みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
デブ夫婦のウォーキング日記⑤「やめてよ、クマくん」

デブ夫婦のウォーキング日記⑤「やめてよ、クマくん」

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熊に食べられたのか、栗の木の周辺には中身のないイガが散らばっていた

 本日も律子が執筆です。

 昨日も今日も荒天で、10㍍前後の風が吹いた西津軽。一瞬、雨が上がった間隙を縫ってスタートしました。波にのまれる恐れがある海は止めて、自分たちの畑がある山方面へ。畑と言っても、7~8年前に一度、草刈りをしただけの荒れ地。すでに原野となりつつあります。

    畑へ続く道。日本海が一望できる

    すでに原野と化した畑。奥の松林迄が我が家の土地らしい

 譲って戴いた時から、どこまでが我が家の境界か解らないままで、地主さんからは「彼方に見える松林迄よ」と伝えられました。たぶん、八千㎡以上あるはずで、無駄な固定資産税を毎年、健気に納めています。購入当時は、「原野商法に騙された」とバカにされましたが、もう細かいことは考えないようにしています。

    熊に折られた栗の木の枝

 その土地を無駄に放置するのも情けないので、今から6~7年前、一念発起して栗の木を10本近く植えました。この場所は白神山地の麓。前方には日本海が広がっており、風光は抜群に明媚です。さらに、元々が畑なので、肥沃な土地と素晴らしい環境が相俟って、すくすくと育つはずでした。

    熊に折られた栗の木の枝。「丹波栗」の木なのに‥

 が、桃栗の3年を遥かに過ぎても、ヒョロヒョロの木が4本残っているだけ。追肥などの手入れをしたのに、なぜ?、と首を傾げていたら、その一因が判りました。なんと、熊が栗を食べに来ていたのです。落ちた実を食べるだけならいいのですが、こずえの実を枝を折って獲るので、せっかく育った木がバキバキです。

    熊が付けた傷痕。最近のもの

 「うーん。これじゃ大きく育たんなぁ」と腕組みする哲二。「どうする、罠でも仕掛ける!」と冗談半分に嗾けてみると、「いやいや罠は怖いよ‥」と言って意気消沈しています。 以前、猟友会の一員として熊の罠を仕掛けていて、何度か怖い目に遭ったようです。さらに檻に入った親子が処理される姿がしのびなくて、今年から活動を休止にしたそう。

    檻に入った三頭の親子グマ

 一番の要因は、戦争関係の取り組みが忙しくなった事ですが、人を襲う危険な生き物でありながらも、処分される前に見せる親子の情愛の姿に心が折れたと、呟いています。

    捕獲された子グマ。切なげに母を呼んでいた

 深浦町に隣接した秋田県八峰町の山。紅葉したかのように進むナラ枯れ

 我が家の周辺の森は近年、ナラの巨木や老木が次々と枯れる「ナラ枯れ」が蔓延し、熊の大切な食べ物であるドングリが減っています。それもあるのか、里で目撃情報が多発し、数年前は近所の先輩が自宅前で襲われて大ケガを負われました。

    ナラの木の根元に散らばった虫害によるフラス

母と兄弟が駆除された後も、逃げ延びていた子熊。だが翌春、近くの河原で餓死していた

 熊も生きてゆくのが大変なのかもしれません。だったら、枝を折られるぐらい仕方ないじゃない。我が家の栗はまだ、一度も収穫できていないけど、熊くんたちにあげようよ。心が折れるような思いをしないで済むのならば、ね。ただ本音は、栗の木がもっと大きく育ってから食べに来てほしい。でないと、大人になる前に枯れちゃいそうだもの‥

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