みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
手紙返還での大学生の想い③ 高木乃梨子

手紙返還での大学生の想い③ 高木乃梨子

このエントリーをはてなブックマークに追加

戦没者の妻の手紙を朗読する後藤(手前)と高木(その奥)

【遺骨と手紙が語る戦争】

大学4年の高木乃梨子です。今日は私の所感の投稿です‼️
私は2016年度の春から約1年半、遺骨収集と手紙返還活動に参加しています。
今回、私が初めて遺骨収集に参加をし、遺骨や伊藤大隊長の手紙を目にした時の所感について綴りたいと思います。

戦没した父の話をしながら涙ぐむご遺族を見つめる

私には聞かれると複雑な気持ちになる質問があります。

「沖縄出身者でもない、親族に戦争に行った人がいるわけでもない。なぜ高木さんはこの活動を始めたのですか?」

こうした質問は、唯一の被爆国であり、また無謀な戦争を起こした日本の「平和」への考えや活動が、まだまだ多くの人々に浸透していない事を示唆している気がします。

私も、当初は平和について考える事は全くといって良いほどありませんでした。

糸満市の野戦陣地で遺骨収集をする

<戦争を知り、平和について考えるようになったきっかけ>

高校2年生の時、沖縄の平和祈念資料館に行った時、初めて沖縄戦の実態を知りました。

教科書では、多くの人の命を奪った戦争を「歴史」として教えられます。

『沖縄では約20万人亡くなった』

私にとって、こうした記述は暗記すべき数字の羅列に過ぎませんでした。

それが、資料館の映像や遺留品に出会って、初めて戦争を実感したのです。

その実態に、「人間の尊厳がこれほど破壊されることを二度と繰り返されないために、自分が出来ることをしたい」と考えている時、「みらボラ事務局」を務める浜田夫妻と出会いました。

ご遺族にお手紙を手渡す

<大学入学後、遺骨収集ボランティアを開始>

2016年の春、沖縄本島南部の糸満市で、初めて遺骨収集を実施しました。

壕(ガマ)の中の地面を1時間も掘らないうちに、次々と遺骨や遺留品が露わに。

最初に、小石だと思って拾い上げたものが、なんと人の骨だったのです。

唖然としました。

真っ黒に焦げて劣化した戦没者の顎の骨

バラバラに砕け散った状況を見て、浜田さんは「爆弾を投げ込まれて、粉々になったんだね」と一言。

そして、真っ暗に炭化した骨。

「米軍はガマの中に火炎を放射したり、ガソリンを流し込んで火をつけたりしたんだよ」

浜田さんは、いつもより低い声でした。

「馬乗り攻撃」といって、洞窟内に閉じ込めた兵士や民間人らを焼き殺したそうです。

お手紙を書かれた戦没者の奥さまのご仏前で香を手向ける

なんて無残な死に方なんでしょう。
歴史というのは、終わった過去を学ぶものと考えていましたが、ここには73年前の戦争で亡くなった方々の姿がそのまま残っていました。

骨が語る人の命の最期は、ただただ衝撃的でした。

その衝撃が、違う感情に変わったのは、伊東孝一大隊長との出会いでした。

資料を手繰る伊東大隊長に寄り添って

<初めて読んだ戦後の手紙>

遺骨収集に参加した後、大隊長とご遺族がやりとりされた手紙を読みました。

「夫は本当に死んだのでしょうか」

家族の戦死を告げられても、受け入れられない遺族の悲痛な叫びが聞こえてくるようでした。

手紙を全部並べて内容の読み込み作業

そして手紙に同封されていた戦没者の写真。

その姿や名前を見たとき、沖縄のガマの中に散らばる遺骨が思い浮かびました。

私が拾った骨は、誰の大切な人だったのだろうか。

あの遺留品は、誰かの愛する人のものだったんだなぁ。

衝撃は一瞬にして、悲しみに変わりました。

手紙を読むと涙が止まらない

家族の元に帰れなかった兵士、それを迎える事が出来なかった家族。

お互いにどんな思いだったのだろうか…

遺骨と手紙は、私に思いも及ばなかった戦争の姿を想像させました。

 戦没者の3人の息子たちと妻が写った写真。戦地の夫へ送られた

<活動に対する思い>

人間の尊厳を奪われたような死に方をした方々は「お国のために」出征したけれど、戦争が終わった後も誰にも見つけられず、暗いくらいガマや土の中に73年間も眠っています。

家族の元にも帰れなかった遺骨をちゃんと掘り出してあげたい。

戦没者が息子宛てに戦地から送ってきた手紙を読む

手紙に書いてある戦没者の子どもたちは今、どうしているのでしょう、手紙を書いた人は戦後、どのように暮らしたのか、手紙を届けた時に話を聞いてみたい。

そんな思いで、活動へ注力するようになりました。

アジア・太平洋戦争における日本の戦没者数は、約310万人と言われています。

その310万人に家族がいたはずです。

    ご遺族の夫妻と一緒に納骨堂に手を合わせる

教科書の上の数字だけでは、私たちに差し迫ってくる臨場感はありません。
事実ではあるけど、その真実を訴えてくる教えには、ほど遠いように感じます。

なぜ、戦争になったのか。
日本人はどんな被害を受け、また、どんな加害を行なったのか。

事実を積み重ねることで導かれる真実を知ることで、正しい歴史認識を身につけ、二度と悲惨な戦争を引き起こさない決意が大切だと考えています。

伊藤大隊長と遺族がやりとりされた手紙の内容は、戦争が生み出した真実のひとつとして世に伝えるべき事だと考えています。

    戦没者のお墓に手を合わせる

過去にあった戦争の事実から学ぶことを積み重ね、平和な暮らしを守り続けたいです。

より多くの皆さまに遺骨収集の事、手紙の事、遺族が語る戦争の事を伝えるため、活動に励んでまいります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました

    戦没者の妹さんとそのご家族と一緒に

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください