みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
●2015年遺骨収集25日目 戦場のハーモニカ①

2015年遺骨収集25日目 戦場のハーモニカ①

陣地壕内で見つかったハーモニカ
トーチカ内で見つかったハーモニカ

沖縄県糸満市喜屋武で、旧日本軍が使用していた石積みのトーチカから、戦没者の遺留品とみられる楽器のハーモニカが出てきました。住民が避難していた壕内から見つかることはあるのですが、兵士たちが駐留する戦いの場で見つかる例は、きわめて珍しいです。

この石垣の隙間に差し込んであったのを女子学生が見つけた
この石垣の隙間に差し込んであったのを女子学生が見つけた

高台にある陣地の石積みの間に差し込んであったそうで、IVUSA(国際ボランティア学生協会)の女子学生が、遺骨収集中に発見しました。片面には、「ヤマハバンド」と描かれ、裏面には、蝶の印と、「Butterfly Harmonica」と刻まれています。

日本軍の陣地跡が残るジャングルで、遺骨収集に臨むIVUSAの学生たち
日本軍の陣地跡が残るジャングルで、遺骨収集に臨むIVUSAの学生たち

いったい誰が持ち込んだのでしょうか。トーチカに居た日本兵が、戦闘の合間に吹くため?。それとも、兵士が全滅したり、撤退したりした後に、入り込んだ民間人が置いて行ったのかな。謎は深まります。

遺骨に手を合わせるIVUSAの学生たち
遺骨に手を合わせるIVUSAの学生たち

その場所は、高さ約2㍍、横幅が5㍍程の人工の石積みに、大きな機関銃か軽砲を備え付けられる大きさの銃眼が開いている、兵士が駐屯したトーチカ。背後の壁には、敵の攻撃なのか、黒く焼け焦げたような跡も残っています。

ハーモニカが見つかった時の様子をNHKの記者(左)に説明する女子学生
トーチカ内でハーモニカが見つかった時の様子をNHKの記者(左)に説明する女子学生(右端)

規律を重んじる日本軍兵士が、戦場でハーモニカを吹いていたとは思えません。ましてや、洞窟や岩の隙間から、米軍にゲリラ攻撃を加えていた沖縄戦ですから。ならば誰が持ち込んだのか。その答えは、70年過ぎた現場の状況で判断するしかないようです。

ハーモニカに描かれた文字を懸命に読み取ろうとする男子学生
ハーモニカに描かれた文字を懸命に読み取ろうとする男子学生

実は、このハーモニカの近くで、子どもの顎の骨が見つかりました。両者の距離は50cmも離れていませんでした。そして、石積みの下の地面から、大人の骨に交じって、子どもの遺骨や歯が複数出土したのです。

出土した子供の物とみられる下顎骨の説明を聞く学生たち
出土した子供とみられる下顎骨の説明を聞く学生たち

そして、下顎を詳細にみると、まだ奥歯が生えそろっていない状況。当時の子供の栄養状態が悪かったとはいえ、ハーモニカを吹けるような年代の遺骨とは思えません。でも、機関銃を構えている陣地に、そんな子供が出入りできるとは考えられないのです。

学生に身振り手振りで説明する哲二
学生に身振り手振りで遺骨の説明をする哲二

このトーチカで見つかった、ハーモニカと子供の顎の骨。関係各方面に問い合わせるなどして、更なる情報を集約して続報を書き込みます。もうしばらく、お時間を下さい。