2014年に入って、深浦町内の子どもたちの前で、講演や授業をする機会が何度かありました。私たちが過去に取材したり、体験したりした事、白神山地の生物などについて伝えてほしい、という機会をいただいたのです。ありがたい申し出なので、すべてお受けいたしました。
まず最初は、私立「めぐみ保育園」での「子育て研修会」です。テーマは「白神山地の生き物たちと森のお父さん」です。日頃、子育てを母親に任せがちなお父さんに、父親の威厳と役割の大切さを再認識してもらい、子どもの教育に積極的に参加して戴ければと、渋谷明子・園長先生らが企画なさいました。
前半は、保育園児を対象に、白神山地の鳥や動物たちの写真を見せながら、森の生き物たちの暮らしぶりを解説。画面に映し出されるテンやカモシカの写真を見た園児たちは、目を輝かせながら大歓声をあげました。小さなお子さんには、内容が少し難しかったかと思いますが、最後までお行儀よく聞いてくれました。
後半は園児のお父さんに、自然の恵みを受けながら生きる、深浦町の「マタギ」の伊勢勇一親方のお話をしました。伊勢親方は、文字通り、地元の狩猟者を束ねる親方であり、私たちの山の師匠であるのと同時に、地域にとっても慈父のような存在でもあるからです。世界自然遺産登録で、猟場を狭められ、病で身体を壊しながらも、マタギとして懸命に生きてきた姿を紹介致しました。
全編が、写真や動画を合わせた約280枚からなるスライドショーを見せながらのお話しです。赤ちゃんに近いお子さんもいましたが、生き物の写真に大喜びしながら、楽しんでくれたようです。そして、お父さんたちにとっては、すでにご理解戴いている内容だと思いましたが、伊勢親方の若い時代の写真や知られざるエピソードを話すことで、父親としての苦労や闘いぶりをお伝えできたと思います。
研修会の後は、全員でカレーライスと野菜サラダの昼食をごちそうになりました。子供向けの味でしたが、とてもコクがあって美味しかったです。そして、子どもたちみんなが、とーっても、可愛いかったなぁ。子宝に恵まれなかった私たち夫婦に、何よりも楽しいひと時を、ありがとうございました。機会を作って下さった本間和夫・理事長と先生方に、心よりの御礼を申し上げます。
コメントを残す