子供たちと、シノリガモの観察に出かけていた時のことです。秋田県境近くの峠を車で走っていると、羽の一部が白い、カラスのような鳥が、地面を歩いているのを見つけました。まさか、と思いつつ、急いで戻ってみると、いました。九州に住んでいた時に見かけたカササギです。
この鳥は世界的にみると、イギリス、ヨーロッパ全域、朝鮮半島など北半球に広く分布します。が、日本では、佐賀県を中心に、福岡、熊本、長崎県など北九州の平野部に集中し、一部の生息地は国の天然記念物に指定されるほどです。近年、北海道の一部で繁殖が確認されたものの、本州の他の地域では、あまり見ることができません。
青森県では三厩村(今の外ヶ浜町)などで確認例があるようですが、かなり珍しいお客さんのようです。カラスより小型で、雑食性。観察していると、時折、地面をつつき、昆虫やミミズを探しているようです。白と青色に縁どられた黒い羽が美しく、皆で見とれてしまいました。
七夕伝説では、カササギが天の川に翼を並べて橋を作り、織女と牽牛を渡す、とされています。小倉百人一首に収められている、奈良時代の歌人・大伴家持の歌でも、この「カササギの橋」が知られています。深浦を訪ねてくれたカササギも、今頃は天の川目指して、天高く、駆け昇っているかも知れません。
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