高校生らと河川の流木をチップにする活動②事前学習 ツイート チップにする木についた泥や食い込んだ石などを洗い流す高校生ら 高校生らと流木などを集め、観光地の遊歩道へチップとして撒く活動の事前学習として、木造高校深浦校舎で勉強会をしてきました。当然、講師は深浦町のマタギ・伊勢勇一親方です。 1年生たちにマタギの道具を説明する伊勢親方 マタギの道具を説明する伊勢親方 まず、1年生に、自然遺産への知識と理解を深めるため、「白神山地の生き物と生活文化」の授業を実施。その後、全校生徒を対象に「流木などを利用する防災と環境教育」の講義を行いました。自分たちが取り組む流木集めや、地元の木をチップにして再利用する事の意義を、考えてもらうのが目的です。 親方のクマの毛皮製の尻あてを身に着ける男子高校生 クマの毛皮の尻あての座り心地を確かめる男子高校生 内容は、土砂災害の怖さ、ハザードマップの意味などの一般常識から、白神山地の地形、流木の危険度、チップの必要性とリスクなど。写真や図などをスライドショー形式で見せながら、約1時間かけてお話ししました。 土砂災害の危険地帯を表した地図 深浦町中心部のハザードマップ 岩崎地区中心部のハザードマップ 座学だけではつまらないので、実技も実施します。事前の調査によると、今回、チップ用に集める原木は約20種類。この原木のサンプルを用意し、木の種類と名前が判るか、生徒たちに問うコーナーも設けました。 チップになる木を一本ずつ手にする1年生 親方が名前も見ないで、木の種類を言い当ててゆく 一本一本の木に名前を書き、そこを黒いテープで目隠しして、質問。中にはブナやサクラなど、特徴的だったり、なじみ深い木もあります。が、一見、どれも同じに見えてしまい、ほとんどの生徒や先生が答えられませんでした。それを親方が、木の肌や形だけを見て全部言い当てるので、会場からは驚嘆の声が上がりました。 みんな同じように見える木。親方の知識に全員が驚嘆した ペットボトルの手作りスコップを説明する桃子さん(左)と七瀬さん 最後に、私たちの「白神の生き物を観察する会」の会員、同校2年の七瀬さんと桃子さんが、チップをすくって袋詰めするための、ペットボトル製のスコップの作り方を実演。同時に、廃品を利用したスコップを使う意義も説明し、賛同を呼びかけました。 ペットボトル・スコップを使ってみる男子生徒ら 流木が川をせき止めることを説明する図 その結果、お父さんが飲む焼酎のペットボトルや、家庭で使い終わった柔軟剤の容器を持ち寄って、同校のボランティア部や希望者に作ってもらうことになりました。 木材チップ あいさつする深浦校舎の吉田信治・教頭先生 ペットボトルのスコップを作った理由のひとつは、流木や捨てられる木を再利用する取り組みだから、無駄なお金は使わないで環境に優しい活動をしたい、という、七瀬さんと桃子さんの願いがあったからです。 真剣な眼差しで講演を聞く深浦校舎の生徒たち 本音をいうと、私たちの会が貧乏だからです。スコップを買うと、一個500円程度。30個で15000円ほどですが、すべてボランティア活動なので、出来る限りお金を使わない方向へ進んで行かざるを得ません。 流木の上を歩いて長さを測る桃子さん ハザードマップに記された深浦町の主要な避難所 高校生たちが、使う道具を手作りしながら、環境と防災を学ぶボランティア活動。周囲の関心も高く、地元紙を始めFM放送やテレビ局なども、この取り組みを取材して下さるようです。 写真好きな女子生徒。レンズを向けるとポーズをつけてくれた 生徒たちに今後の予定を話す松橋先生 できれば、来年も再来年も、この活動を続けます。皆さま、よろしくご支援をお願いいたします。 生徒たちの前で木の説明をする伊勢親方 講演が始まる前にレンズを向けると、照れ屋の七瀬さんが、顔を隠してしまった。左端は顧問の古跡先生 Post Views: 182 « 地元の高校生らと河川の流木をチップにする活動を開始① シノリガモとサントリー世界愛鳥基金 »
コメントを残す