みらいを紡ぐボランティア

ジャーナリスト・浜田哲二と学生によるボランティア活動

青森県深浦町の小さな集落     
何と、害獣駆除の隊員に任命されました

何と、害獣駆除の隊員に任命されました

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辞令交付①hp

深浦町で、今年度の鳥獣被害対策実施隊が結成され、吉田満・町長から総勢22名の隊員へ辞令が交付されました=写真上、吉田町長(右)から辞令を交付される猟友会のメンバーたち、深浦町役場で。白神山地の麓の町では、狩猟者の減少や地域の高齢化で、サルによる農作物への被害が著しくなっています。このままでは、農業に携わる人たちの意欲の低下と耕作の放棄につながるとして、昨年度より隊員を10名増員して、獣害に断固たる処置を取る姿勢を構えつつあります。

黄金崎のサル⑥hp

それも、山から麓の集落に降りてきて、お年寄りたちが手塩にかけて栽培した米や野菜を食べ荒らするサルが、ネズミ算的に増え続けているからです=写真上、農場に現れたサルの群れ、深浦町で。世界遺産・白神山地の麓の町とは言え、そこで暮らす人たちの生活が脅かされるほど、追い詰められてきています=写真下2枚、お年寄りのカボチャ畑を荒らすメスサル。畑は全滅した、深浦町で

カボチャ盗るサル⑥hp

カボチャ盗るサル⑧hp

私たちの暮らす地域でも、事態は深刻です。厚い根雪が溶け、長い冬の眠りから覚めた畑で、農業従事者がまず最初にすることは、畑に畝を作ることでも、肥料を入れて耕すことでもありません。冬の積雪で倒れたサルよけの囲いを修復することです。70歳代はまだ若手、80歳や90歳を越えたお年寄りたちが、曲がった背中を伸ばしながら、高い杭を立て、それに網を張り巡らす作業は過酷です。今年になって80歳代のおばあちゃんが、重い生木の杭を肩に担いで運搬中に転倒、頭を数針縫うケガを負いました=写真下、サルに荒らされたカボチャ畑の網を片付けるおばあちゃん。4~5個取れただけで全滅した

被害にあった阿保マサさん⑤hp

被害にあった阿保マサさん⑦hp

こうして春の準備を終えても、焼け石に水。サルは網を破り、杭を倒して、畑の作物に群がります。昨年はカボチャ畑が全滅しました=写真上、全滅したカボチャ畑で呆然と立ち尽くすご夫婦。目には涙が‥。おばあちゃんの泣き顔をみながら憤っていた夫は、石を飛ばす手製のパチンコを作ったり、購入したりして、追い払うお手伝いをしていましたが、一時的に効果があったもののすぐに慣れてしまいます=写真下、サルに荒らされ、まだ完熟しきっていないジャガイモを収穫するお母さん。がっくりと座り込んだ

被害にあった平沢さんhp

そこで、一念発起した夫は昨年夏、わなの狩猟免許を取得。今年から、サルの捕獲や追い払い、町内パトロールの活動に参加することになりました。つまり、有害鳥獣駆除の隊員に選ばれたのです。張り切っていますが、あくまでも素人。まぁ写真は撮れても、果たして悪知恵の働くサルを捕獲したり、追い払ったりすることが可能でしょうか。声がデカイし、体力はあるので追い払いぐらいはできるかも知れませんが‥。地域活動への参加は重要なことなので、頑張って戴きましょう=写真下、吉田町長から辞令交付を受ける夫(左)

哲二辞令交付hp

町長②hp

町では2年前から、担当部署に獣害対策に取り組む専門家を据えて、年々激しくなる猿害に対処して来ました。住民からの通報や苦情を元に、出没地点にオリを置き、捕獲した個体に発信器をつけて、群や頭数の把握に努めてきました=写真上、辞令交付後、事態打開に向けての期待を込めた挨拶をする吉田町長。そのデータによれば、町内には現在、27群864余頭、実質は1000頭前後のサルが生息していると見られています。調査が進むにつれ、群れの数も個体数も年々増加しており、まだまだ増える可能性もあります=写真下、オリで捕獲されたメスザルにテレメトリーの発信機を付ける専門家、外が浜町で

テレメトリー⑭檻hp

テレメトリー③装着hp

 

テレメトリー⑪放獣hp

また、集落に近い場所に住み着いた群れから生まれる子ザルは、山での生活を知らないために人里が故郷となり、田畑などで餌を取ることが日常の暮らしとなるそうです=写真上、ラジオ・テレメトリーの発信機を首に付けられ放たれるメスザル、深浦町で。人を恐れず、時には窓や扉の隙間から人家に忍び込んで、悪戯をした例も聞きました。野生動物に罪はありませんが、天敵もなく増えすぎて人間の生活の域を侵し過ぎることがあれば、やはり人の手によって保護しながら管理するしかなさそうです=写真下、子ザルを背に餌を探す母ザルたち

黄金崎のサル③hp

頭抱えるhp

町の有害鳥獣パトロールや猟友会のメンバーらは、「サルは本当に賢い」と口をそろえます=写真上、獣害対策で頭を抱える深浦町役場の職員ら。まず、人間の顔や車をすぐに覚えて、パトロールのメンバーが来たら、一斉に逃げ去ってしまうそうです。同じく隊員に任命されている伊勢親方に、「次は、畑仕事のおばあちゃんに変装して行ったら?」と、笑い話をすると、真面目な顔で、「それはいいかもな」と、あながち冗談と受け止めていません。さあ、私たちと悪サルとの知恵比べが始まります。色々な作戦を練っています。どんな作戦かは、どこかで賢い「サル」がHPを読んでいるかもしれないので、取り敢えず「秘密」です=写真下、サルの追い払いのため、空砲を放つ伊勢親方

猿追い払い①hp

 

 

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コメント

  • 食べ物やセイリング山本千鶴子 より:

    こんばんは
    今日は小学校の参観日でした
    年度初めということで、学校運営やら、PTA総会やらいろいろでした。
    いろんな総会や、会議に出て思うのは
    考えている人と、勉強している人と
    そうでない人との温度差があまりに大きいということ

    自分が考えている人、勉強している人です!
    なんて、偉ぶって言っているわけではないのです
    ただ、なんでなんだろう?これはどうなんだろう?
    疑問や、心が動く出来事があると
    知りたくなりますよね
    考えたくなりますよね
    そうした時に、勉強の仕方や、お話を聞くことのできる人が身近にいてくれたり、したら
    やはり、格段に知識や思いが増えてくると思うのです

    考えたくなる!ということは、心が動いたから
    じゃ
    考えたり、勉強したりできるのは
    心が動いてくれないと身体も思いも動かない

    あれれ
    何を書きたいのかわからなくなってきましたね

    相手を知るために
    相手を勉強する
    研究する、研究している方々と共に動く

    地域の人たちの心が動いて
    研究されている人たちの手をお借りして、研究を重ねて
    猿も人も「幸せに」なれるよう

    淘汰されていくのは仕方のないことなのかもしれませんが
    哀しいです
    町も淘汰されていく前に
    何とかしなければ!!と思います

    • hamatetsu より:

      そうですね。
      年度が変わって、子どもたちも新しいスタートを切ったようです。
      みんな、目がキラキラして、元気に何事にも一生懸命で、とても可愛らしいです。
      それだけではなく、子どもたちと一緒に行動していますと教えられることばかりです。
      私たちが歩んできた道を、新たに歩み始めている姿を見ると、自分はなんて愚かな軌跡しか残せなかったのかと、自己嫌悪に陥る日々です。
      子どもたちの未来は、光輝いていますね。
      みんな、夢と希望を持って走り続けています。
      そのお手伝いをできたら、小さなアンカー役でもいいのでお役にたてたら幸せです。
      明日も観察会があります。
      はじける笑顔と元気いっぱいの姿を見られるだけで、お声がけして良かったな、との思いを噛み締めています。
      書き込み感謝致します。
      ありがとうございました。

  • 食べ物やセイリング山本千鶴子 より:

    心強いですね。本当に我が家のおばあと、おじい(昨年亡くなりました)は毎日猿との格闘でした
    おじいが生きていたころは、サル用の網の補修や、設置も二人ですることができましたが、今年からはおばあひとり
    私の旦那が手伝いに行きますが、一日中というわけにはいきません
    猿との知恵比べ
    猿の裏をかく
    猿に見つからないよう!!!などなど

    一昨年
    役場からの情報と提供で「オオカミのおしっこ」対策をしてました
    効果があるようですが、これもまた、値段が高価だそうで
    それと、やはりなれると効果が薄いようです

    私が使う野菜を作ってくれているので
    猿はかわいそうなんですが、仕事に支障が大きい猿害です

    皆さん、どうかよろしくお願いいたします

    • hamatetsu より:

      コメントありがとうございます。

      お母さまの苦労と心労、ご近所の方々の苦しみを目の当たりにしていますので、強くお察し致します。
      ほんとに気の毒だし、おサルの悪さも度が過ぎていますね。
      ただ、野生の生き物たちには罪はなく、本当は管理する(計画的な駆除)のは可哀想なんです。
      でも、ここまで増えすぎると、人間だけでなく他の生態系にも影響が出るし、この地域のサル達にとってもいずれ滅びの道を歩むことが心配されます。
      手つかずの自然のままならば、天敵の存在や気候の厳しさなどで、淘汰されるべき個体があるはずなのに、民家の近くで人間の暮らしに侵入し過ぎることで、その自然の摂理が狂ってしまっているのです。
      集落全体が世界自然遺産に組み込まれ、生態系を保全しなければならないように定められているならいざ知らず、人間の暮らしや文化はまったく加味されていない世界遺産化なので、ここは地域住民と研究機関などが共闘して、対処するしかないと思います。
      深浦町も猟友会も頑張っています。
      私らが言えることは、サルの適正な管理を科学的に証明するために、「研究者と一緒に対処しましょう」と町長にも進言いたしました。
      また、再度、お訪ねして、念を押すつもりです。
      これだけのことを、過疎の一自治体が背負うのは大きすぎますもの。
      週明けには檻を取りに行って、仕掛ける予定です。
      深浦の住人として、一緒に頑張りましょうね、千鶴子さん。

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