みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
2016遺骨収集活動57日目 大学生たちとの活動㊤

2016遺骨収集活動57日目 大学生たちとの活動㊤

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

ジャングルの中を進む遺骨収集の学生たち

ジャングルの中を進む遺骨収集の学生たち

走ると危ないよ!。でも、元気いっぱい活動に臨む

走ると危ないよ!。でも、元気いっぱい活動に臨む

尊敬するマタギの伊勢親方の急逝や、交通事故などが重なって、なかなか更新が出来ませんでした。事故の後遺症が長引いているため、まだ、病院通いが続いています。そのため、遺骨収集活動も、ほとんどできません。

活動の前に地元の森を守る神社へ拝礼

活動の前に現場の神社へ拝礼

後方支援の留守隊に手を振りながら出発する

後方支援の留守隊に手を振りながら出発する

本来ならば、学生の活動風景などを、もっと紹介すべきだったのですが、治療中の立場でありながら、壕へ通い詰めるわけにもいきません。仕方なく、後方で指導したり、見学するだけになってしまいました。

埋もれてしまった散兵壕を掘る

埋もれてしまった散兵壕を掘る

国吉さん(右端)から、指南を受けながら

国吉さん(右端)から、指南を受けながら

HPも、とても長い間、放置してしまいました。読者の皆さま、お許しください。ようやく、書き込める余裕が出てきましたので、学生たちが2月半ばに、平良宗潤先生から戦争講話を伺った、続きの活動を紹介いたします。

平良先生と本島南部のサトウキビ畑を歩く

平良先生と本島南部のサトウキビ畑を歩く

散兵壕に大勢が入って掘り進む

散兵壕に大勢が入って掘り進む

今年、沖縄で遺骨収集に従事してくれた学生たちの総勢は、なんと200人近くに膨れ上がりました。例年通り、JYMA(日本青年遺骨収集団)とIVUSA(国際ボランティア学生協会)が、駆けつけてくれています。

丘陵の頂上付近は開けていた。この脇は「城(グスク)」になている

丘陵の頂上付近は開けていた。この脇は「城(グスク)」になっている

岩が落ち込んで、完全に埋まってしまった壕口を掘り進むと遺骨が出てきた

岩が落ち込んで、完全に埋まってしまった壕口を掘り進むと遺骨が出てきた

でも、200名が働けるフィールドは、そうありません。小さな壕では、すし詰め状態になって、酸欠が心配されます。ゆえに、活動場所として、旧日本軍が最後の防衛線として守備していた国吉丘陵を選んだのです。

屏風のような岩が切り立った天然の要塞のような現場

屏風のように岩が切り立った天然の要塞のような現場

狭い壕内で慎重に掘る

狭い壕内で慎重に掘る

この場所は、第24師団歩兵32連隊が、沖縄戦のさなかも、組織的な戦闘が終結した後も、頑強に抵抗を続けていた要塞のような台地です。ジャングルに覆われたサンゴ石灰岩の高台に、迷路のように壕が掘られており、トーチカやタコツボが、あちこちに点在しています。

バケツなどを抱えて現場へ向かう

バケツなどを抱えて現場へ向かう

果敢に岩の隙間を掘り進む女子学生たち

果敢に岩の隙間を掘り進む女子学生たち

が、余程、激しい戦闘があったのでしょう。あちこちに巨岩が崩れ落ち、壕口を塞ぎ、散兵壕も埋め尽くされています。そんな岩の隙間から、地面に突き立った遺骨が見えていたり、遺留品が散乱したりしています。

掘り出した遺骨を確認する

掘り出した遺骨を確認する

岩の下や隙間も見逃さずに掘り続ける

岩の下やわずかな隙間も見逃さずに掘り続ける

地元の方に聞くと、戦後、何度か遺骨収集はされています。が、壕内を掘り進んだり、岩を動かしたりしてまでは、やっていないとのこと。学生たちには、ぴったりの仕事です。

岩の下から出てきた旧日本陸軍の認識票。歩兵22連隊の兵士の物

岩の下から出てきた旧日本陸軍の認識票。歩兵22連隊の兵士の物

陸軍が使っていた軍用の湯呑み

陸軍が使っていた軍用の湯呑み

約10日間、兵庫県から来た社会人のグループも混ざって下さって、活動しました。でも、あちこちの現場で、不用意に岩を動かすと、それに支えられた巨岩が落ちて来そうで、危険極まりない状態。

険しい道を隊列を組んで進む

険しい道を隊列を組んで進む

総勢160人以上が参加したIVUSAの学生たち

総勢160人以上が参加したIVUSAの学生たち

前途ある若者たちを、生き埋めにするわけにいきません。まだまだ遺骨が埋もれていそうですが、その多くをあきらめざるを得ない地形です。実際、哲二が飛び乗った畳一畳ほどの平たい岩が、瞬間、大きくずれ動き、肝を冷やしました。

現場の確認に来られた糸満署の警察官

現場の確認に来られた糸満署の警察官

3人で狭い壕内を掘り進む

3人で狭い壕内を掘り進む

でも、そんな場所なので、手つかずの壕やトーチカが数多く残っているようです。可能性のありそうな岩棚の下を、隙間に潜り込んで、学生たちは一生懸命に掘り進みます。IVUSAは女子が多い隊なのですが、男子に負けじと、熊手を動かし、小型のツルハシを振り続けます。

出土した遺骨を確かめあう

出土した遺骨を確かめあう女子学生

不発弾処理に来られた自衛隊員

不発弾処理に来られた自衛隊員

そして男子は、大小さまざまな岩を、抱え、押し、転がしながら、動かします。岩の下敷きになっている戦没者を探すのと、土の地面を出して女子が掘れるよう、汗と泥にまみれて、働き続けます。誰一人、愚痴を言うものはいません。

岩に沿って掘られた散兵壕を人海で掘り進む

岩に沿って掘られた散兵壕を人海で掘り進む

力を合わせて岩を動かす男子学生たち

力を合わせて岩を動かす男子学生たち

今年の現場は、元の地形の想像がつかないほど岩が崩れており、どこまで掘れば、元地盤へ到達できるか、わかりません。総勢200名でも、戦時中の地形に戻すまでに、数日間、掛かる場所も。

ジャングルに張り巡らされた散兵壕を掘り進む

ジャングルに張り巡らされた散兵壕を掘り進む

小さな骨片や遺留品も逃さずに掘る

小さな骨片や遺留品も逃さずに掘る

そして、戦没者の遺骨だけでなく、遺留品の発掘でも、大きな成果を得られそうです。名前が入った遺品が、数多く出てくるのです。中には、はっきりと刻まれた氏と名があり、ご遺族の元へ戻せそうな物もあり、とても期待が持てそうです。少し長くなりましたので、㊦に続きます。

名前の描かれた万年筆

名前の描かれた万年筆

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.