みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
2016遺骨収集活動12日目 雨で滞るジャングルでの作業

2016遺骨収集活動12日目 雨で滞るジャングルでの作業

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今年の沖縄は雨続きです。先月22日に到着して以来、まともに晴れたのは1日だけ。毎朝、外へ出てみると、霧のような時雨れが地面や庭木を濡らしています。今回、選んだ活動現場は、典型的な亜熱帯のジャングルです。鬱蒼とした森の中には、獣道さえ見当たりません。そんな中を歩くと、全身が濡れ鼠のようになってしまいます。

雨の中、ジャングルに分け入って作業する

雨の中、ジャングルに分け入って作業する

でも、学生たちが来る前に、作業できる壕やトーチカ跡などを探しておかなければ。なんせ、200名近くが遺骨収集のために訪れますので、休んでいる場合じゃないのです。それでも、土砂降りだと、無理。崖が多い地形なので、足元が滑ると転がり落ちるような場所もあり、安全のために、泣く泣くアパートで沈殿することも。

トーチカの跡でひと休み。府学生たちと、ここを1m以上掘り下げる予定

トーチカの跡でひと休み。学生たちと、ここを1m以上掘り下げる予定

そして、旧日本軍が隠れていた陣地付近は、米軍の凄まじい砲撃が何十発と直撃しており、岩山はグシャグシャに崩れています。その隙間から、横穴の壕や散兵壕が見えており、たぶん終戦以降、まったく手がつけられていないと思われます。大勢の戦没者が埋もれていそうですが、岩が大きすぎて、はたして動くものか‥

歩く順路にビニールのテープで、目印を巻きつけて行く

ジャングル内の歩く順路に、ビニール・テープで目印を巻きつけて行く

でも、やるしか、ありません。この丘は、背水の陣を引いた旧日本軍が、激しく押し寄せる米軍の進撃を、経理部の主計兵や野戦病院の衛生兵をも含めた、五百数十名で迎え撃った最後の抵抗線。そのほとんどが、戦死したとされています。いまだに埋もれている方々に手を差し伸べるため、雨が続けど、現場へ通い詰めています。

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コメント

  • 丸井 より:

    はじめまして。
    今回活動に参加します、IVUSAの丸井と申します。事前の整備など、本当に感謝しています、ありがとうございます。この活動に参加するのは初めてで、知らないことや知るべきことがまだまだあると思っていますので、活動の際にはたくさんお話をお聞きしたいです。
    よろしくお願いします!

    • hamatetsu より:

      丸井さま

      こちらこそよろしくお願いします。
      コメントありがとうございます。
      一緒に頑張りましょうね。
      来るのをお待ちしていますよ。

  • 市川 より:

    はじめまして、今年の活動に参加させていただく立命館大学3年の市川と申します。
    わたし達のために、活動場所の確保など行っていただき、ほんとうにありがとうございます。活動の際に、お話をお聞きできればと思っているので、ぜひ当日もよろしくお願い致します。

    • hamatetsu より:

      市川さま

      コメントありがとうございます。
      市川さんはIVUSAですか?。
      ぜひ、現場でお会いして、一緒に頑張りましょう。
      そして、いっぱいお話もしましょう。
      期待していますよ。

  • 折原(ivusa) より:

    浜田さん雨の中お疲れ様です。体調にまずはお気をつけて下さい。
    岩が大きすぎて動かないかもしれない。けど、やるしかない。これは去年、さんぺいごうで遺骨収集した時に強く感じたことです。なぜなら、71年経って、家族の元に帰れる方がいるかもしれないから。僕はこれを強く感じました。
    隊員にこのブログのことを伝えていきます。そして、たった一昨年、去年の経験しかありませんが、感じた事をもっと伝えていきます。
    改めて体調にお気をつけ下さい。

    • hamatetsu より:

      折原くん

      そうか、去年はあの散兵壕で作業したんだね。
      あそこは大変だったね。
      今年も、破壊されて埋もれた散兵壕がたくさんある。
      移動中だった大勢の兵士が埋もれている可能性も。
      一緒に頑張ろうな。
      期待しているよ。

  • みき より:

    まさか全く手がつけられていないこんな広い場所があるとは
    思っていませんでした。少なからず手をつけているものと…
    500名以上の方がいまだここで眠っていると思うと、悔しく思います。
    雨の中、活動しづらい環境の中、動いて下さりありがとうございます!
    写真をみても、崖が多い地形なこと、見て取れます。
    活動中、少しでも気を緩めたら事故が起きかねない。
    そのような不安が少し。
    だけど、わたしも動かなきゃいけない。とこのブログを見て、
    思いました。

    ブログ、ずっと拝見してます。
    なかなかコメントが追いつかずすみません。

    わたしたちが現地に行ける12日までおふたりだけで活動させて
    しまいますが、、、何卒よろしくお願いします!

    • hamatetsu より:

      みきちゃん

      いやいや、表面上は拾われているんだよ。
      でも、岩をどけたり、地面を掘ってまで、収骨されていないんだ。
      その理由は、激しい攻撃で、要塞だった岩山が崩れて、手の付けようがなかったからかも知れない。
      それぐらい、破壊されている。
      500名以上が戦ったけど、一部は生き残って、生還しているからね。
      でも、500人近くが戦死した可能性の方が高いよ。
      最後の決戦なので、軍医さんや経理担当の兵士も戦ったそうだ。
      そんな人たちは、小銃などの武器はなく、自決用の手りゅう弾だけだったらしい。
      まさに、地獄のような戦闘現場の跡だ。
      早く来て、頑張ってほしい。

      • ひさのみき より:

        聞けば聞くほど、はやく探してあげたい思いでいっぱいです。
        選択肢が手に持つ手榴弾を使うしかなかったかもしれないなんて…

        • hamatetsu より:

          みきちゃん

          コメントありがとう。
          早く来てー。
          もしかしたら、ライバルが来たかも。
          ま、みんなで力を合わせて、一日でも早く、すべての戦没者をお迎えできたらいいんだけど。
          きちんとやってくれる人なのかな‥。
          心配です。

          • ひさのみき より:

            過去を想い、遺骨収集をやってくださる方に、
            悪い人はいないって思いたいですが…(涙)
            過去の人たちの生きた証を、お金に換える人が
            いてしまうこと、まだ信じられないです。
            トレージャーハンターさんへの知識が乏しすぎて…

            きっときちんと一緒にやってくださる方だって
            信じましょう。

            • hamatetsu より:

              みきちゃん
               
              この人が何者か判らないので、トレジャーハンターかどうかは不明だよ。
              で、すべての遺留品目的の人が、金目当てなのかも判らない。
              でも、そんな人がいることも聞いている。
              大切なことは、決められたルールを守れるかどうかだと思う。
              そうであってほしいなぁ。
              また、見回りに行ってみるよ。
              こんなことをしていると、肝心の活動がまったく出来なくなるんだよ。
              辛いなぁ‥

              • ひさのみき より:

                それでも、
                浜田さんたちの活動のひとつひとつが、
                想いをもって遺骨収集活動をする方々の活動に
                繋がっています。感謝しかないです!
                ありがとうございます!

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