みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
憧れのワイルドストロベリー

憧れのワイルドストロベリー

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バラの咲く庭でティータイム。至福の時間

バラの咲く庭でティータイム。至福の時間

私の数少ない趣味の一つに、「お茶」があります。中でも、紅茶と茶器をこの上なく愛しております。場合によっては、夫以上かも(笑)。季節やその日の気分に合わせてカップを選び、ポットで入れた紅茶をいただくと、至福の時が訪れます。春から初夏によく使うのが、野イチゴの花と実がデザインされている「ワイルドストロベリー」というシリーズです。イギリスのウェッジウッドというメーカーが出しています。

野趣あふれる実り具合。こんなにできるとは‥

真っ赤に熟した実と可憐な白い花を咲かす

この絵柄を見て、「ワイルドストロベリーの花って可愛いなあ」と憧れていたら、一昨年、ホームセンターの片隅に小さなポット苗がポツンと売られているのを見つけました。大喜びで二株購入し、早速、植え付けたところ、カップに描かれているような可憐な花が咲き、葉も繁ってきました。

鈴なりになったワイルドストロベリー

鈴なりになったワイルドストロベリー

「わー、英国の庭みたい。カッコイイ」と、喜ぶ私を尻目に、夫はあまり興味がない様子。自分が好きな実のなる果樹や、偏愛する豆の世話ばかりしています。挙げ句の果てには、ちょっとずつ、エリアを広げるために伸ばし始めたのランナーの先を、うっかりなのかこっそりなのか、容赦なく踏みつけています。

庭の片隅の斜面に数百個は実った

庭の片隅の斜面に数百個は実った

「ちょっと、それ雑草じゃないのよ。踏まないで。それに、抜かないでよ」と、警告すると、一応は気にしながら、水を与えてくれているようでした。ちなみに夫にワイルドストロベリーと教えたのに、何を勘違いしたのか、いまだに「ワイルドチューリップ」と間違えた呼称を繰り返す始末。真面目にガーデニングをやる気があるのかなぁ‥。

ワイルドストロベリーとは違うイチゴ。家の裏で実をつけていた

ワイルドストロベリーとは違うイチゴ。家の裏で実をつけていた

が、いい加減な夫のお世話が聞いたのか、名前の通りワイルドだったのか。当初の可憐な姿からは想像もつかないようなたくましさで、急激に増殖し始めました。今は庭の芝生やシバザクラ、果ては花壇の中にまで侵入してくる始末で、ふと目をやると地を這うように特徴的な葉とランナーが手を伸ばしています。

色鮮やかな真っ赤な実。摘むたびに香りが沸き立ってくる

色鮮やかな真っ赤な実。摘むたびに香りが沸き立ってくる

我が家の庭を気に入ったのは嬉しいけど、こんな「雑草」のような繁殖力は誤算、と腕組みしていると、夫が、「お、この実、食えるんじゃない。すごくいっぱい実っているぞ」と、真っ赤に熟した実を嬉しそうに摘んで、持ってきます。たぶん、食べられると思うけど‥。

夢に見た収穫のとき。あー、幸せよ

思わぬ量が採れた。夫は手伝わないけど

うーむ、あの食い意地が張ったヒヨドリやカラスも食べに来てないしなぁ。でも、恐る恐る口に含んでみると、外国産のジャムの瓶に鼻を突っ込んだような、強烈な芳香が広がりました。すごいよ、これ、と顔を見合わせました。ただ、味は酸っぱくて、たくさんは戴けません。子供の頃の夫のような、オヤツに飢えた悪ガキだったら、口一杯に頬張るでしょうが、私には無理です。でも、加工すれば、この香りと味を生かすことが出来るかも。

素敵な香りにうっとり。至福の時‥

素敵な香りにうっとり‥。え、何でこんなにアップで撮るのよ!

鈴なりの実を夫に採らせようと思い、「ほら、収穫するのは大好きでしょう。あなたが集めていいのよ」と指示すると、なぜか「オレ、忙しいんだ」と言って、家に逃げ帰ろうとします。小さい上、あまりに数が多いのが嫌なようです。「じゃ、写真をお願いね」と命じると、「小さくて難しんだよな、風にも揺れるし」とボヤきながら、渋々カメラを向けています。

砂糖を投入

砂糖を投入

野生のイチゴ特有のクセがあるので、素晴らしい芳香と甘酸っぱい味を生かして、今回は私用のジャムにすると決めました。本日、収穫した実は約120グラム。まず塩水に浸し、砂やゴミ、アリなどの昆虫を洗い落とします。きれいになったら、鍋に入れ、果実の半量程度の砂糖をまぶし掛け、しばらく置きます。30分ぐらいで砂糖が溶け、イチゴからたっぷりと果汁が出て、実がひたひたになります。

よくかき混ぜる

よくかき混ぜる

時間を置くと、果実から果汁が出てヒタヒタニ

時間を置くと、果実から果汁が出てヒタヒタに

これを火にかけて、弱火で煮詰めます。木べらなどで、絶えずかき回しながら、出てくる細かい泡を取り除きます。これは灰汁なので捨てるのが王道ですが、もったいないのでお匙ですくって舐めます。だってこの灰汁、とても美味しいんだもの。完成品では味わえない、夫に秘密にしている台所の味です。ジャムがふつふつと沸き立って、十分に煮詰まったら完成。冷めると固くなるので、とろみ具合はお好みで調整してください。

煮込みながら、よくかき混ぜる

煮込みながら、よくかき混ぜる

いよいよ、お庭でお茶の時間です。茶器はもちろん「ワイルドストロベリー」。主役のジャムは、大阪で有名な堂島ロールの上にトッピングしてみました。バラが咲き誇る芝生の上で戴きます。濃厚なイチゴの匂いと酸味が、ロールケーキのスポンジにしみ込んで、生クリームの美味しさを引き立てます。紅茶はスリランカ(旧セイロン島)のヌワラエリヤ。わー、夢にまで見た瞬間。お茶もお菓子も美味しい!。梅雨の湿っぽい風まで、快く感じるわね。

大阪で有名なケーキ「堂島ロール」に添えてみた

大阪で有名なケーキ「堂島ロール」に添えてみた

と、夫に振っても、「俺、やっぱ甘いもんはダメだわ。早く日が暮れて、一杯飲りたいなぁ」とポツリ。こんな不調法なバカには付き合いきれません。もうひとりで、最高のひと時を楽しみます。でも、これを分かち合うお茶友が欲しいな。あ、いい所に近所のおばあちゃんが通りかかりました。さ、一緒に楽しみましょう。ほら、どうぞどうぞ、と誘うと、「え、お茶っこ?。これから、畑さ行くだよ。また今度な」とあしらわれちゃいました。ごめんなさい。忙しいのに、お気楽なお誘いをしてしまって。

夫と二人分用意した。ホントに食べるの?

夫と二人分用意した。ホントに食べるの?

ま、相手に不足は多々あるけど、夫で我慢するか。ほら、お茶をもう一杯いかが、ケーキは食べないの?。と、顔を見ると、空を飛ぶヘリコプターを見たり、ジャムの香りにつられて飛んできたクマンバチを目で追ったりしています。はいはい、甘いのは苦手だし、ゆっくり楽しむよりも、蜂のように急かせかしてしまう性分だもんね。

待ちに待った瞬間です。バラに咲いたお庭で‥

待ちに待った瞬間。バラの咲いたお庭で‥

美味しい!!!。まず、香りが素晴らしい。そして味は、ちょっぴり酸味が効いて、甘すぎず、ケーキにぴったり。もう最高‥

美味しい!!!。まず、香りが素晴らしい。そして味は、酸味が効いて甘いケーキにぴったり。もう最高‥

それに、何よりもお酒が好きだから、お茶の時間はつまらないかな。ハァ‥。よし、来年に収穫できるイチゴは、全部、果実酒にしようね。でも、自分で摘んで自分で漬けるのよ、いいわね。酒、と聞いて急に目が輝く夫。にっこり笑う目尻が、なんかいやらしい。それに、今までのヤル気の無さは何だったの?。ホントけしからん奴です!。

もう、パクパクといっちゃいます。大口を開けて、恥も外聞もなく。もう、こんな写真を選んで‥(  ̄っ ̄)ムゥ

パクパクといっちゃいます。大口を開けて、恥も外聞もなく。もー、こんな写真選んで‥(  ̄っ ̄)ムゥ

 

やる気がないせいか、全然、関係のない写真も撮っているし。けしからん

やる気がないせいか、全然、関係のない写真も撮っているし‥。けしからん

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コメント

  • みかん大好き より:

    バラがシーズンを迎えてよりいっそうすてきなお庭になりましたね。

    おいしそうなジャムとケーキ

    確かに浜田さんが優雅にバラの下でお茶していることろって想像ができませんがw お二人が庭先でお茶している姿をこっそり拝見したいと思いました

    律子さんがおいしそうに食べている表情!すてき

    ああ、おなかがすいてきました

    • hamatetsu より:

      みかん大好きさま

      ワイルドストロベリーのジャム、香りが素晴らしく、驚きました。
      酸味もあり、後味がちょっとほろ苦くて、大人の味。

      毎年、作りたいと思っているのですが、
      近所の小学生の女の子たちが、我が家に来るたびに、
      「ベリー、ベリー」と言いながら赤い実をさがし、
      嬉しそうにつまみ食いするんです。
      なので、彼女たちに残しておかないとダメかな~と‥。

      夫は、一緒にお茶していても
      「なんだ、このティーカップは!。取っ手に指が入らないぞ」と、
      自分の指が太いのを棚に上げて騒ぐような人。
      無粋極まりなし!です。
      でも、ほかに相手もいないし、しばらくこの相方で我慢します。

      コメント、ありがとうございました。

  • gko より:

    律子さん、サイコー!!
    笑える話じゃないはずなのに、なぜか大笑いでした。いや、ほんと、律子さん目線のお2人の掛け合い、最高です。これからも、この路線でお願いします(笑)?

    野いちご系の外来種は、ものすごく繁殖力が強いですよね。昔、とある世界自然遺産の地で、ブラックベリーを駆除する現場に行った時、人の背丈を越して、軽くジャングルちっくになっていて、とても驚きました。ナタでは追いつかずチェーンソーで切り崩していたような…

    話戻りますが、堂島ロール、青森でも売ってるんですね!!甘酸っぱいジャムと合いそうですね。私が近所に住んでたら、毎日、和洋中のお茶会開きに押しかけているかもしれません(笑)

    長々と失礼しました

    • hamatetsu より:

      gkoさま

      私も、実家の庭でミントが大繁殖し、カマで刈らなければならなくなったことがありました。
      ハーブ系の中には、すごい品種がありますね。
      ワイルドストロベリーも、暴れ牛みたいにならないように、管理したいと思います。

      堂島ロール、偶然、秋田の能代市で見つけました。
      商魂たくましく、冷凍の商品でしたが、
      シンプルなケーキだけに、味も生と変わらず、懐かしくいただきました。
      でも、あんまり売れていなかったみたい。
      大阪では行列ができていたのに‥。

      まあ、こんな感じで夫婦二人でボチボチやってます。
      また、機会があればあれば、ぜひいらしてくださいね。
      お茶友、大歓迎!でお待ちしていますよ。

      最後になりましたが、コメントありがとうございました。

  • つっちー より:

    爽やかな雰囲気が頭の中に巡ってきます。梅雨なんか無いのか吹き飛ばしているようですね。

    • hamatetsu より:

      つっちー様

      ありがとうございます。
      梅雨の真っ盛りで、十二分に鬱陶しいお天気ですよ。
      それを紛らわそうとの思いから、やってみました。
      彩りが良いでしょう。
      香りを文章や写真に出来ないのが残念です。
      でもこれは、私の趣味ではなく、かみさんの憧れなので、渋々とお付き合いしています。
      そして、写真のリクエストに応えるのが、なかなか難しい。
      こうしたガーデニングの写真や料理の配置、ライティングのセンスなどが皆無なため、苦労しています。
      新聞社時代に、もっと修行しておけばよかった、と反省の日々です。
      もし可能ならば、遊びに来て、技術指導をしてください(笑)。
      お待ちしていますよ。

      • つっちー より:

        律子さん。流れるようたリズムの文章、素晴らしいですね!スーッと頭に入り映像が浮かんできます。私の目標です。これからも、楽しませて、勉強させて下さい。
        オーッと浜ちゃん!写真も爽やかさ満点!被写体が良い!いや、心が写ってんで!ナンテ、もっともらしいこと言わせんといて!知ってるやろ、根性で現場から写真送ることはわかるけど、写真のことは聞かんといて。一つだけわかるのは、浜ちゃんえー感じや♪

        • hamatetsu より:

          つっちー様

          ありがとうございます。律子、誉められて天狗になってます。現役復帰しようかな、なんて(笑)。ありえませんが。でも、記事には苦労していますので、心より感謝します。
          で、写真やけど、そうやったなぁ。
          現場に出たら、体力でシャッターを押し、気合で現像して、根性で送るんが、わしらの仕事やったもんなぁ、どんな所へ行っても。
          それが、大阪本社出身・カメラマンの本領やし。
          懐かしい、というか、今も同じよ。
          だから、律子に、「写真撮ってる時は、暑苦しくてウザイ」と嫌がられているわけ。
          でも、仕方ない。
          昔取った杵柄は、もう変えようがないもんな。
          今後も、この調子で行くでぇー!!!。
          おおきに、な。

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