みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
アクセサリーの販売を開始しました(上)

アクセサリーの販売を開始しました(上)

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リボーンアクセサリーとして生まれ変わるガラスたち

下記のURLがアクセサリーの販売ページです。

https://minne.com/@shirakami123

青森県深浦町の小中高校生の女の子たちと一緒に始めた取り組み、「リボーン・アクセサリー」の販売を開始しました。まず、インターネット媒体の「minne(ミンネ)」でスタート。今後は、地元の土産物屋さんやターミナルの売店などでも売りだそうと考えています。

ヘアピン

リボンを模ったアクセサリー

この活動は、少子高齢化に悩む青森県深浦町での地域おこし活動の一環として、数年前から準備を重ねてきました。そして昨年、「深浦町地域の魅力向上支援事業費補助金交付」を受けることになり、高校生を中心とした地域の女の子たちと「青い森の白い神の花工房」というアクセサリーショップを設立しました。

プレゼンテーションした5人の女子高生の自画像イラスト=ちーちゃん作成

まず、高校生たちが、町へプレゼンテーションした、夢と希望を織り込んだ想いを知ってやって下さい。その内容をここへ公開いたします。

スプリングエフェメラルとして名高いキクザキイチゲ。白神山地を代表する春の草花

あおちゃん(リーダー)

✿リボーン・アクセサリーの開発のきっかけについて(あおちゃん)

私たちがリボーン・アクセサリーの開発に取り組むきっかけは、ふるさとの環境と深い関係があります。世界自然遺産・白神山地をのぞみ、西には美しい海岸線が連なる深浦町。ここで育った私たちは、幼いころから自然と親しんで暮らして来ました。ただ、過疎が進んだ深浦には、近くにテーマパークもショッピングモールもありません。それゆえ、友達と遊ぶときは、海辺で夕日を見たり、きれいな貝殻を拾ったりしていました。

深浦町の日本海へ沈む夕日

特に女子に人気があったのが、浜に流れ着くガラスでした。波に洗われ、角が取れ、丸くなったガラスの破片は、「シーグラス」と呼ばれています。私たちはこれを、「ガラス石」と名付け、競って拾い合います。そして、「いったいどこから来たのかな」と海の向こうの外国に想いをはせたり、「いつの時代のどんな人が使っていたのかな」と想像をふくらませたりする、大切な宝物でした。時には、拾ったガラスをビンに詰めたキーホルダーや、額に張ってフォトフレームを作ったりしていました。

海岸でシーグラスを拾うメンバーたち

高校生になって、学校での地域おこしへの取り組みや町の行事のお手伝いをする機会が増えて、深浦町の未来を考えるようになった私たち。自らも地域のために何かできないか知恵を絞り合い、大好きな「シーグラス」を使った特産品の開発に取り組むことにしました。

ガラスの破片を仕分けるメンバーたち

材料の調達から始めて、加工方法の考案、どんな物を作ったら良いのか、デザインはどうするかなど、すべてを皆で話し合って決めます。約一年前から案をねり、試作品を作っては却下されるなど、試行錯誤を続けて来ました。その中で、「シーグラス」だけではなく、家庭から出るワインなどやガラス加工の事業所の廃ガラスなど、ゴミとして捨てられるガラスも利用することになりました。

楽しみながら海岸清掃に励むメンバーたち

製品の総称である「リボーン・アクセサリー」とは、廃棄物をリサイクルして作ったアクセサリーであることから、「生まれ変わらせる」という願いをこめて、私たちが名づけました。英語のR(アール)e(イー)b(ビー)o(オー)r(アール)n(エヌ)、リボーンというスペルを当てはめたのです。

拾ったシーグラス(左)がアクセサリーの原石に

浜辺のシーグラスも、海岸清掃では見過ごされてきたゴミ。これを拾い集め、世界遺産のふもとの町として恥じない、美しい自然環境を取り戻すのと同時に、深浦町の特産品づくりができたらと願っています。そして、地域の女の子たちの輝ける働き場所が創造できるよう、この事業企画へ期待を込めました。

新緑の白神山地

この後、仲間たちが、「事業目的」「販売方法」「白神の生き物を観察する会」などの説明を致します。それぞれ担当を分けているのは、皆で力を合わせてこの活動に臨んでいるからです。実技は、チーム内で最も手先が器用なサキが担当しています。

作成するメンバーたち

宇京さん

❀事業の目的(宇京さん)

リボーン・アクセサリーを製造、販売することは、まず、廃棄物を再利用して生まれ変わらせる、つまり、リボーン=(イコール)生まれ変わらせて、新たな命を吹きこむ活動です。

ガラスを選別するメンバー

日本ジオパークに登録された深浦町の海岸

日本ジオパークにも登録された深浦の美しい海岸線。そこに流れ着いたシーグラスは、一見、きれいで可愛らしいのですが、元を正せばガラスのゴミです。なかでも尖ったものは、海水浴客や漁業関係者らの安全を脅かすことも心配されます。さらに、鳥などの野生動物や海洋生物が餌と間違えて体内に取り込むと、貴重な生態系に重要な影響を与えてしまうのです。

波打ち際に寄せられるハタハタの卵を食べるカモメの仲間

町では、定期的に海岸の清掃を実施されていますが、シーグラスのような小さなガラス片まで除去することは難しく、ほとんどの浜で、砂や砂利に紛れたまま放置されています。

打ち寄せられたゴミで足の踏み場もない海岸。後方には難破船が捨てられていた

私たちは、そこに目を付けました。大人が除去しきれない「小さなゴミ」を自然海岸から取り除くことが、環境にも観光にも優しい取り組みになるからです。そしてアクセサリーに加工し、販売することで、厄介者のガラス・ゴミを貴重な資源に生まれ変わらせることに繋がります。

琉球ガラスを再利用したイヤリング

アクセサリーを作る活動に臨む大学生と高校生

そして、この事業のもう一つの目的です。

作業風景をNHKさんに取材される

深浦町の総人口は9000人足らずで、今から60年前に比べると約6割も減少しています。住民は高齢化し、若者の都会への流出も止まらず、限界集落化が深刻な勢いで進んでいます。

高齢者が目立つ深浦町

それはひとえに、若者たちの心を揺さぶるような働き場所がないことです。特に高校を卒業した女子たちは、役場や第三セクターの宿泊施設などへ若干名、就職できるだけで、ほとんどが首都圏や周辺の都道府県の都市部へ流れ出てしまいます。不定期に、一部の縫製工場や大規模農家なども受け入れて下さいますが、その数はごく僅かです。

データー処理するメンバーたち

そんな現状をなんとか打開できないものかと、地元の女子高生と都会のボランティア大学生らが知恵を出し合って考案したのが、このリボーン・アクセサリー計画。閉塞感が漂う過疎の村の女の子たちが、自らの力で起業し、世界自然遺産の町・深浦の魅力を詰め込んだ環境に優しい商品を発信するのです。

ワインの瓶から作ったピアス

都会の大学生たちと交流する深浦の高校生たち

これは、同じような思いを抱きながら、他の地方で暮らしている女子たちへ、「自分たちも、やればできるんだ」という、勇気と希望を抱いてもらえる企画になるのでは、と期待を込めています。

白神山地の渓流で育つシノリガモのヒナ。人間の子どもたちも元気に巣立ってほしい

アクセサリー作りを取材された深浦町の小学生たち。彼らが次代を紡ぐ

可能ならば、深浦町の特産品として、「ふるさと納税」の返礼品や地元の特産品売り場などで、私たちの考え方やメッセージを添えて、販売することを目指しています。そして、インターネットを通して日本全国へ販売することも視野に入れています。その販売ページへ、リボーン・アクセサリーの理念を掲げるのと共に、環境に優しい町「深浦」のPRも重ねて紹介いたします。(つづく)

白神山地の森で環境保全の活動をする深浦町の子供たち

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