獅子踊りが終わった翌日、地域の子どもたちが待ちわびていた子ども「ねぷた」が実施されました。武者絵などが描かれた扇型の高さ約4メートル、幅約5メートルの扇ねぷたを、十数人の子どもたちが、「ヤーヤドー」という掛け声を上げながら引きます。家々の軒先から、励ましの声を受けながら、集落内を網羅する形で練り歩きます。
この日、ねぷたを引いたのは10数人の地元の子どもたち。小学生が中心ですが、希望があれば、中学生以上でも参加できます。お盆休みで帰省している親子連れの飛び入りもあって、ねぷたの列はどんどん大きくなっていきます。
最後は、大人も入り混じって40~50人程の隊列に。お盆の中日に、限界集落化が進む過疎の村が、タイムスリップしたかのようなお祭りの賑わいとなりました。
この祭りは、平成元年頃から、地域の子どもたちを楽しませる目的で始められたとされています。以前は、お年寄りが中心となって、ねぷたを引いていましたが、少子高齢化が進む中、子どもたちの祭りに変えることで、以前の活気を取り戻そうとする地域の方々の願望も込められているようです。
私たちとシノリガモを観察する3人娘も、小学校の最高学年として、行列の先頭を引っ張りながら、声を張り上げています。年少の子どもたちを引率する姿が頼もしくて、思わず目を細めて見入ってしまいました。人が嫌がるような仕事は率先して引き受け、お菓子やジュースが振舞われるときには、小さな子を優先します。さすが、地域のお姉さんだね。なぜか我が事のように嬉しくて、鼻高々です。
この地区では過疎化が進み、子どもたちも激減しています。若者が働く場がなく、都会からの移住者を引き寄せる魅力も乏しいとされる集落。ここを終の棲家と決めている私たちは大好きですが、更なる移住者を呼び込める起爆剤は、なかなか見つかりません。
仕事さえあれば、この村から出て都会で暮らす人たちも戻ってきそうですが、今のままでは為すすべがなさそうです。私たちは、出来る限りの力で、この町の魅力を取材し、情報発信をし続けていきます。このホームページを見て下さった皆さまも、よければ一度おいで下さい。そして、この町の素晴らしさを感じて戴けたら、ぜひリピーターとなって、応援してください。
少なくとも私たち夫婦は、日本の原風景が残る深浦町を胸を張ってお薦めいたします。
田舎や地元の伝統文化はとてもうらやましい限りです。
子どもたちの声が聞こえてきそうで、いつまでも誇りを持って引き継いで欲しいですね。