みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
白神山地の生き物たち「シノリガモ」①

白神山地の生き物たち「シノリガモ」①

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7月2日付け「朝日新聞の全国版」に記事と写真、動画が掲載されています。

下記のURLをクリックしてみてください。

http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201307010320.html

激流を駆け上がるシノリガモの親子。先頭がお母さん=深浦町で

激流を駆け上がるシノリガモの親子。先頭がお母さん=深浦町で

白神山地の渓流で繁殖する珍しい水鳥がいます。その名もシノリガモ。繁殖期のオスは黒褐色の全身に赤や白色の模様があり、「道化師(ピエロ):英訳=ハーレクイン」のように見えることから、欧米では「ハーレクイン・ダック(ピエロのカモ)」と呼ばれる海ガモです。体長は38~46㎝で、翼長約20㎝、翼を広げると70㎝近くになります。体重は500グラム~800グラム。国内で見られるカモ類の中では、オシドリに次いで美しい鳥とも言われています。

波の静かな冬の港に集まったシノリガモのオスたち

波の静かな冬の港に集まったシノリガモのオスたち

渓流の小さな滝を下ってくるシノリガモのオス

渓流の小さな滝を下ってくるシノリガモのオス

秋から冬に、九州以北の地域へ飛んでくる渡り鳥で、東北や北海道の岩の多い海岸、河口付近などで多く見られます。卵を産んで育てる主な繁殖地は、北アメリカ大陸の北部やアジア大陸の北東部、ヨーロッパ北部などですが、春から夏に日本国内に残る群れがあり、その一部が白神山地の麓である深浦町の河川や渓流で子育てをしているのです。

渓流の岩の上で休みシノリガモのカップル

渓流の岩の上で休みシノリガモのカップル

外国の例では、巣は川岸の岩のすき間や樹の穴などに枯れ草に羽根を張り付けて作り、5月~7月に4個~8個の卵を産みます。子育てをするのはメスだけで、ヒナは卵からかえるとすぐに泳ぎだし、約2、3か月で飛べるようになります。エサは、昆虫や甲殻類、ウニ、海藻などで、子育ての時期は渓流で水中に潜りながら虫や藻などを食べています。

お母さん(上右)と急流を昇るヒナたち

お母さん(上右)と急流を昇るヒナたち

青森県などの記録によると、ヒナを連れた親鳥が国内で最初に発見されたのは1976年、同県の白神山地を流れる赤石川でした。その後、宮城県や北海道などでも同じような目撃例があり、東北から北の渓流や河川で繁殖していることが確認されました。ただ、その数は少なく、開発などによって生息環境が破壊されることが心配され、環境省が東北以北で子育てをするシノリガモの群れを「絶滅のおそれのある地域個体群」として保護することに決めました。

波の静かな冬の港で群れるシノリガモ。地味な模様がメス

波の静かな冬の港で群れるシノリガモ。地味な模様がメス

現在でも、国内で子育てをしている群れの報告は少なく、その場所も山奥の渓流が中心であるため、日本で繁殖するシノリガモが、どのようにして巣をつくり、卵を産み、ヒナを育てているのかは、多くが謎のままです。しかし、最初に繁殖が確認された白神山地を流れる河川や周辺の海では、私たちが観察するだけでも、多くの群れや個体を確認することができます。

成長し、羽ばたきの練習をするシノリガモのオス

成長し、羽ばたきの練習をするシノリガモのヒナ

 そのために今年、白神山地で暮らすシノリガモを調査するチームを地元の有志の協力を得て立ち上げることにしました。その活動については、次のシリーズで紹介いたします。シノリガモの子育てを中心に、地域の人たちがこの美しい水鳥にどう関わっていくのかも、随時報告いたします。このシリーズは、「深浦町のマタギ」と同じような私たちのライフワークになりそうです。

親を亡くし、兄弟をカラスに獲られたシノリガモのヒナ。ピーピー鳴きながら泳ぐので「ピー助」と名づけて観察していたが、成長する前に行方不明となってしまった

親を亡くし、兄弟をカラスに獲られたシノリガモのヒナ。ピーピー鳴きながら泳ぐので「ピー助」と名づけて観察していたが、成長する前に行方不明となってしまった

続きは第2部で。(つづく)

 

7月2日付け「朝日新聞の全国版」に記事と写真、動画が掲載されています。

下記のURLをクリックしてみてください。

http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201307010320.html

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