秋田、青森両県の日本海側は、冬になるとハタハタが産卵のために沿岸へ寄ってきます。冷え込んだ夜、10メートル以上の強風が吹いて雷鳴が轟くような嵐になると、お腹を卵で膨らませたハタハタが次々と接岸して、産卵してゆきます。その卵を地元では「ブリコ」と呼び、珍味として珍重されています。でも、浜辺などでの採捕や所持、販売をすることが、「青森県海面漁業調整規則」で禁じられていおり、違反した場合は罰せられます。
しかし、その違反行為を白昼堂々と実行する輩がいます。カモメたちです。ハタハタの産卵シーズンになると、夜明け前から浜辺の砂浜や岩礁地帯に並び、打ち寄せられてきたブリコを競うように奪い合います。
運良く咥えると、一目散に飛び去って独り占め。真っ白で見かけはとても可愛いカモメですが、カラスのように貪欲で、時には漁師さんたちの漁獲物も、ちょいと頂く事があるそうです。それなのに罰せられることもなく、傍若無人に振舞っています。
そして、深浦の町の鳥にも選ばれ、ちゃっかりと町章の図案にも取り入れられています。
美味しいブリコを独り占めにして‥。(律)
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