私たちの2013年の遺骨収集も、いよいよ明日で終わりという日に、驚くべき現場に遭遇しました。沖縄戦終結から68年という年月の経過と、人間も自然の一部であることを思い知らされる場面です。岩の割れ目にあった遺骨の頭部に木の根が巻き付いて、骨を砕いていたのです。
2日に発掘を始めたばかりなので、ここに何人の方が眠っているのか判明しません。が、すでに5~6人分の遺骨が見つかっており、更に数十センチほど土を掘って出てきた頭骨に、直径約3センチの木の根がぐるりと巻き付き、一部に穴を開けて貫いていました。ここ十数年、遺骨収集の現場を見てきましたが、初めて見る光景です。写真を撮影すると共に、地元紙の記者に声をかけました。
今回出てきた遺骨は2日夕現在で5~6柱。この場所の地中には、まだ取りこぼしてしまったお骨がありそうなのと、周辺にも眠っている戦没者がまだまだ残されていそうです。ここは沖縄戦での再激戦地のひとつだった前田高地に近く、小高い丘の上のあちこちに陣地壕や塹壕などが点在しています。
最近の遺骨収集は南部に集中しがちですが、中部も大激戦だった場所が数多くあります。前田高地周辺もその一つで、高台にはぐるりと周りを見渡せるように、旧日本軍の陣地が張り巡らされています。年月の経過で、そのほとんどは、上に建築物がたったり、造成工事されたりして、当時の面影を見つけようにも、詳しい資料を紐解かない限り行き着けません。新たな戦没者の遺骨を一つでもリカバリーするために頑張ります。





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