2011年秋から、国有林などを統括する林野庁と国定公園を管理する青森県の許可を戴いて、白神山地で暮らす生き物の撮影に取り組んでいます。森の中を縦横に走る「けもの道」と人も歩く林道や遊歩道などに、体温がある生き物が通過すると自動的にシャッターが切れる自作の「ロボットカメラ」を仕掛け、一定期間過ぎるとデータを回収します。カメラの設置期間は、まだ1年と数か月ですが、写し出される生き物の数と種類の豊富さに驚いています下はツキノワグマ(センサー一体型の市販カメラで撮影)。
新聞記者時代、高知県西部で先ごろ絶滅宣言された「ニホンカワウソの調査」や、沖縄本島北部の森に生息する、幻と呼ばれた「オキナワトゲネズミの調査」などに参加し、自動撮影を何度か手がけてきました。が、生物層が豊かなのか、白神周辺で得る成果は素晴らしいものです。でも、当然のことながら、自動撮影の専門家でもないので、人並みのことを判断できる立場にはありません。今後も続ける予定ですが、できれば、この世界で第一人者の巨匠・宮崎学先生に師事して、技術やコツを教えていただきたく思うほどに、生き物の生態を知る技と機材管理の難しさを痛感しています。
ただ、私たちにも強い味方がいます。それは、深浦町で今も狩猟採集生活を続けている山の師匠が、食痕や足跡などから動物が通る道を探すお手伝いをして下さるからです。この地方には、有名な「白神マタギ」が今も活動されていますが、この親方は地元出身ではないので、白神のマタギとは呼べない存在です。でも、深浦町の山のことや生き物の行動などに詳しく、その指示のもとにカメラを置けば、ほぼ百発百中でした。へぼな私たちがそれなりに成果を出せるのも、この親方のおかげです。そしてマタギの話は別項で後述いたします。
これからも、季節ごとに新しい動物たちの姿が撮影できれば、公開していく予定です=写真下、冬毛になったホンドテン(哲)。
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