みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
番外編:沖縄本島の生き物たち「クロイワトカゲモドキ」と「オキナワトゲネズミ」

番外編:沖縄本島の生き物たち「クロイワトカゲモドキ」と「オキナワトゲネズミ」

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木の根元に現れたオキナワトゲネズミ、本島北部のやんばるの森で

木の根元に現れたオキナワトゲネズミ、本島北部のやんばるの森で

白神山地ではないのですが、沖縄の生き物たちも新聞記者時代は追いかけました。特に、本島北部に広がるやんばるの森では、幻と言われた生き物たちを長期間にわたって撮影し、報道し続けました。なかでも、数十年間、捕獲はおろか撮影すらできなかったオキナワトゲネズミの撮影に成功し、私たちの情報から林野庁の森林総合研究所などが、捕獲に至りました。本島では絶滅宣言が出されてもおかしくなかったネズミで、各方面から絶賛を受けました。新聞社の取材記者として最も楽しい経験の一つでした。

高くジャンプするのがこのネズミの特徴。ストロボの光線とともに大きく上に飛んだ

高くジャンプするのがこのネズミの特徴。ストロボの光線とともに大きく上に飛んだ

ただ、やんばるの森に十数年間通いつめて、全く撮影できない生き物がいました。クロイワトカゲモドキです。一度だけ、夜の林道で姿を見ましたが、車から降りた途端、あっという間に姿を消してしまい、悔して地団駄を踏んだことを思いだします。それが、遺骨収集中の壕の中に、ひょっこりいるではありませんか。慌てて一眼レフのカメラを取りに走り、懐中電灯の灯りだけで撮影しました。 

遺骨収集中の壕内にいたクロイワトカゲモドキ、糸満市で

遺骨収集中の壕内にいたクロイワトカゲモドキ、糸満市で

ヤモリの仲間ですが、指に吸盤がないため木登りが得意でなく、地上を歩き回って昆虫などの餌を採取します。名前の通りトカゲのような形をしている世界的にも珍しい形の生き物です。ヤモリにはまぶたがない種が多いのですが、クロイワトカゲモドキにはまぶたがあります。その目を長い舌でペロリと舐めることがあり、生態や形態が極めて珍しいことから、県天然記念物に指定され、環境省のレッドデータで絶滅危惧の指定を受けています。

サンゴ石灰岩の岩に逆さに張り付いていた

サンゴ石灰岩の岩に逆さに張り付いていた

尾の先に毒があるという説もありますが、無毒でおとなしい爬虫類です。大きさは15~19cmで、体色は黒や暗褐色で、黄色やピンク色などの縦縞や横縞が入ることもあります。動きはゆっくりとしていますが、天敵などに追われるとしっぽを切って逃げることができます。本島南部では洞窟や沖縄独特のお墓の中で見つかることもあります。完全な夜行性で、日没後、岩穴などの隠れ家から出現し、クモやムカデなどを待ち伏せして捕食します。遺骨収集仲間たちも、赤い目の珍しいヤモリを「きれいな目、可愛い‥」と息を飲んで見守っていました。洞窟内で続く、過酷な労働の合間に訪れた息抜きとなる出会いでした。

壕の中で懐中電灯の灯りに浮かぶ色鮮やかな光彩。光を当ててもほとんど動じず、シャッター音が響くとゆっくりと逃げ

壕の中で懐中電灯の灯りに浮かぶ色鮮やかな光彩。光を当ててもほとんど動じず、シャッター音が響くとゆっくりと逃げた

 

 

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