昨日に続き、高知県の春の味覚を紹介いたします。南国・土佐はミカンなどの柑橘類が豊富です。 なかでも、「土佐文旦」は味も香りも秀逸なミカンです。ザボンの一種と言われていますが、地元のいごっそうたちは、「土佐のが一番美味い」と主張されます=写真下、我が家の台所に並べた土佐文旦。この生産者は知る人ぞ知るミカン栽培の名人で、販売所に出荷されると地域の人が奪い合うように買ってゆく。そのため、毎年、予約して購入している。
果皮は黄色に熟し、外観はグレープフルーツに似ています。大きさは300グラム~900グラム。露地栽培では、5月頃に開花。果実は夏の日差しを浴びて成長し、年を越して完熟します。ただ、霜の害などを受ける可能性があるため、農家は年末から年明けにかけて収穫し、少し貯蔵して追熟させてから出荷しています。
皮や薄皮には苦みがありますので、中の果肉だけを食べます。果実はしっかりしており、薄皮も簡単に外せるので食べやすい果物です。そして、この色の柑橘類は蜂蜜と同じ成分の果糖を含んでいます。ゆえに、上品な甘さと酸味のバランスが素晴らしく、九州南部にあるザボンとは「全くの別物だ」と、いごっそう達が言い張る意味も解ります。毎年、深浦町へ持ち帰り、近所のお年寄りたちにも配るのですが、一度食べると忘れられない美味しさだ、と大好評です=写真上、果皮が傷んでいたり形が不揃いなため、信じられないような安価で譲ってくれる。でも、中身は高級品と同じなので超美味。
そして、小夏とポンカンも買ってきました=写真上、左側の黄色いのが小夏。右側はポンカン。小夏は高知の初夏に出回る果物で、他県では日向夏やニューサマーオレンジという名で出荷されています。ユズが突然変異したものと見られており、 普通は初夏に成熟する果実です。 表皮は黄色。果肉の甘さは控えめで酸味が強く、食べると独特の風味が残ります。そして、表皮の内側にある白い内果皮も食べられるので、 皮の黄色い外果皮だけを薄く剥いて、輪切りにして食べるほうが美味です。ポンカンも甘いんですが、九州の友人から戴く屋久島ポンカンが、目をむくほど甘くて美味しいので、高知産はあまり買って帰りません。でも、近所のお年寄りには、たいそう喜ばれるので、少しだけですが配るつもりです。
まだ根雪が解けきっていない北国に、南国の春の香りが満ち溢れています。
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