流木や不要木で作ったチップで森を守る ツイート 10キロ入りのチップの袋を抱えて走る女子生徒 本格的な紅葉のシーズンを前に、青森県有数の観光地・十二湖の遊歩道に、木材チップを撒く活動を実施しました。白神山地から出る流倒木や不要な木をリサイクルして、防災と環境の保全に役立てる事業です。今年で二年目になりました。 撒いたチップを手際よく広げる 力自慢の男子が広げてゆく 今回は、県立木造高校深浦校舎(吉田健校長)の呼びかけで、深浦町内の深浦、大戸瀬、岩崎中学校の生徒ら77人が参加。教職員、町役場、ガイド、ボランティアらを含めた総勢約180人で作業を開始しました。 チップ撒きに参加した生徒たち 初参加の中学生たちも頑張る 用意したチップの総重量は約6トン。今年の夏に深高生らが集めた笹内川の流倒木や、災害防除工事で出た不要木などを、秋田県能代市の製材業者・鈴光さん(鈴木英雄社長)が無償で加工して下さいました。これを「白神十二湖森林セラピー基地」の遊歩道に敷き詰めるのです。 遊歩道にまんべんなく撒いて行く 増冨さんの指示を聞く生徒たち 事業の全体計画は、町総合戦略課の増冨勇人さんらが担当。チップの運搬や作業のタイムスケジュール、どの場所に生徒を割り振るかなどを細部にわたって完璧に手配します。今年の目玉は、青池広場周辺のブナ自然林を貫く遊歩道、約250㍍の区間にチップを敷き詰める予定です。 チップを運ぶ後姿が大黒様のよう 力自慢の深高生の男子 一度は雨で順延になりましたが、10月5日午前10時、うす曇りの森の中で作業が開始されました。「チップの袋を運ぶ」、「袋の口を開ける」、「遊歩道に撒く」、「平らにならす」などの役割を、各校の生徒たちが分担し、作業は進みます。 全員が作業を分担し、テキパキと働く 袋が重くて、こけちゃった 木材チップは、あらかじめ、約5キロ入りと10キロ入りの二種類に袋詰めしてあるのですが、わざわざ重い方の袋を運ぶ力自慢の女子生徒も。頼もしい限りです(笑)。始めて参加する中学生も、お兄さん、お姉さんに負けじと働きます。 10キロ入りを一人で運ぶ力持ちの女子中学生 女子でも重い袋を担げるよ。可愛い笑顔 ここでも、生徒たちの頑張りに感嘆しました。皆、自分に出来る事を懸命に取り組み、仕事を自主的に見つけて積極的に働くのです。私たち大人のアドバイスなどは必要ありません。当然、「かったるーい。やってられんわ」なんて、聞こえてきません。毎度のことながら、深浦の生徒の素晴らしさに心より感動します。 それぞれが的確な役割分担 持てる力を発揮して働く 作業は、1時間余りで完了。青池から続くブナの森の中に、優しい木の香りがする木材チップの道が現われました。広葉樹の緑のトンネルが、ひときわ明るくなったような印象も。さっそく、首都圏から訪れた観光客らが、フカフカした感触を確かめるように、ゆっくりと歩き始めます。 作業が終わって記念撮影 チップを敷き詰めた遊歩道を歩き初め。観光客に労われた 「うわー素敵。それに歩きやすーい」。「えー、全員がボランティア‥。ありがとう、これからも頑張ってね」と、すれ違いざまに生徒らへ、労いの言葉を掛けて下さいます。中には、帰宅後に友人への土産話にすると、チップの写真や生徒たちの姿を撮影して行く方もいました。 二人で仲良く運ぶ女子中学生 えー、すごく重い‥ 最後に、生徒たちが、自分たちの力で敷き詰めたチップの遊歩道を歩き初めます。全員が誇らしげ。堂々と胸を張っています。初参加の中学生たちも、元気いっぱいに前を向きます。みんな素敵な笑顔です。 遊歩道を歩く生徒たち。笑顔が絶えない 作業終了後、深浦校舎の校長先生が労いの挨拶 その姿に、不覚にも涙がこぼれました。この1年、よく頑張りましたね。河原で、炎天に焙られながら、一生懸命に流倒木を集めた夏の日。校庭に山積みされたチップに目を丸くしながらも、全員が力を合わせて袋詰めしました。そして、休日を返上して、流木を集めてくれた女子生徒も。みんな、ほんとうに逞しくなったよ。素晴らしい子供たちです。 いつも笑顔で取り組んでくれる 一輪車で運ぶ強者も 最後になりましたが、無償で木材を譲って下さったり、チップに加工して下さったりした、林野庁、県鰺ヶ沢道路河川事業所、町内の建設業「ホリエイ」、秋田の製材業「鈴光」などの皆さまへ、深く感謝とお礼を申し上げます。 重い袋も何のその 森の奥までチップを運ぶ中学生たち そして、事業の成功は、町総合戦略課のプロデュースと各中学校、高校の協力と頑張りがあったからです。皆さま、本当にありがとうございました。また、来年もみんなで力を合わせて、がんばろうね。 よく頑張った生徒たち Post Views: 346 « IVUSAの大学生が深浦町に来た!② 訃報 マタギの伊勢親方が急逝されました »
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