
幻想的な明かりを灯しながら運航されるねぷたやねぶた
すっかり書き込みをご無沙汰してしまい、読者の皆さま、申し訳ありませんでした。沖縄で遭った交通事故のあと、私の体が変調をきたし、人生で初めての入院と手術を体験いたしました。

商店街を練り歩くねぶたの行列

大学生たちが参加した地区の方々と記念撮影
予防接種でも泣いてしまうほどの怖がりなので、脳に近い部分の神経付近への施術は、生きた心地がしませんでした。先月に退院し、今は病院へ通いながら、リハビリに励んでいます。

坂上田村麻呂が建立したとされる古刹「円覚寺」の前で

差し入れのジュースを抱えて
主治医の話では、今後の経過次第では、完治しにくい「難病」の可能性もあるそうで、前途を思うと目の前が暗くなってしまいます。でも、夫と二人、前を向いて生きてゆくしか選択肢はありません。気力、体力が続く限り、頑張って治療に臨みます。

力強い太鼓の打ち手たちが商店街を練る

隣町の子供ねぷた前で記念撮影
お見舞いのお手紙やお言葉など、過分なお心遣いをいただいた方々へ、この場を借りてお礼を申し上げます。心よりの感謝を込めまして。

大学生たちを先頭に続くねぶたの行列

祭りの前に地区の方々へご挨拶
さて、書くことが山のように溜まっています。何にしようかなぁ。うん、では明るい話題から。冒頭の写真でお見せした深浦町の「ねぶた」に参加した大学生たちの活動を紹介いたします。

郷愁を誘う、ねぶたの行列

海岸の横を歩くねぶたの行列
いつもは国際ボランティア学生協会(IVUSA)のメンバーが来てくれるのですが、今回は協会の正式派遣としてではなく、自主的に参加した大学生たちです。十数名と多くはありませんが、皆「深浦が大好き」、「地域おこしで町に貢献したい」という、熱い想いで駆けつけてくれました。

地区の小学生が学生の前で自己紹介
実はIVUSAも9月上旬に、大間越で実施される「お山参詣」の神事と、海岸などの環境保全活動のために、約70人の学生を派遣してくれる予定です。

薄暮の中、出発する各地区のねぶた
それゆえ、8月に来てもらうのは、学生たちへの負担が大きく、あまり無理を言えませんでした。が、今回、深浦町役場が学生たちをインターンとして受け入れて下さることになり、急きょ派遣が実現しました。そして、昼間は役場の仕事を体験し、夜は、ねぶた運行のお手伝いをすることに。

お世話になる地区の会長さんへご祝儀を手渡すリーダーの小嶋さん(左)。ふんぞり返っているわけではありません

出発前の緊張感。準備は万端
当然、全員が初めての経験。実物のねぶたの重さと迫力に圧倒されつつ、保管場所から集合場所まで、人力で引いて行く仕事に参加しました。地区の高齢者や子供らに混じって、男子が先頭に立ち、女子が後方で支えます。

急な坂道は全力で引いて登る
初対面ながら、笑顔で話しかけてくるお兄さんやお姉さんと一緒に、子どもたちも、2キロ近い道のりを汗をふきふき付いてきます。みんなが温かく学生たちを迎えて下さったのです。これに応えないわけにはいきません。

地区の方に混ざってねぶたを引く学生ら

ねぶたの後をついてゆく学生や子供たち
夕日が落ちるころ、暮れなずむ日本海を見下ろして、合同運行がスタートしました。港へ続く急な坂道を下りきった後、深浦町のメイン通りを幻想的な明かりに包み込みながら、ねぶたの行列が進みます。街角や商店の前には、夕涼みを兼ねた見物の方々の姿が。

他の地区のねぶた。子供たちが愛らしい

他の地区のねぷた運行
とても、郷愁を誘われる光景です。ん、よく見ると、太鼓の叩き手や先頭でねぶたを引く顔に見覚えが。「あ、役場の松沢課長だ!」。大太鼓を抱えて、力強く叩きながら歩く姿が、とても凛々しいです。女子学生から、「カッコいい」との嬌声が(笑)。

大太鼓を叩く、総合戦略課の松沢課長

「カッコいい!」と、女子大生の声が
全員が汗まみれになって、終点のJR深浦駅近くまで歩き切ります。ねぶたを引く高齢者も、笛を吹きながら付いてゆく小中学生も、誰一人として脱落者はいません。ヒイヒイ言いながら、写真を撮り歩く夫の哲二だけが、人一倍汗をかいて辛そうです。「ん、もう、太りすぎよ!」。私も人には言えないけど‥

笛を吹きながらねぶたに付いてゆく子供たち

地区の方々に混じってねぶたを引く学生
祭りが終わって、地区の方々が開く直会にも参加させて頂きました。初めての学生たちを大歓迎で迎えて下さり、嬉しい限りです。並んでねぶたを引いた大先輩と杯を傾け合います。お姉さんが大好きになった女の子が、学生にまとわりついて離れません。

子供たちと仲良しになった女子学生

去年知り合った高校生と再会
派遣期間さえ折り合えば、来年はねぶた作りの作業から参加したい、と話す学生も。熱心にねぶたのことを語る地区の方々にうたれ、深浦はどの地域も、古くからの祭りを心のよりどころにしているのだ、と痛感していました。

盛りあがる地区の方々の前で学生リーダーが挨拶

みんな混ざって楽しい宴
来年に再会を誓い、会はお開き。皆、お互いに名残惜しそうです。学生も大間越地区以外の方と親交が深まり、感慨深げでした。でも、翌日から新たな活動が始まります。町内で学生が引く手あまたになりつつあるのです。

仲良くなった方から、「よく来てくれたな」と労われる

「来年も来いよ」との掛け声。学生からは、「はい、必ず!」
深浦町役場・インターンシップ編へと続きます。
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