朝日小学生新聞の連載「白神シリーズ」の8回目は、カイツブリです。白神山地の麓に点在する小さな湖沼で、毎年、子育てを続けています。
有名なアカショウビンを狙って愛鳥写真家が数多く訪れる場所なのですが、この鳥は地味なせいか、ほとんど注目されていませんでした。
でも最近は、この鳥の子育てを撮りに来られる方が徐々に増え、レンズを構えている姿もチラホラとお見受けします。
注目されるのは、環境保全や、生物多様性を考えてもらう上では喜ばしい事です。が、ブラインドテントに入らず長時間に亘って見続けたり、観察中に動き回ったりされる方もいるようで、親子も気が気じゃない様子。
今年も順調に子育てをしていますが、巣が空っぽな時も多く見かけます。巣の周辺は、まさに彼らの「マイホーム」。一番安心して、餌や休息をとる場所なので、少し心配です。
元来、目つきが鋭く、色も地味で、あまり人気がない鳥のように思えます。でも、両親が愛情深く子育てする姿は感動的で、オシドリ夫婦という格言を「カイツブリ夫婦」に改めたいぐらいです。
ほとんど水面で暮らしているので、陸に上がっているのを見たことがありません。家族が、独特の声で鳴き交わすので、近くにいれば、姿が見えなくてもすぐにわかります。
白神山地の初夏、小さな池に、彼らの子育てを見に行かれるのならば、なるべく親子に負担を掛けないでやって下さい。そうすれば、毎年、健気な親子と再会できますから。
新緑の湖面を泳ぐカイツブリ夫婦の写真は色がきれいですね!!