みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
無いならば育てる「グリンピース」

無いならば育てる「グリンピース」

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海の幸、山の幸に恵まれた白神山地の麓、深浦町。山や海から得る新鮮な食材やお年寄りから学ぶ郷土料理など、食文化の豊かさを感じる日々ですが、西日本で生まれ育った私たちにとって、長年、慣れ親しんだ食材が手に入らずに困惑することがあります。その筆頭に挙げられるのが、豆ご飯のお豆「グリンピース」です=写真上下、左がグリンピースの種、右がキヌサヤの種。どちらも昨年に栽培し、収穫したもの

豆hp

かつて早春から初夏、鹿児島や和歌山県産などの南国の青果が、ごく普通に手に入る環境で暮らしてきました。でも、北国では作ってもいないし、売ってもいないそうです。昨年来、青森や秋田県のスーパーマーケットなどで、豆ご飯用の生のグリンピースを探しまわりました。が、各お店からは、「グリンピースの豆ご飯を食べる習慣がないので、入荷の予定はありません」と、つれない返事。これに困惑しているのは、無類の豆ご飯好きの夫です。よし、無いのなら自分で育てる、とホームセンターや種苗屋にタネを買いに行きました=写真下、昨年に収穫し保存していたグリンピースの種

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ところが、エダマメやインゲンの種は沢山売っているのに、肝心のグリンピースがありません。諦めきれない夫が探し回り、「苗があったぞ」と、嬉々として持ってきたのがスーパーマーケットで売られていた豆苗です。中華料理の食材などに使われる野菜で、商品の説明を読むと、確かにエンドウ豆の新芽と書いてあります。こんなヒョロヒョロした芽が育つのだろうか、と疑う私を尻目に、夫は貝割菜のように密生している芽をほぐして、一本づつをプランターに移植。その結果、なんと、数本でしたが立派な蔓エンドウに育ったのです。が、ここでも、夫を落胆させる結果が。実った鞘が太らないのです。平たいままで、中の身だけが小さく丸く育っています。どうも、豆ご飯のグリンピースではなく、キヌサヤ・エンドウだったようです=写真下、昨年に収穫し保存していたキヌサヤの。夫、激しく落ち込みました。

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 その後、車で二時間かかる五所川原市の種苗屋さんで、何とかグリンピースの種を入手。キヌサヤの小さな豆を泣く泣く食べた夫でしたが、今度こそとは、張り切ってお世話し続けました。そして、種から無事に芽も出て、立派に成長。結局、12本程の苗を育て上げ、5~6回分ぐらいは自家製の豆で「夫待望の豆ご飯」をいただくことができました。

植え付け③hp

そして今年、春先になっても暖かくならなかった白神の里も、ここ一週間で気温もぐんぐんと上がり、種まきのシーズンを迎えました。さあ、昨年に苦労して育てたグリンピースとキヌサヤの種を植えるぞ、と夫が吼えています。植えた直後、ほじくり出しにくるキジバトやカラスに見つからないよう、素早く作業します=写真上、プランターに種を植え付ける。夫曰く「グリンピースだけでいい、キヌサヤはいらんからね!」

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嬉しいことに、数日で発芽。見るたびに伸びて、葉を広げてゆきます。土と太陽と植物の持つ力を感じます=写真上、葉が開いたグリンピース。暇さえあれば朝晩、プランターを覗きに行って、「芽が土を割った」、「葉っぱが出てきたよ」と、報告する夫。豆の成長がいくら早くても、今日明日は無理なんだから、焦らない焦らない‥、と肩を叩いてやります。豆ご飯に対する激しい執念には、驚くよりも呆れてしまいます。

新芽②hp

早く大きくなって、今年も良い豆を実らせてね。でないと‥。ま、気長に待ちなさい。時期が来たら、美味しい豆ご飯を作ってあげるからね=写真上、次々と新芽を出すグリンピース。キヌサヤは別のプランターで栽培中。ただ、収穫も期待しているのですが、実は豆の花って、意外に綺麗なんですよ。それが私の秘かな楽しみなのです。

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