話を聞く

明日から始まる活動への想いを新たにしたようでした。17日は約200人の学生が、糸満市国吉集落内で、戦争の語り部である平良宋潤先生から、沖縄戦の体験談を聞き、収集活動に臨みます。

どんな時も笑顔を絶やさない、可愛い学生たち

どんな時も笑顔を絶やさない、可愛い学生たち

学生たちは張り切っていますが、危険が伴う現場なので、十二分に注意して、頑張ってください。君たちの若き力と熱い情熱に期待していますよ。

東奥日報「JUNI JUNI」の連載:18回目

東奥日報「JUNI JUNI」の連載18回目

東奥日報「JUNI JUNI」の連載18回目

連載の18回目は、今の季節に楽しめる「マタギ」のジビエ料理です。冬季、深い雪に閉ざされる白神山地。その山里で暮らす人々にとっては、山で獲れる野生動物や野鳥の肉が貴重なタンパク源でした。

ふり積んだ雪の森を駆け抜けるウサギ

ふり積んだ雪の森を駆け抜けるウサギ

特に、冬眠をしないウサギは、冬場に安定した収穫量を得られる重要な存在だ、と深浦の「マタギ」伊勢勇一親方も話されます。集団で巻き狩りをすると、参加者のそれぞれの家庭で、「子供たちがお腹いっぱいに食べられるほど獲れた」と懐かしみます。

獲れたウサギの皮をむく親方

獲れたウサギの皮をむく親方

でも近年、巻き狩りが出来るマタギの数も減り、ウサギも思うように手に入らなくなったそうです。同時に、開発などによる個体数の減少や、年間に得られる頭数の制限などで、「ウサギ猟も楽しめなくなったなぁ」と寂しげに語られます。

ウサギ猟をする伊勢親方。雪盲除けのサングラスに白神の森が映る

ウサギ猟をする伊勢親方。雪盲除けのサングラスに白神の森が映る

頭数や猟のできる期間の制限は、ウサギだけでなく、クマやヤマドリなどの野鳥のすべてに適用されています。ゆえに、マタギを本職として生計を立てるのは、まず、不可能なのです。伊勢親方も、ただ、食べるためにだけ獲る、というスタイルで続けて来られました。

雪の山を歩く伊勢親方

銃を背にして、雪の山を歩く伊勢親方

最近は、野生動物による農作物などへの獣害が、中山間地で問題になっています。里山を有効に利用しながら暮らしてきた人間の活動の低下により、獣たちの逆襲が始まっているのです。

巻き狩りで獲ったクマを運搬する深浦のマタギたち

巻き狩りで獲ったクマを運搬する深浦のマタギたち

こんな時代にこそ、マタギの存在が重要になってくるのですが、私たちが暮らす深浦町でも、猟の従事者は高齢化が進み、減少する一方です。人間が生きるために続けてきた狩猟・採集の文化を今こそ、見つめ直す時が来ているように感じます。

ライフル銃でクマを狙う伊勢親方

ライフル銃でクマを狙う伊勢親方

ぐつぐつと湯気を立てるウサギ鍋を食べながら、そんな言い訳を思いつきました。ありがとう伊勢親方。とても美味しかったです。また、獲って来てくださいね。そして、料理もお願いします。だって、可哀想だし、ちょっと怖いんだもの‥(律子)

東奥日報「JUNI JUNI」の連載:17回目

東奥日報「JUNI JUNI」の連載17回目

東奥日報「JUNI JUNI」の連載17回目

東奥日報の連載17回目です。新年の1回目は、色鮮やかな冬毛で登場したホンドテンです。真っ白な雪に覆われた森の中に佇む姿は、宝石のように美しさ。見かけは可愛いのですが、性質はいたって、どう猛です。

雪の中を駆け回るホンドテン

雪の中を駆け回るホンドテン

最近、忙しくてブログをまったく更新できません。今回も、これだけでお許しください。

東奥日報「JUNI JUNI」の連載:16回目

連載16回目は、「ゴメ」です

連載16回目は、「ゴメ」です

皆さま、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。2016年最初の書き込みは、東奥日報の連載16回目です。今回は、ハタハタの卵「ブリコ」を食べるカモメ類(地元の通称でゴメ)のお話。

防波堤を占拠するカモメやウミネコたち

防波堤を占拠するカモメ類

乱獲などのために、数を減らしているハタハタの卵は貴重な命の資源です。でも、ブリコと呼ばれる珍味として珍重され、高級食材になっています。その上前を撥ねるのがカモメたちです。

波で打ち寄せられるブリコをくわえる

波で打ち寄せられるブリコをくわえる

でも、カモメこそが、本来の捕食者であり、人間こそが新参な乱獲者でしょう。ただ今回は不漁だったらしく、ご近所からのお裾分けがまったくありませんでした(笑)。資源の保護のためには、それも致し方ないと割り切っています(実は夫婦揃ってあまり好きではないです)。

手に入ると瞬時に飛び去って独り占めに‥

手に入ると瞬時に飛び去って独り占めに‥

ただ、この地方の伝統的な漁業や食文化に密接な繋がりがあるので、地元の方々が自家消費できるぐらいの漁は続いてほしいと思います。昨年末の不漁はカモメたちにも堪えたでしょう。そのうえ悪者にしてゴメンね。

東奥日報「JUNI JUNI」の連載:15回目

連載15回目はニホンノウサギ

連載15回目はニホンノウサギ

東奥日報「JUNI JUNI」の連載の15回目は、ニホンノウサギです。雪が降ると、特徴的な足跡が残るので、冬場、裏庭のクローバーなどを食べに来ているのが判ります。近所には、半野生の飼い猫やテンが出没するので、ハラハラして見守っていますが、今のところ、やられた痕跡はなさそうです。

林道に姿を見せたニホンノウサギ

林道に姿を見せたニホンノウサギ

特徴的な足跡を雪の上に残して走り去る

特徴的な足跡を雪の上に残して走り去る

カメラに写る風貌はとても愛らしく、夫婦の心は鷲掴みにされてしまいました。保護色のために、夏と冬に毛の色が変わるのもフォトジェニックで、自宅で飼ってみたい、と思うことも。が、夫・哲二は、「鉄板でバター焼きにすると、ワインに合うんだよね。ジュル‥」と舌なめずり。ホントに可愛いと思っているの?

伊勢親方に皮をむかれるウサギ

伊勢親方に皮をむかれるウサギ。貴重な命ですが、親方の料理で美味しく戴きました

東奥日報「JUNI JUNI」の連載:14回目

東奥日報「Juni Juni」の連載14回目のハクビシン

東奥日報「Juni Juni」の連載14回目のハクビシン

東奥日報「JUNI JUNI」連載14回目はハクビシンです。元々は南方系の生き物とされていましたが、本州北端の青森県にも勢力を広げているようです。ロボットカメラにも、様々な個体が写っており、あちこちの場所で確認されているので、ほぼ間違いなく繁殖しているのでしょう。真冬は見かけませんが、木の洞か土の穴の中で過ごしているのかも知れません。冬眠の有無が判れば大発見なのですが、解明にはまだまだ時間がかかりそうです。

東奥日報「Juni Juni」の連載:13回目

東奥日報「Juni Juni」の連載13回目
東奥日報「Juni Juni」の連載13回目

JUNIJUNIの連載です。秋も深まってきましたので、キノコを書きました。この季節は本来、毎週のように出かけて、キノコを収穫してくるのですが、今年は忙しくて、まだ、3回しか行けてません。で、収穫も今一つ。冷凍庫に残してあるストックも厳しくなってきました。

IVUSAの学生と伊勢親方
IVUSAの学生と伊勢親方
肉厚なナメコを見つけたIVUSA関西の女子学生
肉厚なナメコを見つけたIVUSA関西の女子学生

お山参詣の時に訪ねて来てくれたIVUSA(国際ボランティア学生協会)の大学生と一緒に出掛けた時は、深浦町のマタギ・伊勢勇一親方、ご用達の木で、見事にマイタケをゲットしたのですが、その後がダメです。

倒木についたナメコを収穫する
倒木についたナメコを収穫する
真剣な面持ちでキノコを収穫
真剣な面持ちでキノコを収穫

でも、10月の半ばごろ、沖縄県で実施している戦没者の遺骨収集活動で共に汗を流す、関西のIVUSAに所属する女子学生が二人訪ねて来てくれました。せっかくなので、紅葉真っ盛りの森へ向かい、一緒にナメコ採りへ。

まだ、青葉が残るものの、色づいてきた森の中で昼食
まだ、青葉が残るものの、色づいてきた森の中で昼食
二人で仲良く収穫
二人で仲良く収穫

その旨を、体調を壊して療養中だった伊勢親方に話すと、「よし、おらも行くか」とお供してくださいました。去年から、本格的な山歩きは出来なかった親方ですが、ほぼ、1年ぶりに現場復帰です。

クマが登った爪痕が残るブナの木を見学
クマが登った爪痕が残るブナの木を見学
こんなに採れました!。可愛い笑顔で手渡す
こんなに採れました!。可愛い笑顔で手渡す

さすがに、本調子からは、ほど遠い歩みです。が、自らの縄張りをまったく見回っていなかったのが、気になったらしく、ゆっくりとではありますが、一歩一歩を確認するように登って来られました。

色づき始めたブナの森を見上げるIVUSAの二人
色づき始めたブナの森を見上げるIVUSAの二人
スーパーのビニール袋一杯採れた
スーパーのビニール袋一杯採れた

IVUSAの二人の学生は、同志社大学4年の新井裕香さんと同志社女子大学4年の合原波穂さん。遺骨収集活動においては、中心的な働きをしてくれる、頼もしい存在です。

紅葉の森で記念撮影
紅葉の森で記念撮影
大きなナメコが採れました!、親方の目の前で
大きなナメコが採れました!、親方の目の前で

本来は、深浦町の伝統的な神事や祭りのお手伝いに来てもらおうと考えていました。が、二人とも関西の大学なので、正式派遣されて来るには、少し遠すぎました。

ナメコが出ている倒木の前でポーズ
ナメコが出ている倒木の前でポーズ
大間越集落の柴田さんから金魚ねぷたをもらう
大間越集落の柴田さんから金魚ねぷたをもらう

ゆえに、プライベートで来てもらい、白神山地に抱かれる深浦町を体験してもらい、いずれ社会に出ても、リピーターとして応援してもらおうと、招待しました。アルバイトで貯めた費用で、遠路遥々来てくれるIVUSAのメンバーは、全員、とても素敵な子たちです。

木陰で休み親方の前で森を見上げる
木陰で休む親方の前で森を見上げる
青池で記念撮影
青池で記念撮影

伊勢親方とも親しくなり、再訪を誓ってくれました。来年は社会へ巣立つ娘たち。独身時代でも、結婚した後でもいいので、家族を連れて遊びに来てね。深浦の人たちは、特に大間越の人たちは、君たちを大歓迎するからね。

収穫したナメコを掲げる
収穫したナメコを掲げる
美味しくないヤナギナメコだけど
美味しくないヤナギナメコだけど

東奥日報「Juni Juni」の連載:12回目

東奥日報「Juni Juni」の連載12回目
東奥日報「Juni Juni」の連載12回目

東奥日報「Juni Juni」連載の12回目は、私たちが暮らす集落へ来てくれたIVUSAの学生たちのお話を書きました。6月の春日祭だけでなく、継続的に地域の伝統行事をお手伝いしてくれているのです。

太鼓を叩く保存会の会長を先頭に川へ向かう
太鼓を叩く保存会の会長を先頭に川へ禊に向かう

そして、悪天にも拘らず、海岸清掃も実施してくれて、頼もしい限りです。今回は、十数人の小規模のチームでしたが、来年は100人を超える陣容で、深浦町の手助けに来てくれる、と約束してくれました。

高山植物を背負わせてもらう
高山植物を背負わせてもらう女子学生

ここで、なぜ、彼らが深浦町へ来てくれることになったのかを簡単に記します。IVUSA(国際ボランティア学生協会)は、首都圏や関西、九州などの大学生、約2700人で組織されるNPO団体です。設立は1992年。国内だけでなく海外での災害救援や環境保全活動にも取り組んでいます。

神社に祈願した後、山へ向かう学生たち
神社に祈願した後、山へ向かう学生たち

そんな彼らと最初に出会ったのは、今から4年前、沖縄県中部の丘陵地帯でした。私たちがライフワークとして、毎年、通っている戦没者の遺骨収集活動に参加してくれたのです。

掘り出した遺骨を愛おしげに抱える女子学生
掘り出した遺骨を愛おしげに抱える女子学生
山頂の祠に祈願
山頂の祠に祈願

ただ当時、一緒に活動する沖縄在住の某親方が、IVUSAが来沖することをすっかり忘れており(笑)、突然、現場で80人を超える学生たちの指導を命じられたため、戸惑いました。

喜屋武のジャングルで遺骨収集に臨むIVUSAとJYMAの学生たち
喜屋武のジャングルで遺骨収集に臨むIVUSAの学生たち

でも、高校を卒業して間もない、あどけなさが残る学生たちが、泥まみれになりながらも穴を掘って土を掻き分け、懸命に遺骨を探す姿に、驚くのと共に、感動を覚えました。

バケツで土砂を運ぶ
ジャングルの下を掘り進める
元気よく山かけ踊りに取り組む
元気よく山かけ踊りに取り組む

そして、過酷な仕事にも笑顔を絶やさず働く姿や、粉々に砕かれた小さな骨片を拾い集めて涙ぐむ学生たちに、すっかり心を奪われたのです。とてもひたむきで、かわいらしくて‥。それからは、IVUSAが来るたびに、夫婦で指導を申し出て、活動しています。

遺骨を前に泣き出す女子学生
遺骨を前に泣き出す女子学生
祭列に合わせて踊るおばあちゃんも
祭列に合わせて踊るおばあちゃんも

そして、沖縄の遺骨収集活動には、JYMA(日本青年遺骨収集団)という、学生や社会人らで組織する団体が、毎年、参加してくれます。彼らは、IVUSAと違って、10~20人の少人数で活動しますが、まさに精鋭の集まりです。

掘り出した旧日本軍の認識票を見せる女子学生
掘り出した旧日本軍の認識票を見せる女子学生
見事に息があった踊り
見事に息があった踊り

海外での活動経験も豊富で、黙っていても、完璧に仕事をこなしてくれるエキスパートたち。とても頼もしい存在で、IVUSAと同様に、大好きな若者たちです。両団体共に、今年は遺骨の収集だけでなく、遺留品の返還活動も頑張ってくれました。

今年も来てくれたJYMAの若者たち

今年も来てくれたJYMAの若者たち

みんなで履いていた草鞋を脱ぐ

みんなで履いていた草鞋を脱ぐ

こうした活動を通した沖縄での若者たちとの出会いは、私たちにとって、とても新鮮でした。そして、過疎と限界集落化で苦しむ深浦町にも、お手伝いに来てくれないかと、声掛けしてみたのです。

学生から、遺留品の印鑑などを受け取った灰原信之さん(中央)

学生から、遺留品の印鑑などを受け取る戦没者の遺族(中央)

高い梢に草鞋を引っ掛けて喜ぶ学生

高い梢に草鞋を引っ掛けて喜ぶ学生

すると、学生たちは興味津々。「ぜひ、お手伝いしたい」と、私たちの暮らす集落へ来てくれることになりました。IVUSAが国内外で実施している「地域おこし」や「環境保全」などの活動と、深浦町が抱えている種々の問題が一致したことも、派遣の大きな理由になりました。

先祖のお墓にも礼節を忘れずに

戦没者のお墓に祈りを捧げる学生たち

高校生と清掃活動

高校生と清掃活動

よく、大人たちの会話で、「最近の若い者は‥」との愚痴を聞きます。が、私たちは逆に、「最近の若者は素晴らしい」と応えてしまいます。それは、IVUSAやJYMAの若者たちと知り合ったからです。

戦没者の遺留品を遺族へ返還する若者たち

戦没者の遺留品を遺族へ返還する若者たち

防潮堤の上から海岸の調査

防潮堤の上から海岸の調査

終戦から70年。今、日本は様々な立場において、岐路に立たされています。外交の問題、内政の問題、少子化や地方の衰退‥。特に、国家のあり方と安保法制の行方は予断を許さない状況です。

清掃中にずっこけそうになる高校生の葵ちゃん

清掃中にずっこけそうになる高校生の葵ちゃん。「白神の生き物を観察する会」の熱心なメンバー

本来あるべき国の姿と子どもたちの将来が心配されるような政治状況が、今後も続きそうです。だからこそ、若者たちの働きに期待しましょう。これからの日本を支えて行くのは、彼らなのです。

登る前に記念撮影
白神岳へ登る前に記念撮影

私たちに出来るのは、まず、事実を見てもらい、選ぶための多様な選択肢を示し、正しい道とは何か考えもらうために、働き続ける事しかできません。日本が、いや世界の人々が平和に暮らせる未来を目指して、頑張ってくださいね。ロートル夫婦ですが、精一杯の応援とお手伝いをしますから。