みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
木造高校深浦校舎の生徒らと流木をチップにする活動④

木造高校深浦校舎の生徒らと流木をチップにする活動④

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チップを撒く高校生と取材する報道関係者
十二湖の森でチップを撒く高校生と取材する報道関係者

河川の流木などを集めて木材チップにするボランティア活動が、大詰めを迎えました。青森県立木造高校深浦校舎の生徒たちが、夏の暑い盛りに、深浦町や地元の企業、マタギの伊勢勇一親方らの協力で作ったチップを、同町の観光地・十二湖の遊歩道へ撒く日です。

紅葉に彩られた晩秋の十二湖の森。小さな池の水が少なくなっていた

紅葉シーズンも終わりに近い晩秋の十二湖は、時折、みぞれが降る日もあり、訪れる観光客もまばらです。作業は、同校の全校生徒と教職員80名をはじめ、観光ガイドや町役場職員、地元の有志の皆さんら総勢約100人が参加。手分けして、観光客がよく利用する遊歩道1キロメートルに、約5トンのチップを敷き詰めます。

全校生徒が参加。凛々しい顔つきで先生の話を聞く
全校生徒が参加。凛々しい顔つきで先生の話を聞く

 この森は、ブナやカツラ、イタヤカエデなど、白神山地に自生する種類と同じ樹木が茂り、神秘的な色の青池など33の池や湖が点在しています。険しい世界自然遺産の中心部へ行けない観光客に、気軽に遺産地域の雰囲気を味わって戴ける人気のある景勝地です。

晩秋の森を歩いて、チップを撒く場所を下見する生徒たち
晩秋の森を歩いて、チップを撒く場所を下見する生徒たち

林内を縦横に走る遊歩道は、自然に近い形で整備されていますが、頻繁に利用される区間は傷みも激しくなります。表土が池に流れ込んだり、周辺の植物へ悪影響が出たりするのではないか、と心配される声が出ていました。

作業開始前に、役場の職員から撒く場所などを聞く
作業開始前に、役場の職員から撒く場所などを聞く

そのために高校生と町が、流倒木などから自分たちで製作した木材チップを撒くことで、通行人による道への踏圧を軽減し、自然環境の保護へ繋げることができると、考えたのです。

男子も女子も、チップが入った重い土嚢袋を担いで現場へ向かう
男子も女子も、チップが入った重い土嚢袋を担いで現場へ向かう

そして、チップの原料は、白神山地に生えていた地元産の樹木。中でも、河川に放置された流木は、大水のたびに流出して土手を壊したり、川を堰き止めたりして、危険な土石流を誘発させる原因にもなりかねません。そんな厄介者に、新たな「命」を吹き込むことで、無駄のない自然に優しい再生のサイクルを創り上げたのです。

紅葉の森をチップ入りの袋を担いだ高校生の列が進む
紅葉の森をチップ入りの袋を担いだ高校生の列が進む

用意された土嚢袋に入ったチップは、5キロと10キロ入りの2種類。今年、森林セラピー基地としてオープンした十二湖の遊歩道を、袋を抱えた生徒たちが何往復もしています。そして、土がむき出しになった場所や、水が浸みだしてぬかるんでいる部分に、チップを丁寧に広げました。お客さんが、歩きやすく、癒しを感じてもらえるように、と心を込めて。

3人が並んで、土嚢袋からチップを遊歩道に撒く。左は取材する報道関係者
3人が並んで、土嚢袋からチップを遊歩道に撒く。左は取材する報道関係者
撒かれたチップを観光ガイドさんが広げて行く
高校生が撒いたチップを観光ガイドさん(手前)が広げて行く

これで、春先から取り組んできた木材チップ関連の作業はすべて完了です。

晩秋の森は、最高の癒しの空間
晩秋の森は、最高の癒しの空間

初夏、集めた流木を運び、砕いたチップを袋に詰めて保管する作業では、参加した全員が炎天下で大汗をかきました。乾燥の途中、仕上がり具合を見るため、袋の中のチェックも欠かしません。そして晩秋、重い土嚢袋を背負って、上り下りのある遊歩道を何往復もしながら敷設。どの工程も、泥や木くずにまみれる力仕事でした。

木陰でひと休み。はにかんだ笑顔の女子生徒たち
木陰でひと休み。はにかんだ笑顔の女子生徒たち

最初は、現代っ子の生徒たちが、嫌にならないかなぁ、と心配でした。それが、「力仕事が楽しかった」、「地元の高校生である自分たちが、地元の環境に目を向けることは意義がある」、「都会の親戚が来たら、チップを撒いた遊歩道へ連れ行く」と、作業の終了後に報告してくれました。

遊歩道に一列に並んでチップを広げて行く。狭い場所は手作業で
遊歩道に一列に並んでチップを広げて行く。狭い場所は手作業で

最後になりますが、一緒に活動して下さった町役場の「町づくり戦略室」の皆さん、様々な形の協力と便宜を図って戴けた林野庁、県鰺ヶ沢道路河川事業所、ホリエイさんと三浦建設さん、チップ製材業者・鈴光さんにお礼を申し上げます。そして、ボランティアで手伝って下さった観光ガイドの方々や地元の有志の皆さま、本当にありがとうございました。

テレビ局の取材を受ける女子生徒たち
テレビ局の取材を受ける女子生徒たち

そして、深浦校舎のみんな。来年以降も、この活動を一緒に続けようね。君たちの頑張りに、多くの大人たちが期待していますよ。

後日、森を再訪し、撒いたチップを見る生徒たち。テレビ局が密着で取材してくれた
後日、森を再訪し、撒いたチップを見る生徒たち。テレビ局が密着で取材してくれた

今回の活動は、東奥日報、読売新聞、秋田の北羽新報などの新聞、青森テレビ、青森放送テレビなどのメディアが報道して下さいました。マスコミ関係の皆さまにも、心よりお礼を申し上げます。

取材が終わった後、チップの上でみんなが記念撮影
取材が終わった後、チップの上でみんなが記念撮影

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