みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
白神山地の森に危機迫る③ キャンプでの小学生や大学生の感想

白神山地の森に危機迫る③ キャンプでの小学生や大学生の感想

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    海岸の清掃に臨む

深浦小学校6年 詩愛さん

 私はスタディーキャンプの参加は2回目でした。そして学んだことは「ナラ枯れ」の木を見たことです。私はかれている木を早い紅葉だと思っていました。でもそれは「カシノナガキクイムシ」にやられてそうなっていることを知りました。そしてもう少しすると白神山地まで届いてしまうと言っていたので心配です。でも世界自然遺産から外されるのもいやだからかれてほしくないと思いました。

 後はきなこもちです。大豆は最初かたくて食べられなかったけど最後はとてもおいしくてみんなおかわりしていたので私も家でやってみたいです。友達ともたくさん遊びました。風船バレーや、恋話、こわい話と温泉にも行きました。スタディーキャンプにきて良かったしまた今度来たいと思いました。知らなかったこともたくさん知れたしとても楽しかったです。

         仲間たちとのひととき

いわさき小学校6年 佑奈さん

 昨日夜ご飯にカレーライスを作りました。もういらなくなった野菜で作って、「こういう作り方もあるんだぁ~」と思いました。

 そして、キレイな紅葉だと思っていたのが、まさか全部枯れていたなんて知りませんでした。カシノナガキクイムシには体の中の菌を木に感染させるのに驚きました。初めてその虫の名前を聞いて怖かったです。

 初めてだったので緊張したけど、大学生の人達がみんな優しくて、キャンプも楽しく過ごすことができました。こわい話や恋話、人狼をやって楽しい思い出を作ることができて良かったです。

    ナラが枯れた山の斜面

深浦小学校6年 涼さん

 私はこのスタディキャンプに参加したのは3回目です。昨年も大間越でキャンプをし、海岸清掃をしたり、シーグラスを拾ってアクセサリーを作ったりしました。今年も自分たちが何をしたらこの自然を守れるかなどを改めて考えたり、いらなくなったものをリサイクルしてアクセサリーにしたりしました。

 初めにナラ枯れを見ました。私はそこまでしっかりと森を注目してみていませんでした。でも今回、森を改めてみていると、一部分だけが赤くなっていました。近くで見ると葉がないものや、枯れてしまっているものが多かったです。それはカシノナガキクイムシが菌をもって木に入っていることがわかりました。だから、それをなくすために、キツツキなどの鳥に虫を食べてもらい、この虫を減らそうと考えていました。

 私が一番楽しかったのはシーグラスなどを使ったアクセサリー作りです。色が全然ちがうものはくっついたりしにくいということが分かりました。

 そして、ずっと倉庫にあった大豆をきなこにして、きなこもちを食べたのも美味しかったし楽しかったです。

残暑の浜でも笑顔で

いわさき小学校6年 百華さん

 最初に海岸清掃をしました。ゴミがたくさんありました。シーグラスを探したけど少ししか見つけられませんでした。

 一番びっくりしたことは、山にある赤っぽくなっているところは紅葉ではなく、枯れ木だということがわかりました。カシノナガキクイムシは体の中に菌をとり、それを木の中に入れてどんどん菌も増やし、卵も産みます。生まれたカシノナガキクイムシはその菌を食べて育つということがわかりました。あとキクイムシがいる木の下には木のカスが落ちているということもわかりました。

 朝ご飯にはパンにハムや野菜を自分で挟んで食べました。コーンスープも飲みました。その後アクセサリーを作りました。おそろいのものやおきものを作りました。

 昼ご飯は中華麺のたれを作って食べました。細かい調節が必要でとても難しかったです。きなこを作って食べたきなこ餅。とても美味しかったです。この後のBBQも楽しみです。

フードロスの活動

深浦小学校6年 結愛さん

 今回でキャンプに来たのが3年目です。毎年毎年、訪れる大学生が違っていて、毎回、面白いです。ただ、一日しか滞在できなくてさみしかったです。

 今年、一番面白かったのはシーグラス探しに行く事でした。ひとつ探せず残念がっていると、大学生のみきてぃが、「手を開いてごらん。ほら、あ・げ・る・よ」と優しく声掛けしてくれ、とても嬉しかったです。

 ごみを拾い、良い環境を少し作ることができました。たくさんの大切さについて大学生に教えてもらえて、良い機会になりました。最近遊ばないメンバーとも仲良くできてほっとしました。夕食を作るのも班のみんなが協力して、おいしい、おいしい食事ができて本当に良かったです。

 シーグラスは作れなかったけど、目にする事ができたのが嬉しかった。次の機会こそ、作れるようにしたいです。来年は来れないと思うけど、今回だけでも十分に楽しかったので最高の思い出を作ることができました。たくさんの大学生とも仲良くなれました。

ブイを使った鳥の巣箱の説明を聞く

いわさき小学校5年 結月さん

 がんばったことは海岸清掃です。私はみきてぃとやりました。掃除ではプラスチックやペットボトルをすすんで拾って袋一杯に集められました。シーグラスを拾う時は水でぬれているところをいっぱい探しました。そしたら5、6個見つけられたので嬉しかったです。

 そして、帰ってきてから料理をしました。カレーの担当になったので外で野菜を洗いました。その次に皮をむきました。私はにんじんをむきました。その次に野菜を切りました。にんじんを3本切りました。うまく切れたので良かったです。カレーのルーを入れました。集中していたら一人でやっていました。

 夕方にお風呂に入るため、温泉施設のハタハタ館に行きました。ゆめさんやりょうさんと一緒に行きました。帰りの車ではゲーム遊び。「バナナといったら」というゲームをやりました。とてもおもしろくてお腹が痛くなりました。その次に「たべものといったら」というゲームをしました。その中で「タピオカ」が出てきました。すごくおもしろくてお腹がまた痛くなりました。

 そして、みんなでご飯を食べました。その後、みきてぃと一緒に動画を見ました。「みなみ」や「になこ」などをみました。とても楽しかったです。初めてだったけどいい一日でした。

袋いっぱいのゴミを拾って

いわさき小学校6年生 あかねさん

 スタディキャンプをして山の木が赤くなっていることを知りました。それは「ナラ枯れ」。カシノナガキクイムシという虫のせいで枯れていたことを知りました。私はその虫のせいで、森がおかしくなり、世界遺産から外されるかもしれないと聞きました。もし外されたら、将来は誰も来たがらない過疎の町になってしまうのかな、と焦りました。

 大学生たちが、鳥に虫を食べさせて虫を減らしていければ、と話していました。いろいろと仕掛けを作るなどして、よく考えたなと思いました。

 1日目や2日目で大学生たちとたくさん話をして、来たときよりも仲良くなれたのでうれしかったです。皿洗いをしてくれたり一緒に遊んでくれたりした大学生たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。

お餅美味しいね

いわさき小学校4年生 凜華さん

 山にある赤くなった木を紅葉だと思っていたら、それがナラ枯れだということを知りました。その原因は、風に乗って移って来たカシノナガキクイムシが、ミズナラなどの木に穴をあけます。そして、木が枯れてしまうと、白神山地全体にも虫が広がりそうで、大変なことだと思いました。

 みんなで風船バレーをして楽しかったです。

手作りのきなこの香り

いわさき小学校6年生 ゆなさん

 スタディキャンプで勉強したことは山の木のことです。風で虫がとんできて木を枯れさせてかわいそうです。

 次に海で海岸清掃をして、ごみは少なかったけど疲れました。外国からのごみが多かったです。海で拾ったガラスは、800度以上まで温度を上げないと溶けないことが分かりました。

 アクセサリー作りはちょっとむずかしかったけど、なんとか4つできたので良かったです。

 おやつ作りでは、きなこをすりつぶすときちょっと力が必要でした。おいしかったです。来年もまた来たいです。

仲間たちとアクセサリーを見る

能代松陽高校3年生 棟方みなみさん

 私は3回目のキャンプで、後輩のゆめちゃんとりょうちゃんと再会することが出来、とても楽しく交流できました。

 近年問題になっているカシノナガキクイムシによる菌で、ナラ枯れを起こしてしまった木を近くで見ると、健康な木にはない穴や木くずがたくさん落ちていて、民家の近くまで被害が広がっていたのでとても深刻だと思いました。

 この菌と虫の被害をどうすれば、他の生物や植物などにも影響なく駆除できるのか、自分でも考えてみたいと思いました。秋田県八峰町の岩舘でよく見ていたナラ枯れが、大間越にも広がってきているのは少し悲しいです。

 初日のごみ拾いでは、中国語やハングル文字がかいてあるごみをたくさん見つかったし、漁業関係のものが多かった気がします。自分はごみを捨てないという当たり前のこと守っていきたいです。

 シーグラスづくりでは琉球ガラスや、海に落ちているシーグラスを組み合わせてとてもきれいにできました。スタディキャンプではみんなと交流することができて、自分の地元についても考えることが出来ました。

後輩と一緒にきなこ作り

木造高校深浦校舎3年 上杉かえでさん

 私は初めてのキャンプで、予想以上に楽しく過ごすことが出来ました。同級生のみなみさんとも久しぶりに会えたし、後輩のりょうちゃんとゆめちゃんとも仲良くなれて嬉しかったです。

 海岸を掃除したりナラ枯れの問題に取り組んだり、星座の話やシーグラスでのアクセサリー作りなど、楽しく勉強になることが盛りだくさんで、自分の地元のことをより深く知ることが出来ました。

 近年、問題になっているというカシノナガキクイムシが増えるとせっかくの世界遺産が破壊されてしまうので数を減らせるように鳥たちに頑張ってもらいたいです。

 来年からは仙台に行ってしまうので参加をすることは難しくなってしまうと思いますが、機会があれば参加をしてみたいなと思います。

 みんなで作ったカレーやポテトサラダ、きなこもちもすごくおいしかったし、参加をして本当によかったと思いました。

 自分たちの地元の自然を守るためにどうすればいいか、これからじっくり考えていきたいと思います。シーグラスで作ったアクセサリーも予想以上にかわいくできたので満足です。

 みんなで昼食

東京家政大学 3年 中野美樹

 今回、9月7日と8日の2日間にわたり、青森県深浦町にて地元の小学生とともにビーチスタディーキャンプを行いました。私はキャンプの前日から準備に携わらせて頂きました。準備段階や当日子供たちと触れ合いながら2日間を通して感じたことや考えたことを綴ります。

 スタディーキャンプでは大きく2つのテーマを元に子供たちと共に楽しく学びを深めることができました。1つ目のテーマは捨てるはずであったものや捨てられているものの再利用や再使用についてです。内容としては、海辺でシーグラスを拾いアクセサリー作りを行ったり、地元の方から頂いた野菜や倉庫に眠っていた大豆を使ってカレーや黄粉もち作りを行いました。そして2つ目は白神山地でここ数か月前から顕著に被害の広がりを見せている「ナラ枯れ」についてです。

 始めにスタディーキャンプの準備では、初めてアクセサリー作りを体験させていただき、浜辺に落ちていたシーグラスが輝きを見せていてとても驚きました。そして、シーグラスを選んでアクセサリーを製作してみて率直にとても楽しかったです。以前は、何か問題について考える時は、始めに現状を知った上で「どうしたら良くなるのだろう」「今私たちにできることは何だろう」と向き合うことが大切だと考えていました。勿論、問題がなぜ起こり、どうしたら良くなるのか考えることは問題を知り、学ぶ材料となると思いますが、「楽しむ」ことでそこから何かを感じることも学びの大切な材料だと感じました。当日、子供たちとアクセサリー作りをする中で、「こんな形のシーグラスを見つけたよ!」「このシーグラスはこのアクセサリーに使おうかな!」など目を輝かせながらお話ししてくれる子供たち。そしてカレーと黄粉もち作りでは、夢中になって調理に取り組む姿。何より楽しそうにしている子供たちの様子を見て、スタディーキャンプを行う意義について自分なりに考えてみるきっかけとなりました。

 そして、「ナラ枯れ」については、現地に到着して浜田さんや地元の自然に詳しい社会人の方のお話を伺う中で白神山地の自然が脅かされている現状を知り、とてもショックを受けました。そして同時にこのスタディーキャンプを通して子供たちに地元で起きている「変化」に目を向けるきっかけに繋げていきたい、自分なりの言葉や接し方で子供たちに「楽しむ」気持ちを大切にしながら学んでほしいという想いが強くなりました。スタディーキャンプ当日は子供たちが真剣な眼差しでナラ枯れの説明を聴く姿がとても印象的でした。また、ナラ枯れが進んでしまうと白神山地に棲む動物たちの生活にも影響が出てしまうお話をすると、「この動物かな?」と子供たちがたくさんの動物の名前を挙げている姿も見られました。

 ナラ枯れに対して自分たちが出来ることとして、浜辺に落ちていたブイを加工して作った鳥かごを山の中に設置をすることで、鳥たちを呼び寄せようという提案も行いました。これは、数年前に私の大学の先輩が清掃活動で拾ったブイで鳥かごを製作しており、何かに使えるのではと考えていたところ、ナラ枯れ問題の解決策の一つとして活用されることになりました。数年前の清掃活動で拾ったブイで作られた鳥かごが問題解決の材料として活用される機会が訪れたことはとても感慨深い気持ちになりました。

 スタディーキャンプを通して子供たちと共に学び、過ごした時間はとてもかけがえのないものでした。子供たちと過ごしたどの時間を切り取っても鮮明に子供たちの表情が思い浮かぶほど、時間が過ぎるのを早く感じた2日間でした。そしてスタディーキャンプを通して、身近にある問題に対して楽しみながら学ぶ機会は、今後様々な問題を解決の方向へ進める一端としての役割を担うことにも繋がるのではないかと考えています。一人でも多くの人が学ぶことを楽しみ、何かを感じてもらうことから様々な課題に対しての興味を引き出す、そんな機会やツールを今後も考え続けていきたいです。

小学生たとゴミ拾い

東京家政大学 4年 大塚千里

 私は生まれも育ちもさいたま市です。そこは子どもの数も非常に多く、小さいときから大勢の年上、同世代、年下に囲まれた生活を送ってきました。人の数が多ければ多いほど考え方もたくさんあり、自分と違う人を認識し、それらを拒絶したいと思いながらも受け入れ無ければいけないというような葛藤と戦い、、、。そうしたことから学ぶ機会も多かったように思います。また、それぞれの家庭で親の職業は異なり、自身の未来に対する希望も多様なものでした。しかし、今回深浦地域の子どもたちと触れ合い、そういった機会は都市部や子供が多い地域の贅沢なものであったと認識しました。

 小学3年生であるのに、話をよくよく聞いていると、「○○さんが将来○○になりたいと言っていて、考えるのが面倒くさいから自分もそれにする」と言うのです。とても悲しくなりました。私もまだ21年しか生きていませんが、これまでにたくさんの働く大人たちに出会い、また、街中でそういった姿を見、夢を描いてきました。「将来あんなかっこいいスーツを着て丸の内で働いてみたい」「成田空港をスーツで颯爽と歩きたい」どんな些細なことでも幼少期の自分にとってみれば大きな夢でした。夢一つとっても都市部と地方の差を垣間見たように思います。

 一方で、地元をよくしたいという想いは圧倒的に深浦の子どもたちに根付いていると感じました。白神山地とそのコア地域のナラ枯れ問題を学ぶ時間では積極的に発言してくれる子、恥ずかしそうに知っていることを伝えてくれる子がいました。授業で学んだりや家族から聞いたりしているのでしょうか。そして子どもの感想にあった「白神山地とそのコア地域が世界遺産から外されたらこの地域は誰も来ない町になってしまうのかなと思い、焦りました」という一文。この子は自分の町がとても好きで、町が衰退していくことに危機感を覚えるほど自分の町のことを一生懸命に考えられる素晴らしい子だなと思いました。

 地元を愛するということを小学生からたくさん学ぶことが出来ました。今回の私たち都市部の大学生との触れ合いが子どもたちにとって「大学で勉強を学ぶ」という将来の選択肢になってくれれば幸いです。

地元の大先輩と

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